iPhone 12シリーズからイヤホンが付属しなくなりましたが、イヤホン人気は収まる気配がありません。音楽鑑賞のみならず、ネット動画やゲームを誰に気兼ねなくiPhoneで楽しむにはイヤホンが必須です。ワイヤレス対応モデルが主流となる一方、アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)による環境雑音の低減に対応した製品も急増するなど、高機能化が進んでいます。
しかし、購入したイヤホンを意気揚々と使い始めたところ、音量があるレベルより上がらない...実際、そのような事態はありえます。イヤホン側の問題ではなくiPhone側の設定によって本来発揮できる音量レベルに到達できない、あまり音が大きくならない、ということがあるのです。
そのiPhone側の設定とは、おそらくiOS 14.2で追加された音量制限機能です。音楽やアプリの効果音が指定した以上の音量とならないようにする機能で、75デシベル(掃除機レベル)から100デシベル(救急車のサイレンレベル)の範囲でiPhoneの最大音量を制限できます。この値を抑えすぎると、イヤホン側のボリュームを最大にしても音量が不足気味に感じる、という事態になるのです。
音量制限機能の最大音量を変更するには、『設定』→「サウンドと触覚」→「ヘッドフォンの安全性」の順に画面を開き、「大きな音を抑える」スイッチの下にあるスライダーを動かします。利用するイヤホンによるものの、最大90デシベル(オートバイのエンジン音レベル)あたりに設定しておけば、音量不足を感じることはないでしょう。
なお、「大きな音を抑える」スイッチをオフにすれば音量制限機能を無効化できますが、お勧めできません。地下鉄車内など騒がしい場所では音量を上げがちになるため、イヤホンの音量を上げて周囲の騒音をやり過ごすのではなく、密閉性が高いイヤホンを利用する、イヤホンのノイズ・キャンセリング機能を利用するといった工夫をすべきでしょう。