「文武両道」は、普段の会話の中でも使われやすい四字熟語ですが、間違った意味で解釈しそのまま使ってしまっている方もいます。

この記事では「文武両道」について正しい意味や使い方、類語や英語表現まで、くわしく解説していきます。

  • 文武両道

    文武両道の正しい使い方を知ろう

文武両道の意味

文武両道とは、一般的に勉学とスポーツの両方のレベルが高い人に対して用いられる四字熟語です。「文」は学問を示しており、「武」は武道を表しています。この両方に対して秀でていることを文武両道といいます。

例えば、周りから「あなたは勉強もできてスポーツもできて文武両道だ」と言われたときは、誉め言葉として受け止めましょう。

読み方は「ぶんぶりょうどう」

「文武両道」の読み方は「ぶんぶりょうどう」です。初めて見たときは読めないという方も多いかもしれませんが、決して難しい読み方というわけではないので、一度見たら覚えられるのではないでしょうか。「もんぶりょうどう」と誤読しないようにだけ注意してください。

文武両道の由来・語源

中世の日本における、文武両道の「文」は、必ずしも学問に限ったものではなく、和歌や書、ときには茶道や絵画についても表しました。また、「武」は武道に関する技芸、武技、武術が本来の意味です。

「文」と「武」それぞれの言葉は中世にはありましたが、文武両道という四字熟語は戦国時代から江戸時代にかけて生まれ広まったとされています。

最近では主に「文」は勉強、「武」はスポーツを表すように変化してきました。しかし、「武」はスポーツ以外のいわゆる文化部系にも適応されることもよくあります。

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    正しい文武両道の意味を知りましょう

文武両道の使い方や例文

文武両道の正しい使い方を、例文を踏まえて紹介していきます。

文武両道をモットーとする

会社の上司や自分の目標の指針を指すときにモットーという言葉が使われます。また、就活の面接などでもしばしば使われることがあるでしょう。

<使用例>

  • この学校は文武両道をモットーにしているため、勉学と部活動に積極的に取り組むようにしてください。
  • 私は高校時代、文武両道をモットーに行動してきました。

文武両道を目指す

「文武両道を目指す」は、学生などが勉学だけではなくスポーツも頑張るといった目標を掲げる際によく使われます。

<使用例>

  • プロ選手になるためには、高校生のうちから文武両道を目指さないといけない。
  • 二兎を追う者は一兎をも得ずといわれるが、私は文武両道を目指します。

文武両道は美しい

あまり聞きなれない「文武両道は美しい」ですが、文と武の双方を兼ね備えた素晴らしい状態または人を指す時に使います。

<使用例>

  • いつも私は思うけど文武両道は美しい。
  • 文武両道は美しいという感性を持っている人は素晴らしい。
  • 背表紙がはがれたほど朽ちた書籍

    文武両道を使った例文を紹介

文武両道の類語・言い換え表現

文武両道は日常的にも使いやすい四字熟語です。そのため類語も合わせて覚えておき、シーンによって使い分けができるようになりましょう。

文武不岐

文武両道の類語として「文武不岐(ぶんぶふき)」という言葉があります。文武両道は「文」と「武」をそれぞれ頑張る意味で使われますが、「文武不岐」は「文」と「武」が別れずに一体であり相乗効果をもたらすといった意味になります。

基本的に意味は変わりませんが、「文」と「武」を別の事象ととらえるか、お互いに関係しあう一つの事象であるととらえるかという違いがあります。

文武二道

「文武二道(ぶんぶにどう)」は、文武両道と同じ意味です。そのため文武両道を文武二道と置き換えて話すことができます。

<使用例>

  • 彼は文武二道の精神で勉学とスポーツを頑張っています。
  • いくら勉強だけを頑張っても文武二道にはなれない。

左文右武

「左文右武(ゆうぶんさぶ)」は、「文」を尊重し「武」を重んじることを表しています。そのため文武両道と同じ意味です。

<使用例>

  • 左文右武の精神をもって何事にもあたります。
  • スポーツばかり得意としていましたが、左文右武の精神をもって勉学にも勤しみます。

文事武備

「文事武備(ぶんじぶび)」は、「文」と「武」を充実させることが重要といった意味です。また解釈として、文化的に秀でているものは武もしっかりと兼ね備えましょう、ということも意味しています。

この「文事武備」という言葉の由来は、中国の魯の定公が孔子に忠告されたことからできた言葉とされています。

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    文武両道の類語を覚えましょう

文武両道の英語表現

文武両道の英語表現について、ニュアンスを伝えられる例文を交えて説明します。

scholarship and the martial arts

scholarship and the martial artsを分解すると、「scholarship」が学問・学術、「martial arts」が武道・武術・武芸となります。

<使用例>

  • She has scholarship and the martial arts.(彼女は文武両道である)
  • He is perfect in both the literary and military arts.(彼は文武両道ともに完璧だ)

both the literary and military arts

both the literary and military artsの単語を分解すると、「literary」が文学、「military arts」は武芸を意味しています。

<使用例>

  • He is skilled in both the literary and military arts.(彼は文学と武芸の両方に通ずる)
  • She has both the literary and military arts(彼女は文学と武芸の両方をもっている)
  • 英語のスペルあるいは言葉を強調するためのアンダーライン

    文武両道の英語表現を知りましょう

現代における文武両道の意味や使い方を理解しよう

文武両道の意味や使い方を紹介しました。現代における文武両道の一般的な意味は、勉強もスポーツも秀でていることです。よく使われる言葉なので、言い換え表現などもしっておけば、より表現の幅を広げることができるでしょう。