きょう9日に公開された、大塚製薬「ポカリスエット」の新CM「でも君が見えた」編が大きな話題となっている。メディアリリース向けパンフレットで、新ヒロインに抜擢された中島セナと、映像を手掛けた柳沢翔監督が、CMへの思いを語った。
公開後、Twitterでは「ポカリのCM」「ポカリスエットCM」がトレンド入り。「撮影方法がすごい」「CGじゃなくてセットなの? 信じられない」と映像美を語る声のほか、「中島セナさんの笑顔が素敵」「女の子同士の友情がかわいい」など、出演者と物語へのコメントも寄せられている。
人気女優の登竜門と言われるポカリスエットのCMガールは、これまで森高千里、宮沢りえ、綾瀬はるか、川口春奈、中条あやみらが務めてきた。今回抜擢された中島は、高校1年生の15歳。
撮影時の心境を「スタッフさんやエキストラの皆さん、私といっしょに頑張っているので、自分のやることをやらなきゃ、と感じていました。あとは、転ばないようにしなきゃと」と、走るシーンの多かったCMを振り返る。また、将来どうなりたいかという質問には「まだ具体的には考えていないんですけど、ちょっとずつでも成長できたらいいな」と初々しい回答を。
「見たことのない映像表現が得意」と評される柳沢監督は、これまでポカリスエットはもちろん、資生堂やdocomo、日清食品、 Googleなど多数のCMを担当し、世界三大広告祭をはじめとする数々の賞を受賞してきた映像監督だ。
柳沢監督はコンセプトについて「最初クリエイティブチームから、今の世界の状況に対して、ポカリスエットのヒロインは『アゲインスト』することをやりたい。と話がありました」と明かす。逆風や抵抗といった意味を持つ『アゲインスト』という言葉。どう表現すれば高校生に響くかを考えた結果、「すごく些細なこと、たとえば『一緒に帰ろう』と友達に伝えるためだけに逆走していくのは、身近に感じてもらえるのでは? と思いました」とストーリーが出来上がっていったという。
演出面でもポカリスエットの象徴として『風』の表現にこだわった。「勇気を出して、自分の道を進んだら『逆風』が『追い風』に変わるというのも、ポカリっぽいかな」と柳沢監督。
また、もともとはCGを予定していたというが「ポカリらしさはフィジカルだから、実際にヒロインの子が走って汗をかくのを表現したい」という話から、85メートルの動く舞台セットが制作されることに。セットが組まれていく様子を見て「なんてものを描いてしまったんだ! これはとんでもないな……」と感じ、「全員が猛烈に準備を進めてくれて」と制作陣に感謝の意を示す。
そして、中島については「いざ撮影が始まると、セナちゃんの熱量にみんなが引っ張られた。撮影中に、セナちゃんの表情がどんどん変わった」と驚き、「CMの冒頭と最後で表情がまったく違うのは、2日間、順番に撮り進めていくなかで、完全にセナちゃんが覚醒していったから。狙っても、もう撮れないですね。コンテを描いていたときの数百倍くらい、全然違うものになりました。本当にセナちゃんがヒロインでよかった」と大絶賛した。
昨年10月に企画がスタートし、1月に400人が参加するヒロインオーディションで中島の起用が決定、3月に7日間撮影と、約半年かけた壮大なプロジェクトで完成したCM。メイキング映像では、巨大なセットで行われた映画のような撮影風景を見ることができる。