先日行われた「第93回アカデミー賞」で作品賞・監督賞・主演女優賞を受賞し、最多3部門でオスカー像を獲得した映画『ノマドランド』(公開中)の特別ムービーが29日、公開された。クロエ・ジャオ監督とクロエ監督が絶大な信頼を寄せるジョシュア・ジェームズ・リチャーズ撮影監督が、本作の撮影現場を回想するものとなる。
企業の破たんの影響で長年住み慣れた住居も失った主人公のファーン(フランシス・マクドーマンド)が、亡き夫との思い出を詰め込みんだキャンピングカーで“現代のノマド=放浪の民”となり、季節労働の現場を渡り歩く物語。アカデミー賞において、クロエ監督はアジア人女性として初の監督賞、マクドーマンドは3度目の主演女優賞に輝いた。
特別ムービーは、ジョシュア撮影監督の「人々は『ノマドランド』で従来の映画とは違う、クロエ・ジャオの世界に足を踏み入れる」というコメントからスタート。風景が捉えやすいステディカムを使用した撮影や、太陽の動きを綿密に把握したマジックアワーでの撮影といったこだわりの映像美に迫っており、さらに時計を見ながらカメラをのぞき込むクロエ監督らスタッフのメイキングも映し出されている。
本作はマクドーマンド、クロエ監督、ジョシュア撮影監督ら23人のクルーで完成させた作品。クロエ監督は「短い時間で連携する中でチームワークが培われていき、最後には1つの生態系のようだった。すばらしい気分よ」と充実の撮影を振り返り、ジョシュア撮影監督も「人生を模索するファーンにカメラはただ寄り添い、その場に立ち会っている。(本作は)奇跡の積み重ねのような作品だ」と自信たっぷりにアピールしている。
原作はジェシカ・ブルーダーによる『ノマド:漂流する高齢労働者たち』で、米国では2月19日に公開された。