女優の鈴木梨央が今秋にNHK BS1で放送されるドキュメンタリードラマ『命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~』に出演し、NHKドラマ初主演を務めることが26日、わかった。予期せぬ妊娠に戸惑う17歳の高校2年生・桜田結を演じる。
予期しない妊娠に直面した1人の女子高生が児童相談所の職員らとの出会いを通じ、悩みながら「赤ちゃん縁組」を選ぶまでの心の変遷を描くドラマ。鈴木が演じる結は、自分より他人の都合を優先してしまう優しい性格で、母と2人暮らしの女子高生。妊娠に気づくも誰にも相談できずに絶望してしまう、という役どころとなる。
鈴木はコメントを寄せ、「今回初めて、子どもを出産する“結”という役を演じさせていただくにあたって、私たちの命は人だけでなく、たくさんの人たちの愛によって育まれているんだと、深く感じました。助けられる命についてや、いろいろな人たちとのつながりを、そしてその奇跡を考えたり、感じたりしていただけたらうれしい」と呼びかけた。
また、結を支える児童相談所の児童福祉司・成瀬千春役を、倉科カナが演じることも発表された。倉科は同ドラマを通じて「新生児特別養子縁組」や「赤ちゃん縁組」を知ったといい、「当事者の方が思い詰めてしまったとき、母子共に色んな選択肢があるという事を知りました。だから、児童相談所の方に気負うことなく相談して欲しい。少しでもこの作品を通して、救われる命がありますように」と話している。
そのほかの出演者も明らかになり、結の母親を田中美里、結の赤ちゃんの父親である同級生でサッカー部のエース・伊藤翔太を鈴木宗太郎、翔太の父親をみのすけ、特別養子縁組で子どもを迎えることを心待ちにしている大学教授を中村靖日、新人の愛知県職員を平野宏周、出産の準備をする結をホームステイで受入れる養育里親を山口美鈴が、それぞれ演じる。
同ドラマは、今秋にNHK名古屋放送局が制作する特別番組のドラマパートとして放送される。同特番は、愛知県の児童相談所が全国に先駆けて30年以上前から取り組んできた、“愛知方式と呼ばれる「新生児特別養子縁組」にスポットを当てる。ドラマと、本物の養子縁組家族のドキュメント映像を組み合わせて命の尊さと多様な家族の形を番組を通じて伝えていく。
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