女優の草笛光子が、2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演することが28日、明らかになった。三谷幸喜氏が脚本を手掛け、小栗旬が北条義時役で主演を務める本作で、源頼朝の乳母・比企尼を演じる。

草笛光子

草笛は「比企尼は頼朝の乳母で不遇時代の頼朝を支えた最大の功労者と言われている方、頼朝が伊豆に流されてから20年にもわたり支えたそうです。三谷さんの作品ですから一筋縄ではいかないでしょう。覚悟してお待ちしています。演技力、人間味を兼ね備えた魅力ある役者さんたちとご一緒できることで、私も若返ります!」と意気込む。

大河ドラマ出演は11回目(語り1回)。「『葵 徳川三代』で高台院を演じました。役作りのため京都の高台寺に出向き『ここから火事を見たはず』と言ったら、高台から遠方の火事を見守るシーンが追加されました。実際の体験をもとに新たなシーンを作って下さったのは印象深い思い出です」と過去の出演を振り返る。

また、「『真田丸』では祖母とりの最期『ちと、早すぎた』という台詞、リハーサルでは共演者のみなさんも笑いをこらえるので必死、笑わさずどう演じるか1週間悩みました。放送後に三谷さんから『自分で書いた台本なのに涙が出ました。僕もこれからしっかり生きて行こうと思います』とメールをいただきました。リアルではあるまじきことをリアルにする、私の女優人生の中で印象に残るシーンの1つです」と三谷氏が手がけた『真田丸』の思い出も明かした。

三谷作品は、『真田丸』以前に、舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』(2013)、ドラマ『オリエント急行殺人事件』(2015)にも出演。「最初の三谷作品舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』で、私が悩んでいたら『大丈夫、その暗闇の中を僕が手を引いて歩いてあげますからついてきてください』と言ってくださった。その言葉にすっかり安心してこの方についていこうと思いました。最近この話をしたら『僕そんなこと言ったかな』とおっしゃって、照れているのでしょうか。三谷さんは、何が飛び出してくるかわからない方。でもそれが演劇であり、芝居の醍醐味だと思います。これからも付いていこうと思います」と信頼している。

また、共演者に関しても「素晴らしい役者さんがたくさん出演されるので、今から楽しみです。『真田丸』でご一緒した大泉洋さんは、当時白いチョコレートが好きと私が言ったら、北海道に行く度にチョコレートを買ってきてくれました。またもらえるのかしら? 同じく『真田丸』でご一緒した迫田孝也さんは、毎年1度真田丸のキャストが集まる忘年会の幹事をしてくれます。真田丸の第一声も彼のセリフからでした。同じく『真田丸』でご一緒した栗原英雄さんは、以前お買い物に付き合ってくれて一緒にお寿司を食べました。『ロスト・イン・ヨンカーズ』でご一緒した小林隆さんはいつもやさしい方。他、魅力的な役者さんが大勢いらっしゃるので皆さんとお芝居できること楽しみにしています」とエピソードを明かした。

本作は、源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男、二代執権・北条義時の物語。華やかな源平合戦、その後の鎌倉幕府誕生を背景に、権力の座を巡る男たち女たちの駆け引きを描く。三谷氏が大河ドラマの脚本を手掛けるのは、『新選組!』(2004)、『真田丸』(2016)に続いて3回目。

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