ソファーの汚れは気になりつつも、そのままになっている家庭も多いのではないでしょうか。ソファーは革製、合皮、布張りと素材によって手入れの仕方が異なります。

本記事では、ソファーの素材別の掃除方法と日々のメンテナンスの仕方をご紹介します。

  • ソファーの汚れを知る

    ソファーの掃除方法を紹介しますA

ソファーの汚れを知ろう

リラックスして腰掛けることの多いソファーは、スツールやチェアなどと比べて身体との接着面が広く、汚れやすくなっています。

ソファーの汚れの主な原因「ホコリ」

ソファーの主な汚れは「ホコリ」です。毎日掃除をしていても表面を覆う白い粉のようなホコリは、やがて絡まり合って大きな綿ボコリになり、ソファーの溝などに溜まります。

ホコリの正体は衣類や布製品から出た繊維の微細な切れ端です。その繊維のくずに剥落した人の皮膚やふけ、毛髪やペットの毛、泥や砂、花粉などが絡まって、目に見える綿ボコリになります。綿ボコリの中には、ホコリを食べて繁殖するダニや真菌(カビ)が潜んでいることもあります。

気になる皮脂汚れ

「ソファーでくつろぐ」「ソファーでリラックスする」という表現は私たちにとってなじみ深いものです。ソファーは一般的に身体の力を抜き、ソファーに身体全体を預けられる構造になっています。

身体との密着度合いが高いソファーは、皮脂汚れがつきやすい場所です。皮脂汚れを放置していると、黒ずみや変色の原因になるだけでなく、ダニの繁殖の原因にもなってしまいます。

気を付けたいダニの繁殖

ソファーに座っていると、なんとなく痒いと感じることはありませんか? もしかしたらソファーの内部にダニが繁殖しているかもしれません。ダニは付着したホコリや髪の毛、皮膚のかけらや皮脂をエサにします。布製のソファーだけでなく革製のソファーでもクッションの内部でダニが繁殖している場合があるのです。

ダニは痒みをもたらすだけでなく、アレルギー症状の原因にもなります。また、適度な温度と湿度、エサとなる食べかすや皮脂などがあれば爆発的に増えるので、ダニを増やさないようにすることが大切です。

では、この3つを取り除く方法をソファーの素材別に見ていきましょう。

  • ソファーの汚れを知る

    ソファーはきれいに見えても気づかないうちに汚れが溜まります

革製ソファーの掃除法

革製のソファーは価格も高くなりますが、使うほどに色合いも深まり、触感も滑らかになるという経年変化を楽しめます。長く使うためには月1回程度の本格的な掃除と、毎日の手入れが必要です。本革製ソファーの本格的な掃除法を説明します。

ステップ1:掃除機でホコリやゴミを取る

本革製のソファーは表面に傷がつきやすいので、ブラシ付きのノズルなどを使って傷つけないようにホコリを取り除きましょう。ソファーの溝はゴミや綿ボコリが溜まりやすいので、先端の細いノズルを差し込んで掃除します。

  • 革製ソファーの掃除法

    ステップ1:掃除機でホコリやゴミを取る

ステップ2:皮脂汚れを取る

ホコリやゴミが取れたら、皮脂汚れを取っていきましょう。ぬるま湯にごく少量の中性洗剤を加えたものを、柔らかい布にしみこませ、しっかりと絞ります。その布で、ソファーの表面を拭きます。革は水分に弱いので、水拭きした後は、乾いた布で水分が残らないように拭き取りましょう。

ステップ3:皮革専用クリーナーを使う

汚れが気になる場合は、皮革専用クリーナーを使います。クリーナーはスポンジにしみこませ、洗顔や洗車をするときのように汚れの箇所を中心に円を描きます。力を入れず、柔らかくなぞっていくのがコツです。そのあと乾いた布でクリーナーを拭き取り、自然乾燥させます。

ステップ4:保護クリームを塗り拭き取る

革ソファーは乾くとひび割れてしまうので、クリーナーで汚れを落とした後、完全に乾いてから、革用の保護クリームを全体に塗りましょう。柔らかい布で伸ばしていき、全体をくまなく保護するように塗ります。最後に保護クリームが乾くのを待って、仕上げの乾拭きをします。

毎日の掃除と手入れ

毎日部屋に掃除機をかけるついでに、あるいはテーブルの表面を拭くついでに、ソファーの表面を軽く水拭きしましょう。表面のホコリやちょっとした皮脂汚れも取り除くことができます。

水分が残らないようにしっかりと絞っておけば、乾拭きは必要ありません。湿度の高い時期であれば、乾拭きだけでも大丈夫です。

また、徹底した掃除は1~2か月に1回、少なくとも四半期に1度は行いましょう。

  • 革製ソファーの掃除法

    革製のソファーは丁寧に扱うことで、時間を重ねれば重ねるほど魅力を増します

合皮ソファーの掃除法

合皮ソファーは本革製のように10年20年と長持ちする家具ではありませんが、その分本革製に比べて価格も安く、よりカジュアルにソファーライフ楽しむことができます。合皮ソファーの徹底掃除と日々のメンテナンス方法は次の通りです。

ステップ1:掃除機は使わずゴミやホコリを取る

合皮ソファーは傷がつきやすいので、基本的に掃除機は使いません。卓上ホウキやブラシなどを使って、縫い目の間や奥に溜まったゴミやホコリを取り除きましょう。

ステップ2:表面の汚れを取る

手入れがしやすい合皮は表面を軽く水拭きするだけで、簡単に汚れを落とすことができます。徹底的に掃除をしたいときは、ぬるま湯に少量の中性洗剤を加え、そこに浸した布を固く絞って水拭きしましょう。汚れがひどい場合は、合皮専用のクリーナーを使用するのがおすすめです。

ステップ3:乾燥させる

水拭きの後は放置せずに乾拭きして、乾燥させます。合皮はひび割れを起こしやすいので、合皮用のクリーナーを使うことで、長持ちさせることができます。

毎日の掃除と手入れ

毎日軽く水拭きするだけで、汚れの付着具合が変わってきます。ホコリやゴミの溜まりやすい縫い目や溝だけ丁寧に、後は表面をサッと拭くだけで完了です。

  • 合皮ソファーの掃除法

    手入れがしやすく、気軽に雰囲気を楽しめるのが合皮ソファーの魅力です

布張りソファーの掃除法

布製のソファーは表面の水拭きもしにくく、手入れの仕方がわからないという人も多いでしょう。どのように掃除すればいいのか、実際にやってみたので紹介します。

ステップ1:掃除機でゴミやホコリを取る

掃除機で表面のゴミやホコリを取り除きます。布製の表面には髪の毛やペットの毛などが絡みついていることも多いので、丁寧に掃除機をかけましょう。

ダニ対策として、布団用のノズルがあれば使うのがおすすめです。ノズルがない場合でも少しずつ掃除機を動かし、入念に掃除機をかけることで、ダニはかなり取り除くことができます。

また、溝の部分は先端の細いノズルを差し込んで、奥のゴミやホコリ、ダニなどをすべて取り除きましょう。

  • 布張りソファーの掃除法

    ステップ1:掃除機でゴミやホコリを取る

ステップ2:表面の汚れを取る

ぬるま湯に中性洗剤を少量加え、薄い水溶液を作ります。柔らかい布に浸し、固く絞ってから表面を拭いてください。特に汚れた部分は軽くたたいて汚れを浮かすようにしてから拭き取ります。その後、お湯で軽く拭いて、洗剤を取り除きまます。

  • 布張りソファーの掃除法

    ステップ2:表面の汚れを取る

ちなみに、布張りソファー専用のクリーナーもあるので、古い染みなどがある場合は専用クリーナーを試してみましょう。

ステップ3:重曹を使う

布張りのソファーにしみこんだ皮脂や汗、臭いを取るには重曹がおすすめです。

重曹をソファーにまんべんなくふりかけしばらく放置します。重曹が皮脂や湿気、臭いの元などを吸い込んでくれるのを待ちましょう。

  • 布張りソファーの掃除法

    ステップ3:重曹を使う1

数時間後、掃除機で重曹を吸い取ります。

  • 布張りソファーの掃除法

    ステップ3:重曹を使う2

毎日の掃除と手入れ

布張りのソファーのお手入れとしては、毎日の部屋の掃除ついでに掃除機をかけましょう。それだけでホコリや髪の毛、皮脂などを取り除くことができるだけでなく、ダニ予防にも効果があります。

  • 布張りソファーの掃除法

    忘れがちなソファーですが「ついでに」の気持ちで掃除機をかけましょう

日々のメンテナンスでソファーを長持ちさせよう

ソファーの汚れは、毎日の部屋掃除の延長でホコリを取るだけでもずいぶん変わってきます。また、日々のお手入れに月1度の徹底掃除を組み合わすことも大切です。

ソファーを清潔に保つことで、使える寿命も延びるでしょう。気に入った家具だからこそ大切に、長く使いたいものですね。