受発注業務を行う際にSNPという用語がよく登場します。しかし、意味や使い方がわからないという方も多いでしょう。SNPは受発注業務において非常に重要な役割を担っています。この記事では、SNPの意味や使い方について解説をしていきます。

  •  SNPってどういう意味?

    受発注業務で頻繁に登場するSNPについて紹介をしていきます

SNPの意味

まずはSNPの意味について紹介していきます。受発注業務においてはよく登場する言葉なので、正しく理解しておきましょう。

SNPはStandard Number of Packageの略

SNPは「Standard Number of Package」の頭文字をとった略語です。「Standard」は標準、「Number of Package」は梱包数を表しています。つまり、SNPは出荷梱包単位のことです。

出荷梱包単位とは、出荷時にどれくらい梱包されているかを表す言葉です。SNPが1,000の場合だと、段ボールやカートンボックス1つあたりに商品が1,000個梱包されて送付されるという意味です。

この数値は商品のサイズと梱包するケースの大きさによって異なります。商品によっては24や144のような中途半端な単位になることもあります。

MOQやSPQと共に使用される

SNPと一緒に利用されるのがMOQとSPQです。MOQ(Minimum Order Quantity)は発注できる最低量、SPQ(Standard Packing Quantityは最小の発注単位を示しています。

SNPやMOQ、SPQの意味は非常に似ています。単語だけを覚えようとすると、意味が混同しやすいので、どういった英単語から成り立っているかも覚えておくのがおすすめです。

  •  SNPってどういう意味?

    SNPはMOQ、SPQと共に利用されます。それぞれの意味についてまとめて覚えておきましょう

SNPを設定する目的とは?

受発注業務で利用するSNPにはどのような役割があるのでしょうか。ここではSNPを利用する目的と使い方について紹介します。

輸送効率の最適化が目的

SNPを利用する目的は輸送効率の最適化です。1つの段ボールやカートンボックスに可能な限り商品を詰めれば、トラックやコンテナで輸送する際の無駄がなくなります。輸送効率の最適化は輸送にかかるコスト削減につながるため、大切な要素となります。

実際のSNPの使い方

SNPは「SNP:60pcs」のように表記します。これは1つの梱包材に60個の商品が梱包されていることを意味します。

SNPとSPQの意味が同じになるケース

意味がややこしくなりやすいのが、SNPとSPQです。SNPと同じく、SPQも輸送効率の最適化を目的に利用されますが、同じ意味としてとらえられてしまうケースがあります。

それはSNPとSPQが同じ値の場合です。SPQは出荷できる最小単位を示しています。つまり、SPQが60の場合は、60の倍数でしか出荷ができないという意味です。なぜ、60の倍数でしか出荷ができないのかというと、1つの梱包材に梱包されている商品の数が60個だからです。つまり、SNPと意味は同じになるのです。

もちろん、意味が違う場合もあります。工場の生産ラインの都合で、商品を決まった数しか生産できないケースなどがこれに該当します。

例えば、工場の生産ラインを24時間稼働させると、商品が300個生産可能だとしましょう。仮に100個や200個の生産しか行わないと、生産上のロスが大きくなります。この場合はSPQが300に設定されます。

しかし、1つの梱包材に商品が300個梱包可能とは限りません。つまり、SPQは300、SNPは60のように設定される場合があるのです。

なお、SPQがSNPを下回ることはありません。なぜならSPQがSNPを下回ってしまうと、輸送効率の最適化につながらないからです。必ずSPQはSNP以上になります。

  •  SNP設定する目的とは?

    SNPは輸送にかかるロスを少なくするために設定されます

SNPを使う際の注意点

SNPを設定して見積書を作成する際や、SNPが設定してある見積書を受け取った際には注意するべきポイントがあります。

条件があわないときの対応方法

まずは、SNPの設定値がこちらの要望とあわない場合についてです。その場合は、相手に交渉をしましょう。今後も継続して取り引きを行うのであれば、要望を聞き入れてくれる可能性もあります。

もちろん断られる可能性もあるでしょう。その場合は、他の会社から発注するなど取り引き相手を変更するのも手です。

SNPが原因で起こるトラブルの事例

先ほど紹介したSPQとSNPの関係が原因となってトラブルが起こる場合があります。

例えば、SNPが100、SPQが50と設定されていたとしましょう。出荷時の梱包材には商品が100個梱包されています。しかし、発注できる最小単位は50なので、商品は50個から発注可能となります。仮に商品を50個だけ発注したのでは、梱包材が商品でうまらず輸送効率が悪くなってしまいます。SNPよりSPQが小さいというのは矛盾しているのです。

また、SPQの数がSNPの倍数になっていないのもおかしいです。SPQは輸送効率を最適化するために設定されているため、必ずSNPの倍数になっています。そうでないと、梱包に無駄が生じてしまいます。

受発注業務に詳しい方であれば、これらの数字を見てすぐにおかしいと気づくでしょう。結果として余計な確認や調整業務が生じ、工数が増加してしまうのです。

矛盾した数値を設定しないためにも、それぞれの意味について正しく理解しておきましょう。

  • SNPを使う際の注意点

    SNPの設定を間違えてしまうとトラブルに発展します。よく確認しましょう

輸送効率を高めるSNPの概念を正しく理解しよう

SNPはSPQと意味が非常に似ているため混同しやすいです。こちらが見積書を作成する際は、トラブルを生まないようにしっかりと確認しなくてはいけません。

目的は輸送効率を高めることにあります。どうすれば輸送効率がよくなるのかを考えれば、間違った値を設定することはなくなるでしょう。