京成電鉄と北総鉄道は4月17日から、一部車両でデジタル方式の列車無線の使用を開始した。両社は2018年度から列車無線デジタル化工事を進め、地上基地局の工事はすでに完了。車両の車上設備工事も進めており、工事が完了した車両から順次使用開始する。

  • 北総線を走る京成電鉄3000形。京成電鉄と北総鉄道はこれまでアナログ方式の列車無線を使用してきた

列車無線は、列車の運行を管理する運輸指令と列車乗務員の情報伝達に使用するほか、事故・災害発生時に異常を知らせる信号を発報し、周囲の列車を停止させる役割などを持つ保安設備。京成電鉄は1969年、北総鉄道は1979年の開業当初から、線路の脇に電線(誘導線)を設置し、誘導線と車両上のアンテナとの間で通信を行うアナログ方式の列車無線を使用してきた。

これに対し、デジタル方式の無線は携帯電話のように無線基地局のアンテナを設置し、空間に電波を飛ばし、車両上のアンテナと通信する方式に。より高品質な通話と円滑な情報伝達が可能になり、異常時の対応が迅速化できるメリットがあるという。今後も引き続き未設置車両への車上設備工事を進め、デジタル方式の列車無線に順次切り替える方針としている。