学校法人日本教育財団の国際ファッション専門職大学と専門学校モード学園は4月15日、LVMH JAPANとのパートナーシップを締結。女性の再就職とキャリアアップを支援する「ME LVMH JAPANクライアント・アドバイザー・プログラム」をスタートした。

本プログラムの受講生は2021年4月から1年間にわたる本プログラムを修了することで、LVMH傘下ブランドでクライアントアドバイザーとして就職する機会を得る。特別カリキュラムの授業料は免除され、職場実習期間中は10万円の生活支援の手当も支給される。

アジア初のLVMH JAPAN 公認プログラム

「ME LVMH JAPANクライアント・アドバイザー・プログラム」は、ファッション、コスメティクス、ウォッチ&ジュエリーの販売における専門知識と経験を得るための学習機会やトレーニングを提供。結婚・出産・育児・介護などの理由で離職した女性、性自認が女性の再就職をサポートする。

「ME」は「LOUIS VUITTON」や「DIOR」、「BULGARI」など、世界のラグジュアリーブランドを牽引するLVMHが、2014年にパリで創設した独自の職業訓練プログラムで、ヨーロッパでは1000名以上が受講した。デザイン、クラフツマンシップ、販売スペシャリストなどを育成しており、本プログラムはアジア初のプログラムとなる。

LVMH JAPANノルベール・ルレ社長は、「数年前から1日でも早く日本で本プログラムをやりたいと考えていました。今日は真面目な顔で話していますが、正直、頭の中はスーパーハッピーです」とコメント。

「年齢に関係なく日本の女性たちに仕事の可能性を広げていきたい。仕事に復帰すれば、お給料で税金を払い、買い物をして経済にも貢献できる。今後もいろんなプログラムを展開していきたいです」と語った。

一方、同社人事担当シニア・バイスプレジデントであるステファン・ヴォワイエ氏は、本プログラムで女性にフォーカスを当てた理由を次のように述べた。

「日本では73%の女性が職に就いていますが、その多くがパートタイムの仕事など不安定な仕事です。また、結婚や出産などで自身のキャリアを諦めることもあり、その空白のために仕事の可能性も減ってしまう。まずは小さなステップから始め、パートナーとともにこのプロジェクトを成長させていきたい」

実践的な教育カリキュラムを採用

「一人ひとりが能力をフルに発揮する環境づくりが大切な時代に、新しい未来をつくるエンジンである企業と教育機関の緊密な連携は今まで以上に重要なこと。その意味で本プログラムは象徴的なパートナーシップだと思います」とは、国際ファッション専門職大学学長の近藤誠一氏。

本プログラムでは50年以上にわたり、ファッションと美容の分野における才能を育成してきた学校法人日本教育財団の2校が特別カリキュラムを提供する。

受講者は総合校舎モード学園コクーンタワーで、ファッションや美容の知識を学ぶ授業、接客やメイク、スタイリングの実習授業などを受講。同時にLVMH傘下ブランドのスペシャリストをメンターに店舗でのインターンシップを実施し、クライアント・アドバイザーとしての実務経験を積む。

学校法人日本教育財団の後藤恭子理事は、「日本では社会人の学び直しが難しい現状がありますが、今回の取り組みを通じて日本の社会に社会人の学び直しの新しい土壌が生まれれば」と期待を述べ、カリキュラムについて説明した。

「月~水曜の週3日間は講義、木・金曜はLVMHの各メゾンでインターンシップという両輪で、本来は3~4年をかける内容を1年間で実現します。私どもにとっても非常にチャレンジングな新しい教育です」

また、東京モード学園校長の柴田誠氏は、「本学はゼロからプロを育てるというのが教育理念。プロになるために重要なのは学ぶ側の情熱です。これまで私たちはその思いを形にする教育環境を整えてきました。本プログラムに参加される皆様も、ぜひ楽しみにながら学んでいただきたいです」と、メッセージを送っていた。