朝日酒造は、「久保田」ブランドとしては初となるスパークリングの新商品『久保田スパークリング』を4月19日より出荷する。これに先駆け、試飲会が16日に都内で開催され、ひと足早く、おすすめのペアリングで味わった。
心地よく弾ける炭酸と優しい甘味
朝日酒造は水田と里山の広がる新潟県の長岡市朝日で1830年に創業。創業時の屋号「久保田屋」を冠して1985年に誕生した「久保田」は、朝日酒造を象徴する銘柄だ。朝日酒造は新潟産にこだわった真摯な酒造りをモットーとし、「久保田」は"淡麗辛口"という日本酒の新たな方向性を確立。誰もが美味しいと認める日本酒を追求している。
そんな「久保田」は2019年10月から"進化する美味しさ"を掲げ、リブランディングを図るべく新たな商品の投入を進めてきた。基幹商品である『千寿』と『萬寿』では、『千寿 吟醸生原酒』『萬寿 自社酵母仕込』といった新商品を展開。昨年12月には「久保田」の『純米大吟醸』をリニューアルし、同時期に久保田で初めてとなるリキュール「ゆずリキュール」も発売している。
こうした流れのなかで"スパークリングライスワイン"として新たに発売されるのが、今回の『久保田スパークリング』だ。
近年、日本のスパークリングワインの販売数量は年々増加。特に20~40代の若い層にスパークリングワインの人気が高まっており、コロナ禍によって家飲み需要も拡大。在宅中のリフレッシュとして発泡性飲料を求める傾向もあるという。
『久保田 スパークリング』は本格的な味わいのスパークリング清酒を手頃な価格で楽しめる商品で、ベースの純米酒の味わいを引き出すため、アルコール分は12度と一般的なスパークリングワインと同程度に。日本酒に普段あまり馴染みのない、発泡性アルコールを好む層も手に取りやすい商品として仕立てられた。
実際に試飲してみると、きめ細やかな泡立ちとマスカットのような爽やかな香りが感じられ、シュワっと心地よく弾ける炭酸と優しい甘味があり、軽やかな口当たりを楽しめる。キリっとしたシャープな酸味は久保田ならではの味わいだ。
甘酸っぱいすっきりとした味わいと、酸をたたせた爽やかな口当たりが印象的だが、時間をかけて炭酸を溶け込ませるよう、製法にも工夫を施しているという。
またデザイン面にもこだわり、細身のスタイリッシュなボトルと、手書き調のロゴやシャンパンゴールドを基調としたラベルで、華やかなカジュアル感を表現したという。贅沢な気分を感じられる1本で、日本酒が苦手な人にも自宅でちょっとリフレッシュしたいときなどに、おすすめしやすそうだ。
『久保田スパークリング』とのペアリングも
試飲会では料理家で日本酒ソムリエの高橋善郎氏が手がけた、『久保田スパークリング』とのペアリングを楽しめる料理も提供された。
「1品目はオリーブとサーモンのおつまみタルト。スパークリングはスパイスとの相性がすごく良いのでクミンを少し効かせているのがポイントです。2品目はカマンベールと生ハムという鉄板の組み合わせで、最後に黒胡椒をまぶしたブルスケッタ。最後に刻んだブラックオリーブとオニオンをアクセントにしています。魚介が載っている料理はアヒージョです。おつまみの定番のアヒージョをカナッペに乗せて仕上げました。こちらも刻んだディルとオリーブの実を使っています」(高橋氏)
どれも家庭で作りやすいおつまみとなっており、出荷日である19日に朝日酒造が運営しているInstagramやWEBマガジン「KUBOTAYA」でレシピが掲載される予定だという。
「今回の『久保田スパークリング』に合わせるおつまみとして、オリーブの実をキー食材に使っています。今回の商品は日本酒由来の優しい米の旨みをしっかり感じられるスパークリングで、味の要素としては酸味、旨味、辛味といったところが、普通のスパークリングよりも強いと感じました。そこで、塩味と旨味、食感のアクセントにもなるオリーブの実が良いつなぎ役になると考え、それぞれの料理で使っています」(高橋氏)
他にも白身魚や魚介類、生ハムといった食材や、黒胡椒やピンクペッパー、ハーブやレモンなどの調味料との相性も良いという。
加えて、朝日酒造オンラインショップでは「久保田」の米麹と酒米、仕込み水で造ったブランド初の甘酒『久保田 こうじあまざけ』の予約販売を4月15日から開始している。 こちらは上品な甘さとすっきりしたクセのない後味を追求し、甘酒が苦手な人でも飲みやすい味わいを実現。蒸米も加えることで味にふくらみを持たせながら、自然な甘さを引き出したという。
当面は製造設備の関係などでオンラインショップ中心の予約販売のみだが、麹米・蒸米ともに淡麗な酒質を生み出す新潟県産米「五百万石」を100%使用し、アルコール0%なのでさまざまなシーンで楽しめそうだ。ぜひ一度こちらも味わってみてはいかがだろうか。