アプリに限った話ではありませんが、ふだん使い慣れない横文字が突然現れて面食らうことがあります。「インデント」もそのひとつ、状況からなんとなく意味を推測できるのであやふやな理解のままやり過ごしている人は多そうです。
インデントとは、直訳すれば「字下げ」のこと。iPhoneに標準装備の国語辞書・スーパー大辞林によれば、「文書表示で、特定の範囲の行だけ文字の位置を変更できるワープロソフトの機能」だそうですが、ワープロ的な機能を持つ「メモ」はともかく、「リマインダー」や「メール」などのアプリにもインデントという言葉が登場しますから、ピンとこないのも無理はありません。
iOSアプリにかぎらず、インデントという言葉は拡大解釈気味に使われており、ざっくり「表示位置をずらす機能」程度に理解すればいいでしょう。つまりケース・バイ・ケース、アプリによって若干意味合いが異なるのです。
「メモ」の場合、インデントは段落の左側のスペースを空ける機能を指します。編集作業中にソフトウェアキーボード上の「Aa」ボタンをタップし、現れたフォーマット画面右下のインデントボタンをタップしてみましょう。カーソルのある行が、ほかの行より数文字右横へずれて表示されたはずです。
「リマインダー」では、インデントは作成済のタスクをサブタスク化する処理を意味します。タスクを左方向へスライドして左端に現れた「インデント」ボタンをタップすると、その上にあるタスクと親子関係になり、行頭の○が一つ右へずれて表示されます。
「メール」の場合は、引用したメッセージであることを示す記号を意味します。返信メッセージの引用文は、行頭に「>」が挿入され、受信・返信を繰り返すとその数が増えていきますが(引用レベル)、これもまたインデントのひとつの形です。