3勝0敗の羽生善治九段、2勝0敗の佐々木大地五段とともに無敗をキープ
藤井聡太王位への挑戦権を懸けて争われている、お~いお茶杯第62期王位戦(主催:新聞三社連合)の白組、▲永瀬拓矢王座(1勝0敗)-△長谷部浩平四段(0勝2敗)戦が3月30日に東京・将棋会館で行われました。結果は165手で永瀬王座が勝利しています。
横歩取りの将棋となった本局で中盤でリードを奪ったのは長谷部四段。飛車角交換から2枚竜を作ります。この2枚の竜は敵玉を寄せるのに働くだけではなく、自玉の入玉の足掛かりにもなります。
苦戦を強いられた永瀬王座は、自玉を上部に逃がして一瞬の安全を確保。そして猛烈な勢いで長谷部玉に攻勢をかけます。すでに入玉を果たしており、到底捕まらないかに見えた長谷部玉でしたが、みるみるうちに危険な状態に。そして長谷部四段に痛恨のミスが出て、ついに逆転。最後は本来なら自玉を守る金銀も寄せに働き、長谷部玉を即詰みに打ち取りました。
王位リーグは最終戦以外はバラバラの日程で行われるため、進行にバラツキがあります。現在白組で無敗は永瀬王座(2勝0敗)、羽生善治九段(3勝0敗)、佐々木五段(2勝0敗)の3人です。これから行われる彼ら3人の直接対決が楽しみな展開になっています。
また、永瀬王座はこの対局が2020年度の最終戦でした。年度成績は44勝23敗2持将棋。対局数部門では2位の豊島将之竜王に15局差をつけて堂々の1位。また、勝数部門でも藤井二冠と並んで1位タイとなり、4部門中2つで1位となりました。