血液のがん・悪性リンパ腫から復帰を果たしたフリーアナウンサーの笠井信輔。6日、警視庁神田警察署の一日署長に就任し、交通安全を呼びかけるパレードを行うと、商店街の人たちから次々に「元気になってよかったね!」と声をかけられ、「幸せな気持ちにしていただきました」と語る。
がん細胞がなくなる「完全寛解」から10カ月が経過し、体調は極めて良好だというが、今も心配をかけられることに、本人は歯がゆい気持ちもある様子。そんな現在の心境や、憧れだったという警察官への思い、そして同じ悪性リンパ腫からの「寛解」を発表した私立恵比寿中学・安本彩花との交流秘話などを、健康を裏付けるマシンガントークで語ってくれた――。
■がんになって「悪いことばかりじゃない」
「小学生のときに作文で『おまわりさんになりたい』と書いたのを明確に覚えているんです」という笠井アナ。その後アナウンサーになったものの、警官への憧れは消えておらず、宇津井健の主演ドラマ『長生き競争!』(08年)で交番の警官役を演じた際は「本当にうれしくて!」と振り返る。
そして、今回は一日警察署長ということで、ドラマと違い本物の制服を着ることに感慨無量の様子。
「私が局アナ時代に、軽部(真一)さんが一日署長やってるんですよ。それがうらやましくてねぇ(笑)。俺には来ないかなぁと思ってたんですけど、フリーになったタイミングでお話を頂いて。また聞くところによると、神田警察署が去年移転してリニューアルしたばかりで、私もがんを乗り越えて新しくスタートを切ったという兼ね合いもあったようでして。だから、がんになって『うれしい』ということはないんですけど、『悪いことばかりじゃないな』という思いに今回も達しています」と捉えた。
一日警察署長の仕事として、神田すずらん通りをパレードして交通安全を呼びかけたが、その際に入院中、千羽鶴を贈って応援してくれた母娘が駆けつけてくれたそう。ほかにも、多くの人から「復帰してよかったですね」「おめでとうございます」と次々に声をかけられ、「私が交通安全を訴えるほうなのに、皆さんに幸せな気持ちにしていただいて。こうやって“お練り”ができたことで街の皆さんと触れ合うことができて、自分としては感動が増すうれしい体験でした」と充実の表情を見せた。
■基礎疾患によるコロナ重症化の心配なし
昨年6月に「完全寛解」し、現在は2カ月に1回のペースで経過観察をしているそうだが、「がんが消えてる状況が続いていて、治療も薬の服用も一切してない状況なんです」といい、体調も「非常に良いです」とアピール。コロナ対策も、「普通の人と同じように暮らしていいし、現状では感染しても基礎疾患によって重症化することはないと言われています」とのことだ。
それほど健康なだけに、「本当に大丈夫なんで、それは強く言いたいんです。心配してくださるのはとてもありがたいんですけど…。どうすれば“大丈夫”って証明できるのかなと思うくらい。だから、本当は『逃走中』とか出て、ガンガン走りたいんですよ(笑)。そしたら、『この人もう大丈夫だな』と思ってもらえるのかなっていう気持ちがあって、この前も『逃走中』をやってたので『出たいな』と思いながら見てました(笑)」と、体がうずいたことを明かす。