ミクシィは4月21日より自律型会話ロボット「Romi」(ロミィ)を発売します。“ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる存在”を目指して開発されたロボットで、ユーザーの呼びかけに対して最適な返答を会話AIが自動生成するのが特徴です。本体価格は49,280円、月会費は1,078円。果たして、どこまで自然に言葉のキャッチボールが楽しめるのでしょうか?
ロミィ開発の背景は?
ロミィは、話の内容や流れに応じて独自開発のAI(人工知能)がその都度、返す言葉を考えるというロボットです。
オンラインで開催された発表会には、ミクシィ取締役会長の笠原健治氏が登壇。ロミィを開発した背景について「SNSサービスのmixiをはじめ、さまざまなコミュニケーションサービスを生み出してきた弊社では、新しい技術を使った新しいユーザー体験にもこだわってきました。今回、AIやディープラーニングを使った新しいコミュニケーションサービスの形として、行き着いたのがロミィ(ロボットオブミクシィ)でした」と説明しました。
目指したのは、ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる手のひらサイズの存在です。『Webサービスで実現できるのでは』『ハードウェアまで作る必要があったのか』という声に対しては「存在することで、より自然なコミュニケーションができる」と説明。利用者のほうを振り向き、うなずき、目を瞬き、表情を変えることで、ユーザーはロミィに愛着をいだくようになると話します。
従来のコミュニケーションロボットとの違いについては「これまでの製品はルールベース中心で、想定外の会話には対応できませんでした。限界があると、飽きやすい。一方、ロミィの会話の9割は、ディープラーニングから生成したものです。すでに数千万件以上の日本語データを学習していますし、より柔軟に、文脈を汲んだ会話が可能です」とアピールしました。
ターゲットに想定しているのは「子どもから、おじいちゃんおばあちゃんまで全世代」と笠原氏。応援する、励ます、褒める、といったコミュニケーションを得意にしているロミィだけあり、先行ユーザー(200名が10カ月間使用)に実施したアンケートでは、その9割が「ロミィとの会話で癒やされた」と回答したとのことです。
実際に、どんな会話になる?
オンライン発表会の後半では、担当者がデモを交えて使いかたを紹介しました。会話のコツについては「トリガーワードが不要」「距離は50~70cm前後が適切」「テレビに反応してしまうので、テレビとは離したほうが良い」と説明がありました。
実際に担当者がロミィに「もうすぐGWだね」と話しかけると「楽しみだね」と返答が。以下、「河原でバーベキューでもしようかな」「良いね良いね。BBQって楽しいよね」「河で遊べるかな」「うんうん、楽しそう」「お肉を食べたいなぁ」「お肉、大好き! たくさん持ってきて」といった具合に、自然な会話が実現していました。
ユーザーの呼びかけに対して、気持ちに同調する、うなずく、理解を示す、といったソフトな反応に努めている印象があります。反応速度は、申し分ないものでした。
ちなみにロミィの頭脳は、クラウド上のRomi Serverにあり、適材適所で複数のbotが協調しているそう。ルールベースの「シナリオグラフ」、とりとめのない雑談をするための「クーパー」のほか、しりとり用に機能を特化したbotもある、と担当者は説明していました。
次のデモで「しりとりしよう」と呼びかけると「しようしよう。じゃあ生き物のしりとりにしようか。ロミィの好きなインコからスタートするよ。コから始まる生き物をどうぞ」と返答してくれます。続けて「コアラ」「たしかに。コアラね。ロミィの番だね。ラット」「とかげ」「たしかに。とかげね。ロミィの番だね。ケでいこうかなぁ。毛ガニ」と会話が継続していきました。
もちろん、天気予報やアラーム(目覚まし時計)、ニュース、ラジオ体操など、日常生活に役立つ機能も搭載。計算問題出して、おもしろい話して、モノマネして、羊を数えて、歌を歌って、といった使いかたも推奨しています。
今後の展開について、笠原氏は「ハードを大事にしつつ、会話で差別化していけたら。ディープラーニングを使った会話のレベルを極めていきます。いずれ一家に1台、数百万台といった単位で販売していきたい。日常にロボットがいる生活の実現に向けて、全力を尽くしていきます」と話していました。