米Appleは4月26日(現地時間)、iOS 14のアップデート「iOS 14.5」の提供を開始した。マスク着用時のApple Watchを用いたiPhoneのロック解除、「AirTag」のサポート、「Appのトラッキングの透明性」(ATT:App Tracking Transparency)など、数多くの新機能、改善・強化を含む春の大型アップデートと呼べる内容になっている。
これまでマスクを着けている状態ではFace IDによる顔認証を利用できず、パスコードの入力が必要だった。iOS 14.5では、「Face IDとパスコード」設定で「Apple Watchでロック解除」をオンにすると、Series 3以降のApple Watchを装着していたら、Face IDで認識されないマスク着用時でもiPhoneに顔を向けるだけでロック解除を完了できる。
4月21日に発表、4月30日に販売開始するAirTagに対応。AirTagをiPhoneに近づけるだけで簡単にペアリングを完了でき、“正確な場所を見つける”(U1チップ搭載iPhone)や紛失モードといったAirTagの機能を「探す」(Find My)アプリで利用できる。
ATTは、アプリによるユーザーデータのトラッキングの有無を利用者に伝え、どのアプリに対してトラッキングを許可するかを利用者が選択できるプライバシー機能。ATTの導入に際して、AppleはApp Storeでアプリを配信する開発者に対して、アプリがApple以外のアプリやサービスにわたってユーザーデータを追跡する場合に、事前にデータ追跡の許可をユーザーから得るように義務づけた。
これらの他、「Siri」が緊急連絡先への発信に対応。AirPodsまたは互換性のあるBeatsヘッドフォンを装着している時に、Siriが通話の発信者名を読み上げて着信を通知、ハンズフリーで応答できるようになった。「Podcast」の番組ページを再デザイン、より簡単に視聴を開始できるようになった。また、エピソードの保存やダウンロードの操作が改善されている。検索タブで、番組探しに役立つランキングや人気のカテゴリを利用できるようになった。「マップ」が自転車や徒歩での到着予定時刻の共有に対応。「リマインダー」で、タイトル、優先順位、期限、または作成日でリマインダーを並べ替えられるようになり、リストを印刷するオプションが用意された。
5Gのスマート・データ・モードの改善により、iPhone 12シリーズでバッテリー駆動とデータ使用の効率性が向上。デュアルSIMへの対応によって、iPhone 12モデルでモバイルデータ通信の回線を利用する際に5Gでの接続が可能に。iPhone 12シリーズがサポートしている通信事業者の5G国際ローミングを利用できるようになった。
利用できるゲームパッド(ゲームコントローラー)に、Xbox Series X|S コントローラー、Sony PS5 DualSenseワイヤレスコントローラーが加わった。
キスしているカップルの絵文字、カップルとハートの絵文字の全てのバリエーションが異なるスキントーンに対応。新しい顔の絵文字、ハートの絵文字、髭を生やした女性など数多くの絵文字が追加されている。