『キラメイジャーVSリュウソウジャー』12人が集結「これまでの思いを詰め込んだ集大成」

スーパー戦隊シリーズ恒例、２つの戦隊ヒーローが豪華共演を果たす「VSシリーズ」の最新作『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』(監督:坂本浩一)が、劇場公開＆映像ソフト販売の「東映Vシネクスト」としてリリース(４月29日から全国劇場にて期間限定上映／※一部地域を除く)される。公開直前となる4月27日、都内にてキラメイジャー、リュウソウジャーのメインキャスト総勢12人が勢ぞろいし、マスコミに向けて映画の見どころや撮影時の苦労話などを熱く語り合った。

上段左から、岸田タツヤ、小原唯和、兵頭功海、水石亜飛夢、工藤美桜、庄司浩平、下段左から、綱啓永、尾碕真花、一ノ瀬颯、小宮璃央、新條由芽、木原瑠生

本日の司会進行を務めるのは、『魔法戦隊マジレンジャー』マジイエロー／小津翼役、そして『特命戦隊ゴーバスターズ』ビートバスター／陣マサト役でもおなじみ、スーパー戦隊親善大使・松本寛也。若いヒーローたちのよき兄貴分として、軽快なトークを引き出していた。

Vシネクスト『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』は、スーパー戦隊VSシリーズの第27作にあたる。『魔進戦隊キラメイジャー』と『騎士竜戦隊リュウソウジャー』が、バラエティ豊かな「映画」の世界で超バトルを繰り広げるという、奇想天外なストーリーに期待が集まっている。

映画の製作総指揮を務めるのは、敵ヨドン軍の幹部ヨドンナ。彼女が作り上げるヨドン映画とは、いったいどのようなものなのか。本作ではテレビ放送ではあまり見られなかったキャストたちのコスプレシーンや、「VSシリーズ」名物というべき、２戦隊のメンバー同士が意外な組み合わせを行い、絶妙なるコンビネーションを発揮するシーンがあるという。

気になるストーリーは次のように展開される。ヨドンナと邪面師「ムービー邪面」が、人々をヨドン映画の世界に取り込んでいた。ヨドン映画の世界では、カントクマイナソーによる撮影がスタート。瀬奈とトワはアクション映画、時雨とバンバは時代劇映画、小夜とアスナはレディース映画、為朝とメルトはギャンブル映画、そして充瑠とコウは青春純愛映画にそれぞれコンビで出演することになってしまった。

しかしヨドン映画が完成し、全世界で公開されると、地球はヨドンヘイムと同じ環境と化してしまう。キラメンタルと騎士道を合わせ、キラメイジャーとリュウソウジャー力を合わせて、悪との超バトルを繰り広げる……！

最初に出された質問は、「お互いの戦隊をどう思いますか」というもの。小宮は「リュウソウジャーのみなさんは、仲間意識や絆が強いイメージ」と、先輩戦隊であるリュウソウジャーのチームワークの良さ、結束の固さを称えた。一ノ瀬は「キラメイジャーはリュウソウジャー以上にコメディ要素が強い」と、メンバーそれぞれが隙あらば笑いを取りに行こうとするキラメイジャーの強烈な印象をふりかえり、マジメなリュウソウジャーと笑いもイケるキラメイジャーという、両戦隊の対照的な部分をアピールした。

本作のメガホンを取った坂本浩一監督は、ハリウッド仕込みの激しいアクション演出が特徴のひとつ。アクションシーンについて水石は「テレビでは素面のアクションが少なかったので、今回の映画がいちばんアクションをやらせてもらった印象。岸田さん演じるバンバと時雨の激しい殺陣を、けっこうな長回しで撮ってもらっていますので、そこに注目してください」と、イケメンアクション俳優という時雨の役柄に見合った剣の立ち回りがあることを明かした。岸田のほうは「テレビシリーズのころから、肌の露出が多めだなって思っていました。坂本組では、１エピソードに“１乳首”見せることに……これって使える話なのかわかりませんが……(笑)」と、いい体をしている男性俳優の衣服を脱がし、野性的な魅力を打ち出す坂本演出の妙味について笑顔で語った。岸田にとっても水石との長回し殺陣シーンは印象的だったのだが、水石は「実は、撮影中ずっとトイレに行きたいのをガマンしていました。だから映画をご覧になる方は、このシーンの時雨はトイレをガマンしてるんだな～と思いながら見てください(笑)」と、意外な告白をして場を沸かせていた。

工藤と尾碕は「レディース」の扮装をして、アクションを繰り広げているという。尾碕は「リュウソウジャーはパワーで押すアクションが多かったんですけど、美桜ちゃんのアクションは相手の勢いを受け流すような細かな動きが多くて、難しそうでした」と、スタイルの異なる工藤のアクションに興味しんしんという雰囲気だった。工藤のほうも「アスナちゃんはアクションがめちゃめちゃお上手で、パワフルな動きをしていてすごい！　ずっとモニターの前で勉強させていただきました」と、尾碕のアクションセンスを絶賛。これを聞いて、岸田が「テレビシリーズをやっていたときは、アクションがうまくできなくて悔し泣きしていた真花が、りっぱになったなあ」と感動する場面も見られた。尾碕は特攻服の衣装について「楽しかったです！　特攻服を着て凄んでいると、スタッフさんが“アスナの衣装よりこっちのほうが似合ってるんじゃないの”って言われました(笑)」と、ふだんの自分から離れた突飛な役柄に尾碕も工藤も楽しさを感じていたようだった。

新條と小原コンビは、パルクールをとりいれたスピーディなチェイスシーンが見どころとなった。新條は「瀬奈もトワもスピード自慢の戦士なので、パルクールでのおいかけっこを頑張りました。カッコよくできたのではないかと思います」と、出来栄えに自信をのぞかせた。小原は「台本を見たとき、パルクール！？　って思わず声に出して驚きました。何しろやったことがない上に、狭い場所を走ったりするのでとにかくたいへん。撮影場所がサバゲー会場だったため、足元にBB弾がたくさん落ちていて、踏んでしまわないよう注意していましたね(笑)」と、初体験アクションにも果敢に挑戦したことを打ち明けた。

木原と綱はギャンブル映画の世界で共演したため、アクションというよりも渋い大人の雰囲気を醸し出していたそうだ。木原は「為朝はテレビシリーズでほとんど衣装を変えたことがありませんでした。１年間で３回くらいしか衣装チェンジがなくて、今回やっと“違った衣装が着られるぞ”と喜んでいました。劇中のスーツは衣装部屋に行って、これだ！　と30秒で決めました」と、為朝のイメージチェンジに強い意欲を見せていた。綱は「僕はカジノのディーラーに扮していたんですが、カードをサ～ッと華麗に配るなんて、今までやったことがなくて。めっちゃ練習してようやくマスターしたんです。それ以来、友だちとトランプをするときにもこの技を使っています」と、カード配りの特技を完全に身に着けたことを誇らしげな表情で語った。

庄司と兵頭には、お互い「妹がいる」役柄だという共通点があり、そこから話が広げられていった。兵頭は、カナロの妹・オトを演じる田牧そらと久々の共演を果たしたことについて「久しぶりに会ったらずいぶん大きくなっていて、当時から比べて７ｃｍも身長が伸びたと聞きました。少しずつ大人に近づいているんだなあって、カナロも同じなんですけど僕自身も幸せな気分でしたね」と、田牧の成長をほんとうの兄のように喜ぶようすを見せた。兵頭との共演シーンがあった庄司は「カナロがまた、ヨドンナを相手にコミカルなところを見せています。僕はオトちゃんやマブシーナと一緒に、カナロなにやってんだろうなって感じで見守っていましたね(笑)」と、濃いキャラクターのカナロに優しい視線を送っていたことを打ち明けた。

本作では、映画のために新しく作られたエンディング曲「キラフルパーティーdeキラケボーン」に合わせ、２大戦隊メンバーがダンスを踊る場面にも注目したい。ダンスについて一ノ瀬は「キラメイパートのダンスが難しく、特に“ファイヤ”のパートがたいへんだった」と苦労を語った。また松本から「オリジナルで踊ったダンスが際立っていた」と評された庄司は「２戦隊、12人でダンスをしているので、なんとかして目立たないとアカンな……と謎の気持ちが動いた結果、身体が心を追い越してしまった」と、独特な表現方法で奇抜なダンスを行って、強引に注目をさらったことを明かしていた。

トーク終了間近のタイミングで、本日(４月27日)が誕生日となる新條を祝うため、『キラメイジャー』のチーフプロデューサーを務める塚田英明氏がサプライズ登場。塚田氏から花束を、そして仲間たちからあたたかな拍手を贈られた新條は「びっくりした！　本日23歳になりました。かわいいお花をいただき、ありがとうございます！」と、見事なサプライズに感激しつつ喜びをあらわにした。

最後の挨拶で一ノ瀬は「当初の予定どおりとはいかなかったですけど、いまこうして、みんなが揃ってこの舞台に立てていることが、すごく幸せだと感じます。リュウソウジャーは２年以上にわたり、いろんな困難に直面してきました。でも悲しい言葉を並べるだけじゃなくて、当たり前のように日々生きられていることに感謝するような、そんなことを感じられる戦隊だったと思っています。僕たちはこの作品の随所に、今までの思い＝ソウルを置いてきました。みなさん、ぜひ映画をご覧いただいて、僕たちの置いていったソウルを拾い集めて、大きなソウルを共有していただけたらと思います！」と、大きな声ではっきり堂々とメッセージを伝え、リュウソウジャーの仲間たちから「カンペキ！」「泣きそうになった！」「舞台挨拶の集大成！」と絶賛された。

続いてマイクを手にした小宮は「先ほど一ノ瀬さんが話していたように、この２年間は僕たちにとってもみなさんにとっても、たいへんな思いの連続でした。でも、こんなご時世だからこそ、キラメイジャーがいてくれてよかった、リュウソウジャーと出会えてよかったという声がたくさん届いてきて、僕たちはすごくうれしかったです。これまでの思いを詰め込んだ、集大成というべき映画になっていますので、ぜひたくさんの方に観ていただければ幸いです。本日はありがとうございました！」とさわやかに挨拶。まだまだ不安を多く残すコロナ禍の現在、ふさぎがちな気持ちを明るくさせるようなエンターテインメント作品の重要性をアピールしながら、映画を応援してもらえるよう真摯に呼びかけていた。