女優の北川景子と俳優の永山瑛太が夫婦役を演じるTBS系金曜ドラマ『リコカツ』(毎週金曜22:00~)が、きょう16日にスタートする。本作は、“交際0日婚”した夫婦が新婚早々離婚を決意し、“離婚に向けた活動=リコカツ”を始めるというストーリー。今までにない切り口で男女の関係を描く本作に込められたメッセージとは? プロデューサーの植田博樹氏と脚本家の泉澤陽子氏に話を聞いた。
ファッション雑誌の優秀な編集者・水口咲(北川)は、航空自衛隊に編成されている航空救難団のエース隊員・緒原紘一(永山)と運命的な出会いをきっかけに交際0日でスピード結婚。現代的で自由な家庭で育った自由奔放な咲と、厳格な自衛官一家で育った生真面目な紘一は、互いの生活習慣の違いや結婚生活に求める価値観の違いで意見が食い違い、大ゲンカに。新婚早々にもかかわらず離婚を決意し、リコカツを始める。
離婚は家庭崩壊というマイナスなイメージがあるが、本作は、離婚を契機に本当の恋愛が始まる、一風変わった大人のラブストーリー。離婚はネガティブなだけではないというメッセージもあるという。
このストーリーは、プロデューサーの植田氏が自身の経験から思いついたそうで、「3年くらい前に『うちは離婚があるのかな』みたいな話を家族でしたことがあり、そのときに交際0日婚の人が離婚したというニュースを見て、離婚から始まるラブストーリーを考えました」と明かし、「自分の娘が結婚し、それをきっかけに離婚の話がうちの夫婦に出たので、熟年離婚もあるんだなと。大変お恥ずかしい話ですが、自分自身の実体験が企画の始まりです」と照れ笑い。「距離感が変わっていくことによって起こる人間関係、夫婦関係の変化を描ければ」と語った。
植田氏はまた、「結婚は紙切れ1枚だったり、弾みであったり、1つの区切りを乗り越えた感じがあると思いますが、このドラマで描きたいのは、それってけっこう些末なことなのではないかということ」と説明。劇中で、離婚を決意してからお互い不満な点を100個挙げようとするも、思ったほど不満が出ず、よく考えてみたらこれだけだったのかと気づくシーンがあるそうで、「もしかしたら、離婚したから本当の夫婦の愛が戻るのかもしれない。そういうストーリーが生まれそうな感じがしています」と、物語の広がりに期待を寄せる。
さらに、「離婚したから不幸とか、結婚をするから幸せだとか、そういうことを超えたラブストーリーを泉澤さんが紡ぎ出してくれている」と続け、「制度や、周りの人がどう思うか、国がどう決めているかということではなく、2人が居心地いい関係であればいいと言えるといいなと。そういうドラマを作りたい」と本作に込めた思いを明かした。
脚本の泉澤氏も、離婚は多くの人にとって身近なテーマであり、だからこそドラマで描く意義を感じているという。「植田さんの家庭でも離婚の話が出たということですが、日本で3組に1組が離婚すると言われているくらいなので、すごく身近なことなのかなと。うちも結婚していますが、ケンカするたびに『離婚してやる』と思うことはしょっちゅうあるので、そういうものまで含めたら夫婦の中で離婚を考えたことがない人はいないと思う。誰もが身近に感じられるテーマとして、それを面白おかしくドラマにできるのではないかと思いました」。
また、「結婚や離婚は、社会生活を送りやすくするために人間が考えた制度なのに、その制度でいつの間にか生きづらくなっている人もいる。結婚を先延ばしするのもそうだと思いますが、そういう人をひっくるめていろんな人たちを登場させることができればと思いますし、制度との間で揺れ動く気持ちをドラマの中で面白く描ければいいなと思っています」と語った。
(C)TBS