新型コロナウイルスの影響で業務がテレワーク中心になり、オフィスで人と触れ合う機会が減ったことで、デスクワークのしづらさを感じている人は多いだろう。存在するのが当たり前だったデスクワーク中の喧騒音がなくなるというのは、やはりどこか寂しいものだ。
こうした場合に役立つのが、オフィスやカフェのさまざまな喧騒音を再現してくれるサービスだ。一般的な環境音サービスと言えば、雨音や川のせせらぎ、野鳥のさえずりなど、自然の音が多くを占めていたが、最近ではオフィスやカフェなど、人が関わる喧騒音を提供するサービスが増えている。
これらを使えば、たとえ1人で仕事をしている環境であっても、多くの人に囲まれて作業していたかつての環境を、擬似的に再現できるというわけだ。今回は、そうしたサービスの中から、特徴のある音源を公開しているサービスを7つ、セレクトして紹介する。
なおいずれのサービスもブラウザから利用可能だが、どうしてもメモリを消費するので、長期的に利用するのであれば、作業に使うのとは異なるサブPCやタブレット、スマホなどでの再生も検討することをお勧めする。
ショッピングモールの喧騒音などユニークな音源も……「おと風景」
作業用BGMをYouTubeで配信している国産の環境音サービスが「おと風景」。カフェの喧騒音や自然の音がメインだが、ほかにあまりない「ショッピングモールの喧騒」は、ショッピングモール内のイートインの雰囲気を再現したい場合にはぴったりだ。ほかに「温泉の音」のような国産サイトならではの音源や、「炭酸と氷の音」などほかにないマニアックな音源もある。
オフィスの喧騒音を再現、視覚的な面白さを兼ね備えた「Reichenbergerstr 121」
複数の音源を組み合わせて自分好みのオフィスの環境音を作り出せるのが「Reichenbergerstr 121」。4つに分かれたフロアにはそれぞれ環境音のもととなるコピー機やキーボードなどの音源があり、右下のカウンターをクリックして音源を増やしていくことで、よりリアルなオフィスの環境音を再現できる仕組み。画面上で人間を模したオブジェが動き回るので、視覚的な面白さを求める場合にもぴったり。同僚が何かをクチャクチャ食べる音がやや耳障りかも?
オフィスの音を自在に調整、FAXの受信音もある「Calm Office」
オフィスの音を再現することに徹底的にこだわった環境音サービスが「Calm Office」。キーボードのタイプ音、書類を整理する音、エアコンや同僚の会話など、10の音源のボリュームを自在に調整することができ、なかにはプリンターの運転音だけでなくFAXの受信音というマニアックな項目も。前述の「Reichenbergerstr 121」と違い、好みでない音源をピンポイントでオフにできる点が特徴と言える。
日本語会話のない海外のカフェの喧騒音なら……「Coffitivity」
カフェの喧騒音は作業をするには理想だが、日本語での会話が少しでも含まれていると注意が削がれてしまう……そんな場合には外国のカフェの喧騒音はいかがだろうか。海外大学のカフェなどの喧騒音を提供してくれる「Coffitivity」であれば、日本語が確実に含まれない、いい意味でのアウェー感の中で作業が行える。オフラインで利用可能なデスクトップアプリも配布している。他サービスに比べ、やや太めのネットワーク帯域が必要。
海外カフェの喧騒音に雨音などの音源をトッピング「Hipstersound」
欧州のカフェレストランの喧騒音を提供してくれるサービスが「Hipstersound」。前述の「Coffitivity」と似ているが、カフェの喧騒音をベースに、雨音や波打ち際の音、小鳥のさえずり、さらにはジャズやピアノといった音源をクリックひとつでトッピングできることが特徴。もっとも「全部盛り」にすると収集がつかなくなるので、組み合わせ方は個人のセンスが問われる。ミュートタイマーも設定できる。
プログラミングに最適、トリップ感が味わえる「musicForProgramming」
プログラミングに役立つとされる62種類のアンビエントな音楽を配信しているのが「musicForProgramming」。バリエーション豊富な音源はむしろ環境音に近い性格を持っており、オフィスやカフェなど現実に存在する環境音では飽き足らず、トリップ感が欲しい場合には最適。音源をクリックしただけでは再生が始まらず、右側の[PLAY]をあらためてクリックしなくてはいけないのがやや面倒。
居酒屋の喧騒音なら……「ジ・居酒屋サウンド」
「ジ・居酒屋サウンド」は、名前からも分かるように、居酒屋の喧騒音を再生してくれる国産サービス。実際に居酒屋でバイノーラル録音したとあって臨場感は抜群。内容が内容だけにテレワークなどには不向きだが、コロナ以前では一般的だった混み合った居酒屋の雰囲気が味わえることに、ほかとは一味異なる魅力を感じる人も多いはずだ。