女優の水原希子とロックバンド「ゲスの極み乙女。」のドラマー「ほな・いこか」こと女優のさとうほなみが13日、都内で行われたNetflix映画『彼女』(4月15日より配信)の配信直前イベントに出席した。

  • 左から、さとうほなみ、水原希子、廣木隆一監督

    左から、さとうほなみ、水原希子、廣木隆一監督

原作は、女性二人の逃避行を描いた中村珍の『羣青』(小学館IKKIコミックス)。高校時代から同級生の七恵に恋をしている永澤レイ(水原)は、夫から壮絶なDVを受けている篠田七恵(さとう)を救うために夫を殺害する。自分のために殺人まで犯したレイに疎ましさと恐ろしさを抱きつつ助けを求める七恵と、そんな彼女を救うため、すべてを受け入れるレイ。互いに愛を欲しながら、絡み合わない想いをぶつけあうレイと七恵。正しいことも悪いことも超えた彼女たちの逃避行を描く。

配信開始を2日後に控え、水原は「世界配信ということで、今までに感じたことのない緊張なんですけど、皆さんがこの2人の愛の物語をどういう風に受け取ってくれるのか、すごく興味があります」と不安と期待が入り混じっている様子。さとうは「関係者以外で見ていただくのは初めてなので、何を思っていただけるか私たちも興味深いです。2人の逃亡劇でいろんな感情が渦巻いている作品なので、いろんなシーンがあります。楽しんでいただければなと思います」と観客にアピールした。

また、殺人を犯す役どころについて水原は「かなりチャレンジングになるなと思いました。"人を殺すってどういうことなんだろう"とか、かなりの想像力が必要でした」と打ち明け、それでもオファーを受けた理由については「どのシーンも苦しいんだけど、2人の愛の形がどんどん育まれていくという独特な世界観に引き込まれたので、"自分はこれを果たして演じることができるのか"という気持ちに押しつぶされながらも、役者として挑戦してみたいなと思いました。これを演じているときの自分の精神状態というものを想像したときに、すごくドキドキしたんですけど、その先にある景色を見たいなという思いのほうが強かったです」と熱く語った。

撮影は、順撮りで行われたそうで、順撮りに助けられたという水原は「その瞬間、その瞬間をレイと七恵としてピュアな状態で生きることができたし、その中で感じていた葛藤とか苦しさとか喜びがピュアに表れていたので、順撮りで積み上げてきたものは大きかったと思います。監督ありがとうございます。Netflixさんありがとうございます」と頭を下げ、さとうも「順撮りだったからこそ私自身もレイというか、希子ちゃんがいないと成り立たない精神状態までいけました。本当にありがとうございますって感じですね」と感謝。

加えて、水原とさとうは順撮りのおかげで役と自身の精神状態がリンクしたとそうで、水原は「カメラが回っていないところでもずっと隣にいたり、くっついたり、手を握ったり、カメラが回る直前までずっと抱き合うとか、それくらい近い距離感で、最後は心も体もくっついていて、離れられなかったですね」と回顧した。

さらに、本作のために車の運転免許を取得したという水原は「ロードムービーで免許を持っていないのは無理があるなと思って、この撮影の前に23日くらいでササッと取りました」と明かし、「お芝居をしながら運転をするのは難しかったので、私よりもほなみちゃんがヒヤヒヤしたんじゃないかなと思いますね」とコメント。これにさとうは「すごく怖かったです……バイクのシーンもあって、レイが運転して私が後ろに乗っているんですけど、グラグラで……」と思い出して苦笑し、廣木隆一監督も「初心者でBMのオープン(BMWのオープンカー)はありえない」と笑い飛ばしていた。