その道のプロフェッショナルにとって、「"好き"を仕事にすること」の意義とはどのようなものなのでしょうか?

世界でも注目されている期待のプロゴルファー、仲宗根澄香選手。前編では、ゴルフとの出会いやプロを目指すした理由、そしてプロゴルファーとして一番うれしかったエピソードなどをうかがいました。

後編では、仲宗根さんがプロ生活を続けるうえで大事にしているリフレッシュやメンタルケアの方法、そしてモチベーションを維持するためのポジティブシンキング術についてお話を聞きます。

■仲宗根選手がプロを目指した理由とは? 前編はこちら

大切なのは"リフレッシュ"と"リラックス"

――仲宗根選手が仕事をするうえで大事にされていることはありますか?

身体のケアは怠りません。ストレッチも毎晩していますし、睡眠も大切なので、ポータブルマットレスとオーダーメイドの枕は遠征先にも必ず持参しています。食べ物は割と自由に食べていますが、試合前は消化の良いものを心掛けていますね。あと、朝晩のプロテインは遠征中でも欠かしません。

――メンタル的な要素はいかがでしょう?

寝る前のリフレッシュの時間を大事にしています。試合期間中でも、入浴剤を入れたお風呂にゆっくり浸かって、リラックスすることは心掛けていますね。入浴後はパックをして、しっかりストレッチをして寝ています。

ゴルフは疲労が溜まるスポーツなので、1日1日でリセットし、フレッシュな状態で朝を迎えられるように意識しています。スポーツ選手に限らず、どれだけ好きなことでも疲れていたら嫌な気持ちで向き合うはめになるし、眠たいと楽しいことも楽しめませんよね。

――仲宗根選手にもそういう経験があるんですか?

私も昔はそんなことがよくありました。朝起きた瞬間に「今夜は早く寝よう……」と思ったり、お酒を飲んでサッと寝ちゃおうとしたり。でも、今はその頃以上にゴルフが楽しくなっているので、そんな雑な気持ちにならないようコンディションを整えたり、リラックスするよう努めています。

仕事を"好き"でいるために。仲宗根流ポジティブシンキングとは

――仕事を好きで居続けるために、努力していることはありますか?

例えば、重量挙げなら数字で成長が見て取れますが、ゴルフはなかなか成長が見えません。今取り組んでいることが結果に表れるのはとても先で、しかも運がスコアを左右することもザラ。成長が数値化されないので、「成長できているのかな」と不安に思うこともあります。

でも、1日ずつちょっとでも成長しようと決めているので、「今日はここがよくなった」「今日はこんな発見があった」と、どんな小さいことでも成長と捉えるようにしています。オフの日でも、「今日は徹底して休んだから成長できた!」と前向きに捉えるようにしていますね。もちろん、ずっと休んでいたらダメですけど(笑)。

――モチベーションを維持するコツはありますか?

モチベーションを維持するために、私は「心を良い状態にしておくこと」を常に意識しています。身体の疲労より、心の疲労はとるのが大変です。試合や練習で疲れたときも、身体は1日も休めば復活しますが、心は1日では復活しません。ですから、私はいつも自分自身と向き合いながら、心のバランスを崩さないように意識しています。

私は自分で目の前に人参を吊るすようにしています。「勝ったらバッグを買おう! そのために頑張ろう!」って。でも、実際に目標を達成してみると、達成できたことに満足しちゃって、結局バッグを買わずに終わることのほうが多いんですけどね(笑)。

遊びは引退後のお楽しみ。「ゴルフは今しかできません」

――仕事を忘れられるような趣味などはありますか?

ゴルフ以外の趣味が特になくて、今探しているところです(苦笑)。でも、結局何をしていても頭の中にゴルフがあるので、今はゴルフに打ち込みたいと思っています。

――ストレスの発散などはできているのでしょうか?

うーん、強いて言えば、洗濯が私のストレス発散方法ですね(笑)。練習着や洋服を洗濯して、綺麗にして干すという作業が、心まで綺麗に白くしてくれるように思います。

――今後の目標や直近の活動について教えて頂けますか?

まずは今年一勝すること、そしてレギュラーツアーのシード権を確保することが大きな目標です。あとは自分のゴルフをどれだけ極められるかですね。ゴルフは選手生命の長いスポーツですが、ピークの期間はそんなに長くありません。遊びたい気持ちもあるけど、それは40歳になってからでもできます。でも、ゴルフは今しかできません。今はとにかく、ゴルフを突き詰めたいと考えています。

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