Microsoftは米国時間2021年4月13日、Surface Laptop 4を発表した。概要は別記事『MS「Surface Laptop 4」発表、Intel版とAMD版の選択 ラインナップ全体に拡大』を参照いただくとして、個人的には購入するかどうか少々悩んでいる。

現在の筆者はデスクトップPCと2in1 PCのサブマシンが2台という構成だが、それぞれ異なるチャネルでWindows Insider Programに参加させている2in1 PCの性能がもの足りないのだ。2020年10月に登場したSurface Laptop Goにも強く引かれたが、用途と諸条件を満たせず購入を見送った。

だが今回、Intel Core i7およびAMD Ryzen 7モデルを用意するSurface Laptop 4であれば、スペック的には問題ない。さらに、コロナ禍でオフライン取材の機会も減ったいま、携帯性に優れた2in1 PCよりも安定感のあるクラムシェル型のほうが魅力的だ。

  • 新登場の「Surface Laptop 4」。詳細は日本マイクロソフトによる米国本社の抄訳記事が分かりやすい

前置きが長くなったが、ここで焦点を当てたいのはMicrosoft 365 Personalのバンドル(セット販売)である。漠然とMicrosoft StoreでSurface Laptop 4を眺め、購入価格を確認するためにモデルを選択したところ、「Microsoft 365 Personal(=Office 365 Personal)」のバンドルを取捨選択できるようになっていた。それ自体は、以前からSurfaceシリーズを購入していた筆者として驚きはない。

  • Microsoft 365 Personalは約半額ながらも、同時購入を避ける選択肢が用意された

合わせて大型量販店のECサイトを確認したところ、Surface Laptop 4に関しては「Microsoft Office Home & Business 2019」バンドルモデルしか見当たらない。加えてMicrosoft Storeの技術仕様ページを確認すると、ソフトウェアの欄にOffice Home & Business 2019が確認できる。

一見、Microsoft 365 Appsのバンドルを取り下げたかのように見えたが、PIPC版(プリインストール販売)のMicrosoft 365 Appsがバンドルされることは従来同様(※)。つまり、Microsoft Office Home & Business 2019のライセンス料金を計上したまま、Microsoft 365 Personalへの移行をうながす戦略に変更はない。

※2021年4月21日改訂
初出時、Microsoft 365 Appsのバンドルについて誤解を招く記述があったため、改訂いたしました。

  • 左は個人向け、右は法人向けSurface Laptop 4の価格。同一モデルを選択している

上図はAMD Ryzen 5 4680U・メモリ8GB・ストレージ256GBモデルを個人向け・法人向けで選択した状態だが、前者は128,480円、後者は133,980円。これまでの「Officeを差し引いたぶん、法人モデルは安い」という現象をくつがえしている。

この差を生み出しているのは、法人向けSurface Laptop 4の構成で「Microsoft Office Home & Business 2019」が必須アイテムに組み込まれているからだ。蛇足だが、Microsoft Office Home & Business 2019の価格は38,284円だった(いずれもMicrosoft Store販売価格)。

個人向けのプリインストールOSはWindows 10 Home、法人向けはWindows 10 Proというようにエディションが異なり、価格的にも1万数千円の差が生じる。それを差し引くと個人・法人向けの価格差はほぼなくなっているのだ。

ここ数年の筆者は新たにPCを購入する場合、上記の理由から法人向けSurfaceを選択してWindow 10 Proにアップグレードしていたが、永続版Officeのライセンスにこだわる必要がない個人ユーザーなら、ムリをして法人向けを購入する必要はない。現在、サブスクリプションのMicrosoft 365 Personalを契約しているユーザーでも、Microsoft Storeでは約半額で購入できるので、同ライセンスの契約延長に用いる方法もある。

いまではサブスクリプションモデルが半ば当然となり、ユーザーの数だけ契約形態が存在する述べても過言ではないだろう。さらに法人利用はMicrosoft 365 BusinessやOffice 365 E5といった法人向け契約が主体となるため、今回のMicrosoft Office Home & Business 2019強制バンドルには首をかしげざるを得ないが、個人ユーザーに限定すれば、新しいPCを購入するスタイルに変化はないので、ひとまずご安心いただきたい。