音楽ストリーミングサービス・Spotifyがテレビ東京コミュニケーションズと連携し、28日から音声ヒューマンドキュメンタリー『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』を独占配信する。

4月28日からSpotifyで独占配信される音声ヒューマンドキュメンタリー『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』

同番組は、テレビ番組として人気の高い『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の音声版。世界各地のあまり知られていない場所にディレクターが赴き、そこで生活する人々の食事を通して人生観に触れるテレビ版に対し、音声版では舞台を国内に移す。カメラが入れない場所にマイクのみで潜入し、顔を出さない音声だからこそ可能な密着取材によって、そこで生きる人々の本音や日常に迫る。

番組プロデューサーの上出遼平氏は、「僕はこの音声版を、驚きの嵐の中で制作しています。目を閉じて人の声に集中したときに初めて現れる“声の表情”。それはもしかしたら、画面に映される顔の表情よりも雄弁かもしれないという驚き。電車に揺られている。扉が開く。ホームの喧騒がじんわりと侵入してくる――。そんななんでもない光景の一つ一つが、音で表現されると自分の記憶と結びついて、鮮明なヴィジョンとなって浮かんでくる、その驚き。そしてカメラを介さない対話がこれほどまでに穏やかで親密だったのかという、当たり前の驚き。これまでは台本を捨て、ロケ隊を捨て、ナレーションを捨ててきましたが、ここでついに映像を捨てることができました。僕たちは今、テレビ史上最も身軽です」とコメントを寄せている。

テレビ東京が社内に設立した音声コンテンツレーベル「ウラトウ」の第1弾企画となる同番組。「ウラトウ」は、テレビ東京が音声のみで番組制作に取り組む新しいプロジェクトで、今後も様々な企画で新たなリスナー層を開拓していく。

■スポティファイジャパン 音声コンテンツ事業統括 西ちえこ氏コメント
映像のプロフェッショナルであるテレビ局が音声だけでストーリーを届けるという新たな取り組みにパートナーとして共に挑戦できることを嬉しく思います。Spotifyはこれまで多様な分野のクリエイターと共に、オリジナリティ溢れる音声コンテンツの企画・制作に取り組み、Spotifyでしか楽しめないオーディオ体験をお届けしてまいりましたが、「ウラトウ」の構想を知った時、これをSpotifyがやらずして誰がやるんだ、という圧倒的な使命感に駆られました。クリエイティブな企画と鋭い時代感をもって多くの話題作を生み出してきたテレビ東京とのパートナーシップを通じて、音声でしか創り出せない新しいストーリーテリングのスタイルを追求し、一人でも多くのリスナーに音声コンテンツの魅力を感じていただきたいと思います。

■テレビ東京「ウラトウ」プロデューサー 井上陽介氏コメント
「映像を捨てたい。」、去年の春頃に『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の上出ディレクターから音声コンテンツの構想を聞きました。間もなく有志でチームを作り、ビデオ会議を続け、紆余曲折を経て、ようやく今日を迎えることができました。

テレビ東京の音声コンテンツレーベル「ウラトウ」では新しい音声体験をテーマにオリジナルコンテンツを制作、配信していきます。音声コンテンツは映像とは異なり、時間や場所に制限されず軽やかで自由、聴き手のイメージに委ねる部分が大きく、親密です。そういった新しい距離感の中でこれまでテレビでは伝わらなかったものが出来上がりつつあります。

そんな試行錯誤の中で今回、世界最大のオーディオプラットフォームでありながら、クリエイターへの支援も絶えず行うSpotifyと一緒に、プロジェクトの門出を迎えられることを大変嬉しく思っております。これからのデジタル音声コンテンツの市場で、ビジネスモデルとしても新しい取り組みを実践していきます。 予算もない、人もいないテレビ東京から映像もなくなりますが、その分、テレビの前にはいない、まだ出会ったことのない、みなさんとお会いできるのを楽しみに。音だけのテレビ東京、始動します。