ソニー、可変式望遠レンズ搭載の旗艦スマホ「Xperia 1 III」を正式発表

ソニーは4月14日、Androidスマートフォン「Xperia」の次期フラッグシップ「Xperia 1 III」（エクスペリアワンマークスリー）を発表した。YouTubeのXperia公式チャンネルで予告されていた製品で、ミッドレンジの「Xperia 10 III」も同時発表されている。いずれも日本を含む国・地域で、2021年初夏以降の発売を予定する。価格は未定。

Xperia 1 III

ソニーが展示したXperia 1 IIIの実機（撮影：山本敦）

新しいXperia 1 IIIは、アスペクト比21：9の4K HDR対応6.5インチ有機ELディスプレイを搭載したAndroidスマートフォン。2020年2月に発表された前モデル「Xperia 1 II」からの大きな進化点として、新しくリアカメラに可変式望遠レンズを採用したほか、ディスプレイがネイティブ120Hz駆動の4K HDRに対応した。また、5G通信はSub 6モデルに加えてミリ波対応モデルも用意される（ミリ波対応モデルの提供は国・地域により異なる）。

Xperia 1 IIIの背面カメラ。3レンズともドイツの老舗レンズメーカー、カール・ツァイスのT*コーティング（ティースターコーティング）を採用する

カメラはカメラは背面に3つ、前面に1つの計4カメラ。背面カメラエリアの構成は上から順に12MPの超広角（焦点距離16mm相当）、12MPの広角（焦点距離24mm相当）、3D iToFセンサー、12MPの望遠。望遠は1つのレンズで焦点距離70mm相当 / 105mm相当の両方をサポートする可変式で、内部でレンズが動き焦点距離を切り替えて使える仕組み。切替式だが、それぞれの間のズームはデジタルズームで補完され、撮影インタフェースとしてはシームレスな表示となるという。

背面カメラはトリプルレンズ構成

70mm / 105mm相当の可変式望遠レンズを搭載

カメラ内には、高いAF性能を実現するデュアルフォトダイオードセンサーを備え、3レンズ全てで、動く被写体にフォーカスを合わせ続ける「コンティニュアスAF」が利用できる。また、広角のメインレンズではリアルタイムの瞳AF機能も引き継ぐ。このほか、画像処理アルゴリズムが進化し、ノイズが低減された最高20コマ/秒のAF/AE追従高速連写機能も搭載する。

ソニーのデジタルカメラ「α」のインタフェースを継承した「Photography Pro」や、本格的な動画撮影ができる「Cinema Pro」も、前モデルに続き搭載する。Photography Proでは新たに、AF性能や高機能を活かしながらより簡単な操作で撮影できる「BASIC」モードや、動画撮影機能を追加した。日常のカメラ撮影をPhotography Proで行うかたちとなる。

Photography Proが日常使いのカメラアプリとして登場

シャッターボタンにはエンボス加工が施された。指すべりなどを防ぎ、押しやすくするための改善だ。ボタン類としては、ほかにGoogleアシスタントボタンも搭載されている

ディスプレイは、スマートフォンとして世界初をうたう4K 120Hz HDR対応の有機ELディスプレイ。120Hz駆動は主にゲーム利用を想定したもので、タッチサンプリングレートは240Hz。ゲーミング機能も強化されている。

スピーカーはDolby Atmos対応のステレオで、フロント左右に配置。ハイレゾ音源やLDAC、DSEE Ultimate、ソニーの360立体音響技術「360 Reality Audio」などをサポートする。音圧は、Xperia 1 IIと比べ、スピーカー / 有線ヘッドホン使用時ともに40％向上した。3.5mmイヤホンジャックも搭載する。

暗いシーンを意図的に明るくする「L-γ レイザー」や、敵の足音、銃声など必要な音を強調できる「オーディオイコライザー」、ボイスチャットマイクの音声をクリアにする機能などのゲーミング機能を用意する

性能面では、Xpeira 1 IIと比べ、CPUをSnapdragon 865から888に、メモリを8GBから12GBに、最大ストレージ容量を256GBから512GBにアップデートした。また、通信機能は5G Sub 6対応モデルに加え、ミリ波対応モデルが用意される。CPUが更新されたことで、前モデルからCPU性能が25％、GPU性能が35％高速化しているという。

また、バッテリー容量は従来の4,000mAhから4,500mAhへ大容量化し、かつ劣化しにくいものを採用。ソニーでは「3年使っても（他社より）劣化しにくい」バッテリーだと紹介している。ワイヤレス充電にも対応し、Xperia 1 IIIから他デバイスへの給電機能「おすそわけ充電」も用意する。

カラーはフロストブラック（左）、フロストグレー（中央）、フロストパープル（右）の3色。落ち着いた色合いだ（撮影：山本敦）

フロストブラック

フロストグレー

フロストパープル

本体サイズは前モデルとほぼ同等。奥行きは前モデルから0.3mm増、幅と高さはそれぞれ1mm小型化した。重さは7g重くなっている（ミリ波モデル時）。本体素材はメタルフレームで、フロントガラスには強化カバーガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し、上下 / 左右のベゼル幅を統一した。防塵/防水性能はIP65/68で、前モデルと同じ。カラーはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色。