川崎重工は3月31日、完全子会社の「川崎車両」に鉄道車両事業を承継させると発表した。川崎重工を分割会社、川崎車両を承継会社とする吸収分割の形を取る。

  • 川崎重工兵庫工場で公開されたJR貨物の直流電気機関車EF210形316号機(2020年2月撮影)

鉄道車両製造事業は今後も世界的に安定した市場成長が見込まれる一方、新型コロナウイルス感染症の拡大により、「国内では投資計画の見直し、海外では新線の建設工事の遅れなどの影響が出ている」と同社。業界関係各社との連携・協業を含め、変化する事態に「機動的かつ柔軟に取り組んでいく体制を整える」必要があるとして、分割を行う。

川崎車両は川崎重工の事業のうち、各種鉄道車両、産業車両、特殊車両、鉄道システム、除雪機械とそれらの部品の設計、開発、製造、修理、解体と、販売・賃貸借に関する事業などを承継する。10月1日に分社し、川崎重工の兵庫工場に本社を置く。資本金は96億5,000万円。株式19万2,800株を発行し、全株式を川崎重工が保有する。