米Parallelsは4月14日(現地時間)、Mac上でWindowsなどを動作させる仮想マシン(VM)環境の最新版「Parallels Desktop 16.5 for Mac」を発表した。Intelプロセッサ搭載Macに加えて、M1プロセッサ搭載Macをネイティブサポートする。現時点でM1 MacでAppleがBoot Campをサポートしていないため、Parallels Desktopによる対応が待たれていた。Parallels Desktop 16 for Macの有効なライセンスには、無料で16.5への自動アップデートが適用される。
Parallelsによると、M1 MacにおいてParallels Desktop 16.5は、IntelベースのMacBook Air(2020)よりエネルギー消費が250%少なく、DirectX 11のパフォーマンスがRadeon Pro 555X GPUを備えたIntelベースのMacBook Proより最大60%向上する。仮想マシンのパフォーマンスもM1 MacがIntelベースのMacを最大30%上回るという。
Windowsを非表示にしてWindowsアプリケーションを使用できるCoherenceモード、ファイルやフォルダーの共有、タッチバーコントロールなど、Parallels Desktop 16 for Macの全ての機能がM1向けに最適化されている。M1 Macでも、Ubuntu 20.04、Kali Linux 2021.1、Debian 10.7、Fedora Workstation 33-1.2といった最新のLinuxディストリビューションを含むゲストOSの利用をサポートする。
M1 Macで利用する上での懸念としては、Microsoftは現在Windows 10 on ARMをPCメーカーのみにライセンス供与しており、一般ユーザーが公式に購入する方法がない。そのためParallels Desktop 16.5で利用できるのは、Windows Insiderプログラムで提供されているWindows 10 on ARM Insider Previewに限られる。また、x86アプリケーション向けエミュレーションの64bit版のサポートがまだプレビュー初期段階というWindows 10 on ARMの制限もある。