世の中には、多種多様な仕事が存在している。そして、それぞれの仕事の中にはきっと大なり小なり、その業界特有の慣習や決まり事、隠語や略語、符牒などの、いわゆる"あるある"があることだろう。

また中にはもしかしたら、これまで当たり前と思っていた自分の職場の"常識"が実は一般的ではないのでは、と感じた経験がある人もいるかもしれない。そこで今回はマイナビニュース会員801人を対象にアンケート調査を実施し、「自身が働いている業界の“あるある"」を聞いた。

  • あなたが働いている業界の“あるある"を教えて?

Q.あなたは現在、会社や店舗、フリーランスなどで働いていますか?

「はい」(74.4%)
「いいえ」(25.6%)

Q.あなたが働いている業界は次のうちどれですか?

1位「医療・福祉・介護サービス」(7.4%)
2位「サービス(その他)」(5.5%)
3位「建設・土木」(4.4%)
3位「ソフトウェア・情報処理」(4.4%)
5位「海運・鉄道・空輸・陸運」(4.2%)
6位「食品」(3.2%)
6位「物流・倉庫」(3.2%)
8位「鉱業・金属製品・鉄鋼」(2.7%)
8位「その他電気・電子関連」(2.7%)
8位「精密機器」(2.7%)
8位「不動産」(2.7%)
12位「農林・水産」(2.5%)
12位「輸送用機器(自動車含む)」(2.5%)
12位「官公庁」(2.5%)
15位「教育」(2.3%)
16位「銀行」(2.2%)
17位「流通・チェーンストア」(2.0%)
18位「設計」(1.7%)
18位「インターネット関連」(1.7%)
18位「フードビジネス(総合)」(1.7%)

Q.あなたが働いている業界の“あるある"を教えてください(自由回答)

■「医療・福祉・介護サービス」

・「『さようなら』を『お大事に』と言ってしまう」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「仕事外でも、発熱のことを熱発と言ってしまう」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/公共サービス関連)
・「排泄関係の用語に全く抵抗がなくなる」(48歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)
・「車椅子を見るとつい目で追ってしまう」(47歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「相手とのやりとりがメールが主体であるが、いまだにFAXも多い」(39歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)
・「自分の職場だけかもしれないけれど、入った時は身の回りのものをアルコール綿で拭いていた。先輩達がそうしているのを初めて見た時はビックリしたのを覚えている」(25歳女性/繊維・アパレル/事務・企画・経営関連)
・「私用で病院に行ったとき、ナースコールが鳴ると反応してしまう」(28歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■「サービス(その他)」

・「遅い出勤時間でも、挨拶は『おはようございます』と言う」(42歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「電話は早く取りがちになる。回答を少し遅くして、じっくり考えているよう装う」(44歳男性/教育/事務・企画・経営関連)

■「建設・土木」

・「お昼ご飯は必ず12時」(39歳女性/建設・土木/その他・専業主婦等)
・「60歳以上は、昼休憩の時に寝る」(41歳男性/建設・土木/営業関連)
・「建築中の建物の施工会社を調べてしまう」(47歳男性/設計/建築・土木関連技術職)
・「車の運転中、家のデザインなどに注目してしまう」(34歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)

■「ソフトウェア・情報処理」

・「全角数字を見るとイライラする」(46歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「何でも英語3文字〜4文字に省略してしまう」(49歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「何らかのトラブルが1つあると、なぜか連鎖して全く別のトラブルが舞い込んでくる」(41歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「誰かに呼ばれると、ミスをしたと思ってつい謝ってしまう」(31歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■「海運・鉄道・空輸・陸運」

・「持っただけで重さが大体分かる」(46歳男性/流通・チェーンストア/営業関連)
・「必要以上に荷物の確認をしてしまう」(49歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「時計は私生活用でも常に整正してしまう」(46歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「隠語がアルファベット3文字(3レターコード)になっている」(44歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)

■「食品」

・「食品包装の裏面表示を見てしまう」(42歳男性/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「何かとニオイを嗅ごうとする」(47歳女性/繊維・アパレル/技能工・運輸・設備関連)
・「アイス売り場をチェックする」(39歳男性/食品/営業関連)
・「ライバル企業の呼称は隠語」(45歳男性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)

■「物流・倉庫」

・「数字を記憶する能力が高まった、ような気がする」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「仕事量や忙しさはトラックの到着に左右されるので、交通情報が気になる」(46歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)

■「鉱業・金属製品・鉄鋼」

・「金属部品を扱うので、みなツメの隙間が汚れている」(49歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「旧い業界ならではのアウトロー的な部分が残る」(46歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/営業関連)
・「ホームセンターで、生産している商品をじっくり覗き込んでしまう」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)

■「その他電気・電子関連」

・「和製英語が多い」(38歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「すぐに『工数が』と言ってしまう」(41歳女性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「電気製品見るとつい、どこのブランドなのか確認する」(43歳男性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「細かい作業をするので、いつも目が疲れて眠そうだよ!、と言われてしまいますね!(笑)」(48歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)

■「精密機器」

・「ピンセットを常に持っている」(44歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「1センチをトウミリ、0.1をコンマ1と言ってしまうwww」(42歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「職場以外の自宅や外出先でも、機械トラブルがあると原因を調べてみたくなる」(37歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「朝方送られてきた製造注文書は、必ず夕方以降に間違いが訂正された注文書が来がち」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)

■「不動産」

・「お昼時間に問い合わせの電話が多いので、実質、お昼休みは無いです」(45歳女性/教育/専門サービス関連)
・「『なるほどですねー』っていう返事は、言葉の熱量によってはなるほどと思っていないことがある」(42歳男性/不動産/営業関連)

■「12位〜18位」

・「農林・水産:他社の作業マニュアルが気になる」(36歳男性/化粧品・医薬品/その他・専業主婦等)
・「輸送用機器(自動車含む):自動車の名前を記号で言ってしまう」(31歳女性/輸送用機器/営業関連)
・「官公庁:用語がニッチ過ぎて通じない」(38歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「教育:土日祝日が休みのはずなのに、部活動や補習などでほとんどなくなる」(37歳女性/教育/専門サービス関連)
・「銀行:残高を知られたくないので、勤め先の銀行では預金しない」(35歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「流通・チェーンストア:出勤や退勤時に私服で店内を歩いている時に、他の従業員の『いらっしゃいませ』の挨拶につられて自分も言いそうになる。また、私服だからバレないと思っていても、常連さんに普通に気づかれ話かけられる」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「設計:設計がひと段落したと思うと、客先から変更要望が超短納期で来る」(47歳男性/その他/メカトロ関連技術職)
・「インターネット関連:ついついHPのコードを見てしまう」(28歳女性/インターネット関連/IT関連技術職)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員の中で現在、会社や店舗、フリーランスなどで働いている人は74.4%と、およそ4分の3ほどとなった。

働いている業界を聞いたところ、1位は「医療・福祉・介護サービス」で7.4%。以下、2位「サービス(その他)」(5.5%)、3位「建設・土木」「ソフトウェア・情報処理」(各4.4%)、5位「海運・鉄道・空輸・陸運」(4.2%)、6位「食品」「物流・倉庫」(各3.2%)、8位「鉱業・金属製品・鉄鋼」「その他電気・電子関連」「精密機器」「不動産」(各2.7%)と続いた。今回、選択肢として用意した業種は100種類を超えるが、回答もまた大きくバラけており、この社会に存在する仕事の多様性がわかる結果となっている。

次に、自身が働いている業界の“あるある"を教えてもらった。多く見られたのが、職場内で使っている隠語や符牒、専門用語や略称などをついつい日常生活で使用してしまい、相手が不思議そうな顔をしたり、怪訝な反応をするというもの。

現在働いている業界の1位「医療・福祉・介護サービス」では、「『さようなら』を『お大事に』と言ってしまう」「排泄関係の用語に全く抵抗がなくなる」「発熱のことを熱発と言ってしまう」など、なるほど“あるある"と思えるエピソードが並んだ。

また仕事での所作や言動を、ついつい日常生活でもしてしまうという経験談も多い。「建築中の建物の施工会社を調べてしまう」(「建設・土木」)、「何でも英語3文字〜4文字に省略してしまう」(「ソフトウェア・情報処理」)、「必要以上に荷物の確認をしてしまう」(「海運・鉄道・空輸・陸運」)、「包装の裏面表示を見てしまう」(「食品」)、「ついついHPのコードを見てしまう」(「インターネット関連」)、「自動車の名前を記号で言ってしまう」(輸送用機器:自動車含む)などなど、こちらもいかにもありそうな“あるある"ネタが寄せられている。

ほかにも、「ライバル企業の呼称は隠語」(「食品」)、「用語がニッチ過ぎて通じない」(「官公庁」)、「金属部品を扱うので、みなツメの隙間が汚れている」(「鉱業・金属製品・鉄鋼」)、「土日祝日が休みのはずなのに、部活動や補習などでほとんどなくなる」(「教育」)、「残高を知られたくないので、勤め先の銀行では預金しない」(「銀行」)などなど、インサイダーならではの情報が多数あった。

アンケートでは、その業界や職種、職場ならでは"あるある"が多数寄せられた。もしかしたら皆さんにも、ついうっかり使ってしまった業界用語や隠語が相手に通じずに、焦ってしまったといった経験があるかもしれない。今回はそんな記憶が思わずよみがえる、そんな調査結果となったのではないだろうか。

調査時期: 2021年3月22日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 801人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません