オーブントースターにこびりついたパンの焦げカスや油汚れ。「掃除しなきゃ……」とは思っていても、毎日使っていると掃除するタイミングを見失うこともあるでしょう。擦っても落ちない頑固な汚れでも、あるものを使うことで簡単に落とせます。この記事では、オーブントースターをきれいに掃除する方法をご紹介します。
オーブントースターの汚れる原因
パンや魚、グラタンなど、さまざまな料理に使えるオーブントースターは、なぜ落ちにくい汚れがついてしまうのでしょうか。しつこい汚れの原因は大きく分けて2つあります。汚れる原因を理解してきれいに使いましょう。
パンくずなどの食べ物カス
オーブントースターの汚れを想像したときに浮かびやすいのが、パンくずなどの食べ物のカスではないでしょうか。特にパンくずは小さく、トースターの網の隙間から落ちないようにすることはほぼ不可能です。
そのため、掃除の頻度が高くなければ食べ物カスは使うたびどんどん溜まってしまいます。使うたびにカスを掃除できれば汚れは最小限に抑えられますが、忙しい日々の生活の中でなかなか難しいでしょう。
食べ物の汁や油汚れ
魚やグラタン、スープなど、水分を多く含んだものをオーブントースターに入れると、高熱になることで汁気がはねることがあります。ほかにも、うっかりこぼしてしまったり、吹きこぼれてしまったりすることもあるでしょう。
油や汁がオーブントースターにくっつき、熱で乾くことでベトついた焦げにつながります。そしてこの油や焦げは、時間がたつにつれ掃除が大変です。
放置していると火災につながる場合も
オーブントースター内にある食べ物カスや油汚れを放置していると、汚れに引火して火災につながることがあります。
消費者庁の事故情報データバンクではオーブントースターの火災事故が13件登録されています。実際に火災が頻発したため、消防署から注意喚起のお知らせがでたこともあるくらいです。
オーブントースターの掃除アイテム
オーブントースターにこびりついた焦げカスや油汚れをみると掃除するのがおっくうになってしまいますよね。ここでは、汚れを簡単に落とせるアイテムを紹介します。
重曹
重曹とは、別名炭酸水素ナトリウムといい、アルカリ性です。お菓子やパンを作る際に使用するベーキングパウダーのもとになるような、合成界面活性剤を使っていない、身近な材料のひとつです。
重曹は粉状で販売されているため、掃除に使用する場合は「重曹3:水1」程度の割合で混ぜてペーストにしてから汚れに塗るとよいでしょう。また、重曹は水の温度によってアルカリ度が変化する特性を持っています。冷たい水より温かいお湯を使った方がしつこい油汚れには効果的です。
重曹のペーストを塗って、できればラップなどで蓋をしたあと、汚れが浮き出てくるまで待ちましょう。重曹のペーストにはクレンザーの効果も期待できるので、軽く擦るようにすると汚れが落ちやすくなります。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムを合わせて作られたアルカリ剤です。界面活性剤不使用で手荒れが少ない上、環境負荷が比較的低いのが特徴です。
特に最近では自然由来の安心素材を使ったナチュラルクリーニングとして人気のある掃除道具のひとつでもあり、ネット通販やホームセンター、100円ショップで気軽に購入できます。重曹よりもアルカリ性が強いため、より頑固な汚れに使うと効果的です。
また、セスキ炭酸ソーダは重曹と同様に粉状ですが、重曹よりはサラサラとしていて水に溶けやすい性質をもっています。そのため、スプレーの中に入れて吹きかけるように使うと細かいところも簡単に掃除できます。水500mlに対し、セスキ炭酸ソーダは小さじ1~2杯程度が適量です。
クエン酸
クエン酸は酸性で、アルカリ性の汚れを中和する特徴をもつため、水アカやカルシウムの汚れを分解して溶かすのに使えます。無臭で掃除中でも気にならず、人体にも環境にも優しい洗浄剤です。
クエン酸は掃除するだけではなく、殺菌効果もあることから、汚れを落とした場所の消臭、除菌にも使えます。オーブントースターの臭いが気になる人にはぴったりです。
水にクエン酸を溶かし、クエン酸水を吹きかけた後に布で拭き取ると汚れが落ちます。200mlの水にクエン酸を小さじ1杯程度溶かし、スプレー容器に入れて使用しましょう。
オキシクリーン
オキシクリーンは、アメリカで発売された粉末の漂白剤です。主な成分は過酸化ナトリウムで、お湯に溶かすことで酵素の泡が出て汚れを分解します。
特に油汚れの分解を得意としているので、オーブントースターの網の部分を取り外し、つけ置きをしたり、よく混ぜたオキシクリーンとお湯を染み込ませたキッチンペーパーをオーブントースターに貼り付けたりすると汚れが落ちやすくなります。
50~60度のお湯300mlに対し、オキシクリーン大さじ1杯程度を合わせて使いましょう。 アメリカ製のオキシクリーンは界面活性剤が入っていますが、日本製には界面活性剤は入っておらず、無添加です。界面活性剤が気になる場合は、日本製を選ぶようにしてください。
オーブントースターの掃除手順
オーブントースターの掃除手順を紹介します。掃除を始める前に、オーブントースターの材質がアルミでないか調べておきましょう。アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダをアルミ製のオーブントースターに使用すると変色する恐れがあるので、あらかじめ説明書を確認しておくと安心です。
取り外せる部分を分解する
まずはオーブントースター内の取り出せる部分を分解します。受け皿や焼き網は分解できるメーカーが多いので、取り外せるなら取り外して掃除しましょう。本体の扉は外してしまった方が掃除しやすいので、できるか確認してみてください。
汚れている部分に掃除アイテムを塗布する
パーツを分解したら、次は汚れに重曹やセスキ炭酸ソーダなどの掃除アイテムを塗布します。15分~1時間ほど様子をみながら調節してください。
重曹はアルカリ度が比較的低いため、長めに時間をおいたほうが汚れが浮きやすくなります。またセスキ炭酸ソーダやクエン酸、オキシクリーンは重曹のペースト状とは違い水っぽいため、塗布する際はたっぷりつけると汚れが取れやすくなります。
汚れを布やキッチンペーパーで拭う
汚れが浮いてきたことが確認できたら、塗布した掃除アイテムを拭いましょう。柔らかい布やキッチンペーパーを使うと簡単に取れます。細かい部分は綿棒や歯ブラシ、割り箸などにキッチンペーパーを巻きつけたもので擦るように落とすと汚れが落ちやすいですよ。
オーブントースターを汚れにくくする方法
オーブントースターをせっかくきれいにしたのなら、できるだけきれいに保ちたいですよね。細かいところに気をつければ焦げやしつこい油汚れをつきにくくすることができます。
使う時にアルミホイルを敷く
オーブントースターの構造にもよりますが、網の上や下にあらかじめアルミホイルを敷いてから使うようにすることで、食べ物のカスや汁が残らないようにできます。毎回敷かなければ行けませんが、オーブントースターを使った後にはアルミホイルを捨てるだけなので、比較的楽にきれいな状態を保つことができるのでおすすめです。
汚れたらこまめに拭く習慣をつける
オーブントースターを使用し熱が冷めたら、セスキ炭酸ソーダやクエン酸などを染み込ませた布やキッチンペーパーでさっと拭きましょう。掃除したてほどのきれいさではありませんが、続けるだけで汚れにくくなります。こまめに掃除するのが苦でなければ、かなり効果的な方法と言えるでしょう。
オーブントースターを掃除して安全な食事を
オーブントースターの汚れやすい原因や、汚れを落とすためのアイテムと方法、きれいに保つテクニックについて紹介しました。
パンなどの食べ物カスや油汚れは、日々使用していればどうしてもついてしまうものです。とはいえ、しつこい焦げや油汚れでも、コツを知っていれば簡単に落とせます。
私たちが食べるものに関わる場所ですので、オーブントースターを定期的に掃除して、きれいな状態を保つようにしましょう。