ソニーのスマートウォッチ「wena 3」を使い込んで3カ月。腕時計の手首側、バックル部分がスマートデバイスになっている新発想の製品です。筆者が試したシリコンラバーバンドの「wena 3 rubber」は時計のヘッド部分が簡単に着脱できるスグレモノ。外出時は腕時計にして、家では時計を外してバンド単体で利用できます。
3回にわたりお届けする「wena 3」の使い勝手、今回は電子マネーを使ってみた結果をお届けします。
交通系ICカード「Suica」が使える!
前回、wena 3は手首側にデバイスがあるので、電車の改札をスムーズに通れます……と書きましたが、「wena 3」は楽天Edy、iD、QUICPayに加えて、交通系ICカードのSuicaにも対応しています。複数の電子マネーが利用できるのはかなり便利。手ぶらでの外出がしやすくなります。
Suicaの設定は、スマホの「wena 3」アプリで行います。メニューの「Payment設定」から「Suica」を選び、「Suicaを発行する」をタップ。規約に同意して名前や生年月日など、Suicaの発行に必要な情報を登録します。
wena 3でSuicaを発行するには、1,000円~5,000円のチャージが必要。筆者はAndroidスマホと連携しているので、金額を設定して「GPayで支払う」をタップすれば、Google Payに登録しているクレジットカードからチャージすることができました。
オートチャージには非対応なので、残高が少なくなったら、都度、チャージする必要があります。でもそれもスマホのタップ操作で簡単にできるので、さほど面倒ではありませんでした。なお定期券やSuicaグリーン券の購入はできませんが、JR東日本、JR東海、JR西日本エリアの新幹線予約サービスに対応しています。
すでにスマホでモバイルSuicaを使っているという人も、新たにSuicaを発行する必要があります(デポジットは不要)。ウォッチ用とスマホ用と用途が2つになるので、その分、Suicaも2つ必要になるワケですね。でもSuicaの乗車で貯まるJRE POINTは、JRE POINTサイトに登録することでちゃんと貯めることができます。
Android派は注意、Suica以外の電子マネーはiOS対応
「wena 3」では楽天Edy、iD、QUICPayも利用できます。ただこれらの設定は、Androidスマホユーザーにとってはやや面倒。実はこれらの電子マネーはiOSアプリの「おサイフリンク」を使ってセットアップしなくてはいけないのです。「wena 3」自体に電子マネー機能はあるものの、それを利用するためのアプリ「おサイフリンク」が、iOS版しかないため、このようなことになっています。
筆者は仕事柄、iPhoneも持っていたので設定できましたが、Androidスマホで「wena 3」を使う上でこれは大きな課題でした(公式サイトでも、「Android端末のみをお持ちの方はおサイフリンクをご利用出来ないため、電子マネー機能を設定することが出来ません」と案内されています)。
とはいえ、iPhoneが必要なのは最初の設定だけなので、例えば家族のiPhoneに「おサイフリンク」アプリをインストールしてもらって設定することは可能かもしれません(気を遣いそうですが……)。
iDやQUICPayの利用にはカード会社への申し込みが必要になるので、筆者は楽天Edyのみを設定しました。手順はAndroidスマホの設定から「wena 3」アプリを強制終了。「wena 3」のディスプレイからツール→Setting→初期化と進んで、「wena 3」を初期化します。Suicaを利用していると入金額がゼロになってしまわないか心配ですが、ペイメント情報は初期化されないので安心してください。
「wena 3」が初期化できたら、次はiPhoneとの接続です。設定からBluetoothでペアリング。「おサイフリンク」アプリを起動して、楽天Edyを選んで初期設定します。Edy番号が振り分けられたら、「wena 3」で楽天Edyが利用できる準備はOK!
後はiPhoneに接続した「wena 3」を再びAndroid端末と接続するため、再度、「wena 3」を初期化します。iPhoneのBluetooth設定から「wena 3」の登録を削除し、Android端末とペアリング。初期設定をすると、「wena 3」で楽天Edyが利用できるようになります。
Android端末との接続を切り、iPhoneとつなぎ、設定後にiPhoneとの接続を切り、再びAndroid端末と接続するという、Android派にはなかなかに面倒なSuica以外の電子マネーの設定。そんなことからwena 3を使うAndroidユーザーはSuicaのみを利用する人も多いようです。
【第1回はwena 3の特徴と利用スタイルを紹介。第3回はヘルスケア機能をチェックしました。】