2020年度の税制改正によって2024年からNISA制度が変わることになりました。新NISAは、従来からの機能に加え、少額からの長期・積立・分散投資が併せて行える制度になります。
NISA制度には現在「(一般)NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類がありますが、それぞれどのように変わるのか見ていきましょう。
ここでは現状のNISA制度を「一般NISA」、2024年から始まるNISA制度を「新NISA」と記載します。
新NISAは2階建て構造に
2014年に始まった現在の一般NISAは、2023年まで新規口座が開設できる期間となっていました。ところが2024年から新NISAに生まれ変わることになり、2028年まで口座が開設できるようになります。
また、新NISAでは2階建ての構造に変わることになりました。
1階部分は、より多くの人が長期・積立・分散投資を始めやすいように、現在の「つみたてNISA」と同様な制度になっています。
◆1階部分は積立のみ
1階部分の購入方法は積立のみです。
投資対象は、つみたてNISAの対象商品で、国の基準を満たした投資信託・ETFなどに限定されています。
非課税の上限枠は、年間20万円までなので、非課税期間5年での上限は100万円となります。
◆2階部分は積立でも一括購入でもOK
2階部分の購入の方法は、積立でも一括購入でも利用可能です。
2階部分の投資対象は、一般NISAの対象商品である上場株式・投資信託・REIT・ETFです。
ただし、長期投資に適さないとされる値動きの激しいレバレッジ投資信託や、上場が廃止されそうな株式などは対象外です。
非課税上限枠は、年間102万円まで。非課税期間5年で510万円です。
原則、1階を利用しないと2階が利用できない
新NISAでは、2階部分を利用するためには、原則1階部分を利用することが前提となります。
ただし、1階の上限である20万円の枠をフルに使う必要はなく、金融機関によって定められている最低投資額の積立を行うことで2階は利用できます。
また、これまで一般NISA口座を開設していた人や、上場株式等の取り引きを行ったことのある人は、1階部分を利用しない旨を証券会社に届け出ることで、例外として2階部分だけで「上場株式」に投資することが可能です。
一般NISAから新NISAへのロールオーバーは?
現在の一般NISA口座を持っている場合は、5年間の非課税期間終了時において、2024年からの新NISAに時価ベースでロールオーバーすることができます。ロールオーバーを選んだ場合は現金にする必要はありません。
また2024年新制度がスタートする時には、新NISAが自動的に設定される予定で、新たに特別な手続きなどは不要となる見込みです。
つみたてNISAは5年延長・ジュニアNISAは廃止
「つみたてNISA」は、投資可能期間が5年延長されました。これまで2037年までとされていたのが、2042年まで利用できます。
また「ジュニアNISA」は、利用者が少ないことから2023年で廃止されることになりました。
制度上、ジュニアNISA口座内のお金は、18歳になるまで引き出せないことになっていますが、2024年以降は非課税で引き出せるようになります。
制度をうまく利用して資産形成を!
新NISA制度は、人生100年時代にふさわしい家計の安定的な資産形成を支援していくためのものです。
そのために、より長期的で安定的な資産形成ができるように制度が見直されています。
国が個人の資産形成を後押ししているこの機会を逃さずに、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?