受発注業務を行っているとSPQという用語が頻繁に登場します。ただ、今まで受発注業務を行ったことがない方にとっては、どのような意味を持つ言葉なのかわからないはずです。この記事では、SPQの意味や使い方について詳しく解説をしていきます。

  • そもそもSPQって何?

    SPQの意味を正しく理解して、受発注業務で使えるようになりましょう

SPQって何?

まずはSPQの意味や使い方について紹介します。受発注業務や貿易において頻繁に登場する言葉なので、意味を正しく理解しておきましょう。

SPQは「発注できる最小単位」の意味

SPQとは「Standard Packing Quantity」の頭文字をとって作られた略語です。Standardは「標準」、Packingは「梱包」、Quantityは「量」なのでSPQは「発注できる最小単位」を意味しています。

例えばSPQが1,000個の場合は、1,000の倍数単位でしか発注ができません。つまり、2,000個や3,000個で発注をすることは可能ですが、2,500個で発注はできないということです。

SPQが1,000個なら1つのコンテナや段ボールに商品が1,000個梱包されています。もしも段ボールに商品が1つしか入らなければ、SPQが1個となるケースもあります。

MOQやSNPと共に利用される

SPQと共に利用されるのが MOQやSNPです。MOQ(Minimum Order Quantity)は発注できる最低数量、SNP(Standard Number of Package)は出荷時の梱包量を示しています。

SPQやMOQ、SNPはそれぞれ英単語の頭文字をとって作られた略語です。なんとなく似ているため、使い方や意味を混同しがちです。それぞれの言葉がどのような英単語から成り立っているかを理解しておけば、意味を間違えにくくなるのでおすすめです。

  • そもそもSPQって何?

    SPQとMOQ、SNPは一緒に利用します。それぞれの意味についても理解しておきましょう

SPQを設定する理由

SPQは見積書に記載されていることが多いです。しかし、そもそもなぜSPQを設定する必要があるのでしょうか。その理由について紹介します。

SPQを設定する理由

SPQを設定する理由は商品の輸送や管理にかかるロスを減らすためです。具体的な例を用いて考えてみましょう。

商品を発送する際、段ボールを使用するとします。その段ボールには商品を100個詰めることができます。商品を500個発送するなら、段ボールが5箱必要ですよね。

しかし、商品を501個発送する場合はどうでしょうか。段ボール5個では収まらないため、別の段ボールを1箱用意する必要があります。

このように商品を1つ運ぶためだけに、段ボールを追加で用意しなくてはいけないのです。段ボールであればさほどコストもかかりませんが、コンテナやトラックになるとかなりのコストがかかります。そのため、SPQを設定することで輸送にかかる無駄なコストを削減しているのです。

特に海外の会社との取り引きは輸送にかかるコストが膨大です。少しでもコスト減らせるよう、SPQが高めに設定することも多くあります。

正しいSPQの使い方

SPQは「SPQ:100pcs」のように記載します。これは商品を100の倍数でしか発注できないという意味です。また、1つのケースに商品が100個入っているという意味でもあります。

  •  SPQをなぜ設定する必要があるのか

    SPQは商品の輸送におけるロスを減らすために非常に重要です

SPQを設定する場合の注意点

こちらが商品を供給する側の場合、SPQを設定することもあるでしょう。SPQは商品の輸送効率を高めるために設定するのですが、それだけを意識していると取り引き自体が成立しない可能性があります。

ここでは、SPQを設定する際の注意点について紹介します。

SPQが小さい方が注文側は嬉しい

SPQを1,000に設定したとしましょう。このとき、発注側が商品を500個しか求めていなければ、発注側にとっては500個の商品が不要になる計算になります。

注文をする側としては、SPQが少ない方が商品を発注しやすいのです。SPQを高く設定すると、取り引き相手を失うことにもつながりかねません。かかるコストを考慮しつつ、注文する側に配慮した値を設定しましょう。

条件があわない場合の対処法

相手から「SPQを下げられないか」と相談されることがあります。その場合は、柔軟な対応を心がけましょう。今後も継続して取り引きを続けてくれるようであれば、相手の要望に応えておくのも手です。

もちろん、こちらのコストが膨大になっては意味がないので、無茶な要望は断る必要があります。

  •  SPQをなぜ設定する必要があるのか

    SPQは取引相手の事情も考えて設定することが大切です

MOQと一緒に記載されている場合の確認法

最後にMOQとSPQが一緒に記載されている場合の確認方法について紹介いたします。見積書にSPQ単独で記載されているケースは少なく、MOQやSNPと共に利用されることがほとんどです。

MOQ/SPQ:1,000/1,000の場合

MOQ/SPQ:1,000/1,000の場合は、商品を発注できる最低数が1,000個で、1,000の倍数でしか発注できないという意味です。つまり、この場合は商品を1,000個発注することは可能です。それ以上商品が欲しいのであれば2,000、3,000のように1,000の倍数で増やさなくてはいけません。

MOQ/SPQ:1,000/500の場合

MOQ/SPQ:1,000/500の場合は、商品を発注できる最低数が1,000個で、500の倍数でしか発注できないという意味です。

先ほどのケースとは異なり、SPQをMOQが上回っています。SPQだけを確認すると、商品を500個発注することもできそうですが、MOQが1,000となっているため、1,000以上でしか商品を発注できません。

つまり、この場合は商品を1,000、1,500、2,000と発注することは可能ですが、500で発注はできないということです。間違えやすいので注意しましょう。

  •  MOQと一緒に記載されている場合の確認法

    MOQとSPQは意味が似ています。間違えて解釈しないように気をつけましょう

SPQやMOQの意味を正しく理解しよう!

受発注業務において、SPQやMOQは頻繁に登場します。意味を理解しておくのは大切ですが、それ以上に大切なのは業務の中でスムーズに使えるようになっておくことです。

意味を理解してしまえば、使うこと自体は難しくありません。しかし、値をどれくらいに設定するのかに関しては、経験も非常に重要になります。

これから業務を始める方は、まず意味を理解することが大切です。見積書をスムーズに読めるようになっておきましょう。