3勝0敗の羽生九段と2勝0敗の永瀬王座の対決。羽生九段が勝利すればプレーオフ以上確定
藤井聡太王位への挑戦を目指す、お~いお茶杯第62期王位戦(主催:新聞三社連合)の白組、▲羽生善治九段(3勝0敗)-△永瀬拓矢王座(2勝0敗)戦が4月14日に東京・将棋会館で行われています。昨日の対局で佐々木大地五段が敗れたため、白組の無敗は両対局者のみ。勝者が白組優勝に大きく近づく大一番です。
羽生九段は今期、長谷部浩平四段、池永天志五段、近藤誠也七段を破って3連勝。自身以外は皆20代という若いリーグの中で、流石の存在感を示しています。
もし本局に勝利すればプレーオフ以上は確定となる羽生九段。また、初の王位リーグ入りを決めた1993年度の第34期から続く、連続王位リーグ以上在籍記録も連続30期に伸ばすことも確定します。
永瀬王座は池永五段、長谷部四段を破っての2連勝。前期は5連勝で紅組優勝を果たしたものの、挑戦者決定戦で藤井二冠に敗れて挑戦権を取れなかっただけに、今期こその思いは強いでしょう。本局を含めまだ3局残していますが、ここで羽生九段に勝利すれば全勝は自身のみになるため、優勝にグッと近づくことができます。
両者の過去の対戦成績は永瀬王座の9勝4敗。直近の対局は今年2月に行われた第34期竜王戦ランキング戦1組のもので、角換わりの将棋を後手番の永瀬王座が制しています。
本局は先手の羽生九段が相掛かりを選択。両者浮き飛車に構え、桂を跳ねていく空中戦模様の将棋となっています。永瀬王座が32手目に9筋の歩を突き捨てたのが珍しい動き。早いように見える突き捨てですが、いつでも9筋から戦いを起こせるようにしておくことで、主導権を握ろうという狙いです。
一方の羽生九段は陣形整備を目指す指し回し。理想の形に組めればいいですが、それを後手が許すとは思えません。おそらく後手の永瀬王座が、先に動いていって中盤戦を迎えることになるでしょう。
持ち時間4時間の本局は、夕方から夜にかけての終局となる見込みです。この天王山の戦いを制するのは、果たしてどちらになるでしょうか。