自由闊達(は、「自由」と「闊達」という、どちらもポジティブな言葉が組み合わされていることから、前向きで力強い印象のある言葉です。本記事では、自由闊達の意味や使い方を理解し、シーンに応じて適切に使いこなせるよう解説します。

  • ダークカーラのシャツを着た3人が話し合っている

    自由闊達の意味を理解し、使い方を身につけましょう

自由闊達の意味

自由闊達とは、「自由でのびのびとし、ものごとにこだわらない」という意味の言葉です。「じゆうかったつ」と読みます。会社などの組織の方針としても使われることがあります。

自由闊達の由来

自由闊達は、「自由」と「闊達」の2つの単語の組み合わせからなる四字熟語です。

自由には「自分の意志のままに行動するさま」、闊達には「度量が大きく小さなことにこだわらないさま」という意味があることから、自由闊達は「広い心で細かなことにこだわらず、自分の意志で行動する」あり方を表します。

ビジネスシーンにおける自由闊達の使い方

ルールで管理された会社組織は、保守的になりがちなもの。だからこそ、自由闊達な精神が求められることがあります。ビジネスシーンで使われる自由闊達という言葉がどのような意味を持つのか、自分で使う際にはどのように使えばよいのか、使い方や例文をご紹介します。

自由闊達な人

固定観念にとらわれず、自分で考え自らの意志で行動できる度量の大きな人を自由闊達な人といいます。たとえば「社長は自由闊達な人なので、社員たちとも気軽に意見交換を行っている」といった使い方をします。

単に自由というと、自分勝手な印象を与えてしまう可能性もありますが、闊達には度量の大きさの意味も含まれるため、目上の人に対して使っても失礼にはなりません。

自由闊達な議論

会社などでよく使われるのが「自由闊達な議論」という言葉です。プロジェクトを立ち上げるときなどに、「部署の壁・役職の壁を取り除き、自由闊達な議論を展開してもらいたい」といった言い回しで使います。

ここでも、単に「自由な議論」というと、好き勝手に議論するような印象になってしまいますが、闊達をつけることで「束縛されない、のびのびとした」という意味合いが強化され、社内のさまざまな壁を越えた議論を尊重する言い回しになります。

自由闊達な社風

自由闊達な社風を標榜する企業は多く、「わが社は自由闊達をモットーとする社風である」といった使い方がされます。自由闊達な社風の企業では、上下関係にとらわれず自由に議論できる雰囲気が重視されています。

自由闊達と自由奔放の違い

自由闊達と似た四字熟語に自由奔放がありますが、両者は全く異なる意味を持つ言葉です。自由闊達が「自由でのびのびとし、ものごとにこだわらない」ことを意味するのに対し、自由奔放は、「周りの目を気にせず、自分の思いのまま振る舞う」ことを意味します。

両者は「自由に」という共通点はありますが、自由闊達は「自由な心で柔軟に対応する」という度量の大きさの意味合いが強く、周りを気にしない自由奔放とは異なります。自由闊達と自由奔放の違いを理解し、シーンに合わせて適切に使うようにしてください。

  • 椅子に座って何かを考えている女性

    自由闊達と自由奔放の違いを押さえましょう

自由闊達の類語・言い換え表現

自由闊達の類語にはどのようなものがあり、ニュアンスにどのような違いがあるのでしょうか。ここでは3つの類語をご紹介します。

闊達自在

「かったつじざい」と読みます。闊達は、度量が広く細かなことにこだわらないことを意味し、自在は束縛のないことを意味します。闊達と自在を合わせた闊達自在という四字熟語は、小さなことにこだわらずに、思いのまま行動するさまを意味する言葉です。

<使用例>

  • あの人はなんて闊達自在なのだろう
  • 闊達自在な人からは、いい意味でも悪い意味でも学ぶことが多い

天空海闊

天空海闊は「てんくうかいかつ」と読みます。天空はすっきり晴れ渡る広い空を意味し、海闊は、広大な海を意味します。このことから、天空と海闊を合わせた天空海闊という四字熟語は、性格が大らかでさっぱりしていることを意味する言葉です。

<使用例>

  • 彼は天空海闊な性格で、多くの人から好かれている
  • 気持ちが天空海闊として、気分がよい

明朗闊達

「めいろうかったつ」と読みます。明朗は明るく朗らかな様を表す言葉で、闊達は心が大きく小さなことにこだわらないことを意味します。このことから、明朗と闊達を合わせた明朗闊達という四字熟語は、性格が明るく、心がおおらかなことを意味する言葉です。

<使用例>

  • 彼女の明朗闊達な性格は、多くの人を魅了する

自由闊達の対義語

自由闊達の意味を理解し適切に使いこなすために、自由闊達の対義語も覚えておきましょう。ここでは2つの対義語をご紹介します。

杓子定規

杓子定規は「しゃくしじょうぎ」と読みます。すべてのことを一つの基準に当てはめようとすること、融通のきかないことを意味します。ネガティブな使われ方をすることが多い言葉です。

<使用例>

  • 杓子定規な考え方の人
  • どんな質問にも杓子定規な回答をする

頑迷固陋

頑迷固陋は「がんめいころう」と読みます。頑迷は頑固でものごとの道理がわからないことを意味し、固陋は古い考え方に固執することを意味します。このことから、頑固で視野が狭く、判断を正しく行えないことを意味する言葉です。

<使用例>

  • 年をとると頑迷固陋になる

自由闊達の英語表現

自由闊達を英語で表す言い回しは複数ありますが、それぞれニュアンスが微妙に異なります。ここでは、自由闊達を英語で表す2つの言い回しをご紹介します。状況に合わせて使い分けましょう。

free and easy

「free and easy」には、「リラックスした」といった意味合いがあり、雰囲気を表すときに使い、人間に対してはあまり使いません。

<使用例>

  • I like the free and easy atmosphere of this class (この授業の打ち解けた雰囲気が大好きだ)

open and natural

「open and natural」には「おおらかでのびのびとしている」といった意味合いがあります。

<使用例>

  • image of the school that is full of energy as well as being open and natural (自由闊達でエネルギーに溢れた学校のイメージ)
  • ベンチに座って新聞を読む男性の写真

    自由闊達の英語表現をチェックしましょう

自由闊達の意味やビジネスシーンでの使い方を理解しよう

自由闊達は、「細かなことにこだわらず、自分の意志で行動する」という意味の四字熟語で、ビジネスシーンでもポジティブな意味で使えます。

社風や校風としてもよく使われていますので、従来の枠組みにとらわれず、自由に発想したり議論したりしたいときなどに活用してみてください。