シャープは、4K有機ELテレビに「AQUOS OLED」(アクオス オーレッド)ブランドを冠し、「DS1」、「DQ1」の2ライン計4機種を5月22日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、自社設計の高輝度パネルを搭載した「DS1」ラインの65V型「4T-C65DS1」が49万5,000円前後など。

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    65V型「4T-C65DS1」

■DS1ライン

  • 65V型「4T-C65DS1」:49万5,000円前後
  • 55V型「4T-C55DS1」:34万1,000円前後

■DQ1ライン

  • 65V型「4T-C65DQ1」:46万2,000円前後
  • 55V型「4T-C55DQ1」:30万8,000円前後

液晶テレビを代表するブランド・AQUOSの初代機発売から、2021年で20年目を迎えたシャープ。2020年に「CQ1」シリーズで有機ELテレビに初参入した際は、“AQUOSといえば液晶”というイメージが強かったこともあり、あえてAQUOSブランドを冠さず、「4Kプレミアムモデル」と位置づけて展開してきた。同社によると、シャープの有機ELテレビの認知度が高まってきたことなどを受け、2021年からは「AQUOS OLED」ブランドを冠して発売することになった。

どちらも4K/3,840×2,160ドットの有機ELパネルと、8Kテレビの開発で培った映像技術を応用した新開発の4K画像処理エンジン「Medalist S2」を組み合わせ、高画質を追求。スタンダードモデル「DQ1」では、「CQ1」と同性能の有機ELパネルと、画面の明るさや暗さに応じてパネルの輝度性能を引き出す独自技術「Sparkling Drive」を搭載している。

上位モデルの「DS1」では、最新の有機ELパネル素子を採用し、独自の放熱構造をパネルとバックカバーの間に挟み込んだ自社設計 高輝度「S-Brightパネル」を採用。有機ELや基盤からの発熱を効率的に抑えて映像の輝度を高め、省電力ながら明るく鮮やかな映像を映し出すという。

さらに、DS1には「Sparkling Drive Plus(スパークリングドライブプラス)」も新搭載。Sparkling Driveはコントラストを緻密に表現する独自アルゴリズム「スマートアクティブコントラスト」で処理した映像をベースに、有機ELパネルの特性に合わせた輝度制御を行う技術だが、今回のDS1では同技術をS-Brightパネルに最適化させることで、明暗と色彩の表現をさらに高めたとする。

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    自社設計 高輝度「S-Brightパネル」と独自のパネル制御「Sparkling Drive Plus」の概要

従来はニュース番組などの文字情報が画面の端に表示される場合、あえて画面の隅を暗くする制御を入れていたが、DS1では放熱効率を高めたためにこの処理が基本的に行われなくなり、ユニフォミティ(輝度均一性)も向上しているという。

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    55V型「4T-C55DQ1」(左)と、55V型「4T-C55DS1」(右)のグレードの差が分かりやすい映像デモ。S-Brightパネルを搭載した右のDS1の方が映像が明るく見える

新開発の「Medalist S2」には、8Kテレビの開発で培った映像技術を投入した「4K超解像アップコンバート」や、4K放送で使われる広色域の映像を色彩豊かに表現する「リッチカラーテクノロジープロ」などを備えている。動きの速い映像を残像感を抑えてクリアに表示する倍速技術も装備する。HDR方式は、HDR10、HLG、Dolby Visionに対応する。

サウンドに関しては、ボーカルや楽器の音が際立ち、音に包み込まれるような立体感を演出する「音楽ライブ」サウンドモードを新たに搭載。スピーカーネットのないリフレクター構造を採用し、音声を前方に導く独自設計「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用しており、ネオジウムマグネット採用のツイーターを前向きに配置してクリアで伸びやかな高域を再生し、人の声などの聞き取りやすさも高める。上位モデルのDS1ではさらに、サブウーファーを本体背面に配置した7スピーカー構成となっており、総合出力は65Wとなる(DQ1は50W)。

BS4K/110度CS 4Kダブルチューナーを搭載。外付けUSBハードディスクをつなぐと、4K放送を見ながら別の4K放送と地デジ放送などの2番組同時録画が可能だ。

Android TVをシステムに採用しており、NetflixやAmazon Prime Video、U-NEXT、Hulu、ABEMA、Paravi、YouTubeといった映像配信サービスが利用可能。付属のリモコンには、これらのサービスを直接起動できるダイレクトボタンが備わっている。

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    新しいリモコンの上部。さまざまな映像配信サービスのダイレクトボタンを搭載している

上位モデルのDS1は、Googleアシスタントなどの技術を活用した「ハンズフリー音声操作」にも新たに対応。帰宅して手を洗う前や料理中で手が離せないときなど、テレビに話しかけるだけで電源オン/オフや選局、音量調整などの各種操作が行えるようにした。

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    「ハンズフリー音声操作」の概要

テレビが音声に反応していることが点灯状態で分かる、4つのアシスタントLEDも装備。音声操作を使わない場合は、背面のボタンでテレビ内蔵のマイクをオフにできる。

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    4つのアシスタントLEDがテレビの前面に配置されている(写真は4K液晶AQUOSのDN1ラインのもの)

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    テレビ内蔵のマイクをオフにする背面ボタンが一番下にある(写真は4K液晶AQUOSのDN1ラインのもの)

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    アシスタントLEDの明るさを下げる設定も備わっている(写真は4K液晶AQUOSのDN1ラインのもの)

ほかにも、本体にChromecast機能(Chromecast built-in)を内蔵し、対応するデバイスからキャスト再生が行える。AQUOS向けの“エンタメ・生活情報サポートアプリ”「COCORO VISION」も利用できる。

HDMI入力は4系統で、うち2系統(HDMI 3/4)は4K/120Hzの映像入力に対応。また、HDMI 4のみARC(オーディオリターンチャンネル)に対応する。コンポジット入力も搭載。音声出力は光デジタルとヘッドホン/アナログ端子(兼用)を各1系統装備する。Ethernet端子も搭載。USB端子は3系統。