受注という言葉の意味をご存知でしょうか。意味は知っていても、その具体的な業務についてはイメージがわかない方も多いでしょう。 ここでは受注という言葉の意味や、受注に伴う業務について詳しく解説します。
ビジネスシーンにおける受注の意味とは
はじめに、ビジネスシーンで利用する受注の意味について紹介します。
受注とは「注文を受ける」こと
受注とは、注文を受けるという意味です。自社の商品に対して、会社や個人から注文が入ることを「受注する」といいます。
受注を行う仕事って?
受注管理という仕事があります。これは注文を受けてから出荷するまでの流れを、一括して管理する業務のことです。
受注と発注の違い
注文を受けるのが「受注」であるのに対して、注文を出すのが「発注」です。それぞれの立場が逆になります。
受注と売上の違い
受注とは、利益が発生する可能性があるということです。しかし、ここで大切なのはあくまでも可能性という点です。受注後のキャンセルもあり得ますので、受注がそのまま売上になるわけではありません。
売上とは、売ったことによって得た代金の総額です。利益とは、売上から経費などを差し引いて残ったもうけの額を指します。受注、売上、利益それぞれの意味は異なりますので注意しましょう。
受注管理の具体的な流れとは
ここでは受注管理業務の流れについて紹介します。
(1)注文書を確認し、データを入力する
まず、注文書を受け取ります。注文商品や希望納期、受注数、金額などを確認したら、受注管理用のツールやシステムに情報の入力を行います。
(2)在庫と納品の予定日を連絡する
次に商品在庫の確認を行います。在庫がある場合は、すぐに出荷できるため納品予定日を連絡します。在庫がない場合は、商品の生産にかかる時間を考慮して納品予定日を設定し、連絡しなくてはなりません。相手の希望納期に応えられない可能性もあるので、連絡の際は事情を伝えるとよいでしょう。
また、商品の生産に必要な部品がない場合は、部品を取り寄せるためにかかる時間も考慮します。納品予定日がずれ込むと印象が悪くなってしまうので、ここは慎重に行いましょう。
(3)受注伝票と注文請書を作成する
最後に受注伝票と注文請書を作成します。受注伝票とは、受注した内容を自社に残すための書類です。一方注文請書とは、取引先に注文を受けたことを報告する書類です。
注文請書の発行は必須ではありませんが、トラブルを防ぐために作成しておくのがいいでしょう。受注伝票と受注請書を作成すると、注文内容が確定します。ここまでが受注管理の業務内容です。次に、生産や出荷に関する業務へと進んでいきます。
受注管理において知っておくべき用語
受注管理は数多くの専門用語が登場します。知っておくべき用語についてご紹介します。
MOQ・SPQ・SNP
MOQやSPQ、SNPはセットで使うことが多い用語です。MOQは発注できる最低数量、SPQは発注できる最低単位、SNPは出荷の際の梱包量を示しています。
専門用語の具体的な使い方
受注管理業務において欠かせないのが見積書作成ですが、MOQ・SPQ・SNPは多くの場合、この見積書に記載されます。生産や輸送にかかるコストが最低限に抑えられるよう、MOQ・SPQ・SNPの値は慎重に設定しましょう。
間違えて使うと大きなトラブルが起こる
MOQ・SPQ・SNPの値を間違うと、コストが膨大にかかってしまったり、生産ラインと折り合いがつかなかったりと、大きなトラブルに発展しかねません。MOQ・SPQ・SNPを記載する際は、間違いがないかよく確認しましょう。
受注管理でミスをしないためには
受注管理でミスをしないための方法について紹介いたします。
Excelやスプレッドシートを利用しない
受注管理をExcelやスプレッドシートで行っている会社は多いでしょう。しかし、Excelやスプレッドシートの使用は入力ミスが起こる可能性があるため、避けるのがおすすめです。Excel上の機能を使って入力できるセルの値に制限をかけることは可能ですが、基本的にどのような値でも入力できてしまいます。人為的なミスの発生はExcelやスプレッドシートの欠点です。
また、データ量が増加すると、操作性が悪くなるという欠点もあります。さまざまな面からExcelやスプレッドシートは利用しない方が賢明といえるでしょう。
Web受発注システムを活用する
Web発注システムとは、受注管理を効率化するためのシステムです。注文データが直接システムに届く仕組みになっているので、入力ミスが起こりません。
データ操作をする際、その動作が高速で行えるデータベースを利用しているため、データが増えても処理しづらいといった問題は起こりにくいでしょう。非常に使いやすいWeb受発注システムが増えているので、業務効率化のために導入してみるのもおすすめです。
受注のお礼メール例文
受注した際に発注元に感謝の気持ちを伝えれば、次の仕事へつながるかもしれません。ここではお礼メールの例を紹介します。
件名:ご注文のお礼
株式会社 ○○○○
購買部 課長 鈴木 太郎 様
平素よりお世話になっております。
株式会社○○○○、営業部の田中でございます。
この度は弊社の製品である「○○○○」をご注文いただき、誠にありがとうございます。
速やかに手配を行い、ご指定いただいた納品日時である○月○日 ○時にお届けいたします。
ご到着まで今しばらくお待ちいただきますよう、お願い申し上げます。
弊社はアフターケアに関しても万全の対策を講じております。ご不明点がありましたら、お気軽に私までお申し付けください。
今後も貴社のご期待に応えられるよう、努めて参ります。何卒、よろしくお願いいたします。
メールで恐縮ですが、ご注文のお礼とさせていただきます。
署名
まとめ
受注管理業務は、注文を受けてから納品されるまでの一連の流れです。ただし、システムをうまく使いこなさなければ、重大な損失を招くミスにつながりかねません。専門用語も多く登場するので、意味を正しく理解してスムーズに業務を行えるようにしましょう。