「気炎万丈」とどのような意味を持つ四字熟語かご存知でしょうか。普段の生活ではあまり耳にすることはないかもしれませんが、ビジネスシーンにおいては使用される機会が多い言葉なので、社会人ならばぜひとも知っておきたい言葉です。
本記事では「気炎万丈」の意味や使い方、類語や対義語、また英語表現についても紹介します。
気炎万丈の意味
「気炎万丈」とは、「他の人を圧倒するほど意気込みが盛んである」という意味です。
日常会話ではあまり使われる表現ではないものの、ビジネスシーンでは使われることがあるので、意味を正しく覚えておきましょう。
気炎万丈の語源
「気炎万丈」は「気炎」と「万丈」、それぞれで意味を持っています。
「気炎」は「気勢」や「意気込み」などを意味する言葉。万丈は「高く燃え上がる様子」を意味する言葉です。
これらが合わさり「他の人を圧倒するほど意気込みが盛んである」という意味の「気炎万丈」として使われるようになったと考えられます。
読み方は「きえんばんじょう」
初めて見た方の中には読み方がわからないという方もいるでしょう。「気炎万丈」の読み方は「きえんばんじょう」です。
「きえんまんじょう」と読み間違えないように注意してください。また、読み間違いだけでなく書き間違いにも注意したいところ。
「炎」を「災」と間違えたり、「丈」を「上」と間違えたりしないよう気を付けましょう。
気炎万丈の使い方
気炎万丈は、気勢や意気込みの「大きさ」を表現する四字熟語です。気勢や意気込みといった目に見えない様子を正確に相手に伝える場合、その度合いを端的に伝える際に使えます。
ビジネスでは議論について主に使用する
ビジネスシーンにおいて気炎万丈は、「白熱した議論の様子」を表す場面で使われたりします。
例えば、会議で議論が白熱したとき、「気炎万丈な議論が展開された」と言い、かなり熱い議論であったことが表現できます。また、「議論が気炎万丈にならなければ意味がない」と使えば、議論のあるべき姿を参加者にイメージさせられるでしょう。
動詞化した表現はしない
気炎万丈は物事の様子を表す言葉であり、動作を表す言葉ではありません。
例えば、意気込みや議論の様子を表す際、「気炎万丈な~」「気炎万丈の~」といった表現はできますが、「気炎万丈する」といった動詞化した表現は文法上は間違いとなるため注意しましょう。
気炎万丈の例文
ビジネスシーンにおいて、気炎万丈はどのように使用することができるのか例文を紹介します。
気炎万丈な話し方
「気炎万丈な~」と形容詞化することで、後に続く語句を形容しています。以下の例文では「話し方に圧倒されること」が上手く表現されています。
<使用例>
- あの方の仕事に対する熱量は凄まじく、気炎万丈な話し方に少し引いてしまう。
気炎万丈になる
「気炎万丈になる」とすることで、前の語句の状態を表しています。以下の例文では「話し方に勢いがつく状態になること」が表現されています。
<使用例>
- 彼は食のことになると、途端に話し方が気炎万丈になるようだ。
気炎万丈な人
「気炎万丈な人」とすることで、後に続く「出会った人」の様子を形容しています。「気炎万丈な~さん」などと変更することで、より具体的に使用することが可能です。
<使用例>
- 気炎万丈な人に出会うと、こちらまでやる気が湧いてくるよ。
気炎万丈の類語
気炎万丈の意味を正しく理解するには、類語を学ぶことも大切です。類語を把握し、様々な場面で使ってみましょう。
高談雄弁
高談雄弁とは、盛んに議論する様や積極的に談論する様を意味する言葉になります。読み方は「こうだんゆうべん」です。高談には「意気盛んな談論」、雄弁には「力強く堂々と話す」といった意味があります。
ただし気炎万丈と違い、高談雄弁は名詞だけでなく、動詞として「高談雄弁する」と使用することもできるので覚えておきましょう。
自由闊達
自由闊達は「広い心をもって伸び伸びとしており、物事にこだわらない様子」を意味する言葉です。読み方は「じゆうかったつ」となります。
自由闊達の「伸び伸びとしている様」と、気炎万丈の「高く燃え上げる様」は、ともに「ポジティブで勢いがある」状態を表しており、類語と言えます。
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意気軒昂
意気軒昂 は、「いきけんこう」と読み、「とても元気で盛んに奮い立つ様子」を表す四字熟語です。意気は「あふれ出るほど元気な様子」、軒高は「軒の高さ」という意味があります。
気炎万丈の対義語
気炎万丈の対義語には、「意気消沈」や「不承不承」などがあります。それぞれどのような意味合いか知っておきましょう。
意気消沈
意気消沈は「意気込みやモチベーションが低下している様子」を表す四字熟語です。読み方は「いきしょうちん」です。意気には「気概」や「気持ち」、消沈には「衰える」や「沈む」の意味があります。
なお、意気消沈は名詞だけでなく、動詞として「意気消沈する」と使う場合ことが可能です。
不承不承
不承不承は「嫌々ながらもやむを得ず物事を受け入れる様子」を表し、読み方は「ふしょうぶしょう」です。不承は「嫌々ながら引き受ける様子」を意味する言葉ですが、重ねることで、意味が強調されます。
なお、不承不承は「不請不請」と書くこともあります。
気炎万丈の英語表現
気炎万丈の英語表現にはどのようなものがあるのでしょうか。例文とともに紹介します。
talking big
talkingは「話している様子」を表します。またbigは「大きい」ではなく「大口」となるため、「talking big」の直訳は「大口を叩く」「自慢する」となります。
気炎万丈とは少しニュアンスが異なるものの、「気勢を上げる」といった意味では通じるでしょう。
<例文>
- She is always talking big.(彼女の大口はいつものことだ)
in high spirits
highには「高い」、spiritには「魂」の意味があり、in high spiritsは「高い精神状態」や「興奮している様子」を表しています。
<例文>
- Set out in high spirits.(元気よく出勤する)
気炎万丈の意味や使い方を理解しよう
気炎万丈は、ビジネスシーンでは「会議や打ち合わせにおける論議が白熱する様子」を表す際に用いるのが一般的な四字熟語だと分かりました。
類語や対義語、英語表現なども覚えておき、気炎万丈の正しい意味を理解して、様々な場面で活用していきましょう。