「72の法則」という言葉を耳にしたことはありますか?

簡単に言うと、複利で運用した場合に元本を2倍にするために必要な期間を計算できる簡単なルールです。

この法則を知っておけば、ある運用利回りで運用した時に、およそどれくらいの期間でお金を2倍にできるのかを瞬時に知ることができます。

72の法則の計算式

これが「72の法則」の計算式です。

72÷利回り(%)≒お金を2倍にするのに必要な期間(年数)

具体的に数字を当てはめて、どのように利用するかみてみましょう。

例えば、利回りが2%の商品の場合

72÷2%=36年となります。 2%の金融商品でお金を2倍にするには約36年かかるということがすぐにわかります。

また、この計算式を利用することで、お金を2倍にしたい場合に必要な利回りを計算することもできます。

例えば、お金を10年で2倍にしたいと考えている場合

72÷10年=7.2%となります。 10年でお金を2倍にしたい場合は、7.2%の利回りがある金融商品で運用しなければ実現できないことになります。

利回りによる年数の違い

では、利回りの違いにより、資産を2倍にするにはどれくらいの期間がかかるのか見てみましょう。

次に具体的な金融商品の利回りを当てはめて、お金を2倍にするために必要な年数を試算してみましょう。

金融商品によっても利回りは異なりますので、代表的な例を記載しています。 例えば銀行の普通預金の金利は現在0.001%なので、2倍にするのに72,000年がかかることになります。

1990年には銀行の定期預金(1年)は6%ありました。現在メガバンクの定期預金(1年)は0.002%で、3,000分の1になっています。

1980年にさかのぼると、10年間半年複利で運用されるゆうちょの定額貯金は金利が8%あり、税引き後でも10年でお金が2倍になった時代もありました。今では夢のまた夢ですね。

  • 主な金融商品とお金を2倍にするために必要な期間(掲載している利回りはあくまで1つの例(イメージ)であり、実際は金融商品や銘柄によって利回りは異なります)

    主な金融商品とお金を2倍にするために必要な期間(掲載している利回りはあくまで1つの例(イメージ)であり、実際は金融商品や銘柄によって利回りは異なります)

借入については100の法則を

ここまで運用してお金を殖やす場合の例を見てきましたが、応用として借入の場合はどうなるか見ていきましょう。

その場合に活用できるのが「100の法則」です。「72の法則」は複利で使用する場合に使用しますが、この法則を利用することで「単利」でお金が2倍になるために必要な年数を計算できます。計算式は以下の通りです。

100÷利回り(%)≒お金(借入)が2倍になる期間(年)

借入については、原則単利で計算をすると法律で決められています。10万円以上100万円未満を借りる場合、法律上の上限金利は18%です。

例えば、上限の18%でお金を借りた場合、借入が何年で2倍になるかというと 100÷18年≒5.5となり、約5.5年で借りたお金が2倍になります。

この法則を知っていれば、たとえば消費者金融などでお金を借りる場合に、どれくらいの速さで借金が2倍になるか目安になります。

単利と複利の差に注目

「72の法則(複利)」と「100の法則(単利)」を比較すると、単利か複利かで大きな開きがあることが分かります。

  • お金が2倍になるために必要な期間(年数は概算)

    お金が2倍になるために必要な期間(年数は概算)

例えば利回りが5%の場合、複利だとお金が2倍になるのに14年かかるのに対して単利では20年かかることになります。その差は約6年もの開きがあります。

資産運用を考える場合、複利で運用できるような商品を選択することがいかに大切なポイントであることが分かると思います。

お金を3倍や4倍にする法則も!?

資産を2倍にする計算式として72の法則を紹介しましたが、3倍や4倍にする計算式もあります。

3倍にするのは「115の法則」、4倍にするのは「144の法則」を用います。「72の法則」として同様のルールで計算することができます。

例えば、2%で運用した時に2倍、3倍、4倍になる期間を見てみると以下のようになります。

2倍にする期間:72÷2%=36年
3倍にする期間:115÷2%≒57年
4倍にする期間:144÷2%=72年

72の法則を知って運用の目安にしよう!

72の法則は複利の計算を前提にしています。知っておくと、お金を運用するとき、一つの目安として使えますね。ぜひ覚えておきましょう!