GEM Partnersは、 Blu-ray/DVDや動画配信といったメディア別、性年代別での『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の鑑賞意欲を分析し、4月9日に結果を発表した。メディアを問わず全般的に高い鑑賞意欲が見られ、性年代別でみるとエヴァの“リアルタイム世代”である男性30代のBlu-ray/DVDの購入意欲率が突出。また30代の男女が定額制動画配信(SVOD)での鑑賞に高い意欲を示した。
調査は、ホームエンタテイメント市場でリリースされる映画・ドラマ作品のメディア別意欲などをインタラクティブに分析できるオンラインダッシュボード「BIRDS 作品別詳細」を用いて実施。劇場公開週から4週目までの各週(調査日:3月13日/20日/27日、4月2日)で、国内の15歳~69歳の男女5,000人前後を対象にインターネットアンケートによる調査を行い、総務省発表の人口統計などを参考に各調査者を性年代・映画鑑賞頻度別で重みづけした。
調査対象作品(映画)は、劇場公開時の公開規模が100スクリーン以上の洋画・邦画から、作品数と最終興収を考慮して調査したもの。2013年12月以降に100スクリーン以上で劇場公開された邦画アニメ作品の鑑賞意欲率の平均値を、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の鑑賞意欲率と比較した。
レンタルBD/DVDや定額見放題配信で鑑賞したいファンが多い
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のBlu-ray/DVDリリースや動画配信はまだ行われていないが、ホームエンタテイメント市場におけるメディア別の意欲率では、「DVD・BDセル意欲」、「DVD・BDレンタル意欲」、「EST意欲(Electronic Sell Through/買い切り)」、「TVOD意欲(都度課金)」、「SVOD意欲」のすべての指標で、邦画アニメ作品の平均値を超えており、同社は「(『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が)ホームエンタテイメント市場においても全般的に高い鑑賞意欲を誇っていることが伺える」としている。
メディア別に意欲をみると、「DVD・BDレンタル意欲」が2.1%と最も高く、次いで「SVOD意欲」が1.9%、「DVD・BDセル意欲」が1.2%。「EST意欲」と「TVOD意欲」はどちらも0.7%だった。一方、平均値に対して差をつけたのは「SVOD意欲」と「DVD・BDセル意欲」。同社は「平均値に比べて、DVD・BDセルはコアファンが多く存在し、SVODになれば“定額”で観たいポテンシャルファンも多く存在すると推察される」と分析する。
“リアルタイム世代”が高い鑑賞意欲示す。SVODでは若年層も反応
分析ツールを利用してメディア別に抽出した性年代別の意欲率を見ると、全体的に男性の意欲が高く、女性は低めの傾向となった。
「DVD・BDレンタル意欲」は男性30代以上の意欲が平均値よりも高い。女性は40代が平均値を超えているものの、それ以外の年代ではいずれも平均値並か、それ以下となっている。「DVD・BDセル意欲」については、男性30代以上、女性20代~40代が平均値よりも高く、中でも男性30代の意欲率が突出するという特徴的な値を示した。
「SVOD意欲」は、男女ともに20代以下の若年層も意欲率が高く、全体的に平均値を大きく上回った。中でも30代の男女や、男性15〜19歳、男性20代が高い意欲を示している。
GEM Partnersは今回の調査結果について、「現在の30代は(TV版エヴァの)放送当時に小学生〜中学生だった、いわゆる“リアルタイム世代”。そのため他の年代よりもコア層が多く、突出した男性30代のセル意欲をはじめ、レンタル意欲、SVOD意欲でも高いことが改めてデータから分かった」とコメントしている。