EY新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局は4月1日、共同研究結果「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?」(2021年版)を発表した。同研究結果は、現在の水道経営を維持していくとした場合に2043年までに想定される水道料金改定率を、最新の公表統計データを基に事業体別に作成したもの。
値上げが必要な事業体は94%
それによると、2043年度までに水道料金の値上げが必要と推計される事業体は1,162事業体で、全体の約94%(前回90%)。このうち、約5割の648事業体で30%以上の値上げが必要となる見通しという。
水道料金の値上げ率(2018年起点)については、全国平均で43%(前回36%)と予測。1カ月あたりの水道料金(平均的な使用水量の場合)は、2018年の3,225円から2043年には4,642円になると試算している。また、個々の事業体間の水道料金の格差は、現在の9.1培から2043年度には24.9倍に拡大すると見込んでいる。
地域別にみると、北海道・東北・北陸地方に値上げ率が高い事業体が多く、そのうち3割以上は値上げ率が50%以上になると予想。都道府県別では、高知県が最も高く値上げ率57%と推計している。
また、今回はコロナ禍に伴う水道事業経営への影響についても調査。回答を得た525団体のうち、約38%の事業体が水道料金の減免を実施したことがわかった。