コロナ禍でにわかに浮上した「ハンコ問題」。書類に上役の印鑑がないと稟議書を出せない、責任者の自分が捺印しないことには経費を精算できないといった問題は、ペーパーレス化の動きとあいまって社会に波紋を広げています。
スマートフォンとして一大シェアを持つiPhoneも、このハンコ問題と無縁ではありません。業務関連のメールをiPhoneで読み書きすることはあるでしょうし、そこに添付されている書類(ファイル)に捺印して同僚に渡したい、上司の決裁を仰ぎたい、というニーズは大きいはずです。
ご質問のiPhoneで「書類に捺印」できるかどうかですが、結論からいうと可能です。それもiOSに標準装備の「メール」アプリを利用し、PDFなどの書類にあらかじめ登録しておいた印影を重ね、それを返送/転送することで電子印鑑的なワークフローを実現できます。
ただし、iPhone単体では印影を登録できません。手書きサインには対応しますが、iOS 14の現在は印影を登録する機能が用意されていないのです。一方、Macの「プレビュー」アプリには白い紙に押された印影を取り込む機能が用意されているので(マークアップツールバーから「署名を作成」を実行しMac内蔵のカメラで映す)、それをiPhoneで利用すればいいのです。
iPhoneとMacに同じApple IDでサインインすると、「プレビュー」アプリに登録した印影/サインはiPhoneでも利用できるようになります(マークアップで「署名」を実行)。登録される印影はモノクロですが、iPhone側で朱色をつければハンコそのもの。あとは、PDFの好きな位置に配置すればOKです。Macを利用しているのなら、活用してみては?