米クアルコム(Qualcomm)が3月に発表した、ワイヤレスでの96kHz/24bitオーディオ伝送や超低遅延などを実現する新技術「Snapdragon Sound」。NUARLやラディウス、finalが、同技術に対応した製品を今後市場投入することを明らかにしている。
Snapdragon Soundは既報のとおり、クアルコムの技術同士を最適化することで、96kHz/24bitオーディオ伝送や超低遅延、ペアリングの改善、クリアな音質をサポートし、シームレスなワイヤレスオーディオを実現するもの。Bluetooth接続時の遅延は89ミリ秒で、ゲームや動画視聴の体験を向上させるとする。クアルコムは、Xiaomiやオーディオテクニカなどから、Snapdragon Soundをサポートする製品が2021年に発売されると説明している。
NUARLブランドを展開するエム・ティ・アイは、クアルコムの子会社である米Qualcomm Technologies InternationalとSnapdragon Soundのライセンス契約を締結し、同技術を採用した完全ワイヤレスイヤホン「X77(仮称)」の開発に着手。NUARLのハイエンドクラスの製品と位置づけており、2022年第1四半期までの発売を目標としている。
X77(仮称)は、Snapdragon Soundテクノロジーに対応し、96kHz/24bit aptX AdaptiveオーディオやaptX Voiceをサポート。オリジナルダイナミックドライバーの搭載や、Adaptive Active Noise Cancellationへの対応、ヒアスルー機能の装備、Google Fast Pair対応といった仕様も公開されている。ほかにも、2021年中に対応機器の発売が見込まれる「LE audio(LC3)」や、音楽・通話など各種サービスとの連携に対応予定とのこと。
ラディウスは、Snapdragon Soundに対応したイヤホンを2021年冬モデルから展開。また、finalも次期製品にSnapdragon Soundの技術を採用し、今後final製品への搭載を推し進める方針を明らかにしている。