壁紙(クロス)あるいは和室の壁に関する掃除方法を解説します。壁の素材や汚れの種類別に、どのような掃除が適しているのか、その理由も含めてまとめました。部屋にいる時間が長く、壁紙の汚れが気になるという方は、ぜひ参考にしてください。

  • 壁紙の素材と掃除の注意点を確認!

    壁紙掃除で部屋の中がワントーン明るくなるかも

壁紙の素材と掃除の注意点

壁紙(クロス)・壁の掃除について考える際、まず注意したい点は壁紙の素材です。素材によってはNGとなる掃除方法もあるため、素材を確かめてから素材に適した掃除方法を把握しましょう。

■ビニールクロス

家庭では多く見られる素材です。壁紙がビニールクロスかどうかの見分け方は、目立たない隅の方を少し水で濡らしてみればすぐわかります。ビニールクロスならば水をはじき、シミになりません。

ビニールクロスの場合は、基本的に水拭きが有効です。少し洗剤を使ってもきれいになります。掃除する際、一番気をつかう必要のない素材と言えます。

■紙素材

吸水性のある紙素材の壁紙は、水拭きをすると水分がシミになってしまうので要注意です。基本的には水分を避けてください。紙素材かどうかは、目立たないところに水をかけて吸収されるかどうかで判断します。紙素材の壁紙は、基本的に乾拭きでの掃除を行いましょう。

■布素材

布素材の壁紙も、紙素材と扱いは同じです。水を使った掃除をすると、壁紙にシミができてしまうので避けてください。掃除方法は、紙素材と同じく乾拭き中心です。

■土や砂が固められた壁

和室の壁でよく見られる、土や砂を固めた壁や、コテで塗り固めたような白い壁も、水拭きをするとシミの原因になるので避けましょう。紙素材や布素材の壁紙と同じく、乾拭きの掃除を中心にしましょう。

  • 壁紙の素材と掃除の注意点を確認!

    ビニールクロス以外の水分に弱い壁紙素材・壁素材は乾拭きで掃除

壁紙掃除は二段構えで

壁紙掃除は、普段からのお手入れと、汚れがひどくなってきた場合の掃除方法との二段構えで行いましょう。以降では、普段軽く掃除をする頻度と、念入りな掃除を行う頻度について解説します。

ふだんから軽く掃除を

壁紙は、短時間に汚れてしまう場所ではありません。ただ、何年も放置していると、汚れが蓄積してなかなかきれいにできなくなる可能性があります。

壁紙掃除の基本は「普段からの掃除を月1回。汚れが目立ってきたタイミングで念入りな掃除をする」という頻度がおすすめです。

定期的に念入りな掃除を

月に1回、壁紙掃除をしていれば、壁紙はそうそう汚れません。しかし、年月が経過して汚れが目立つようになってきたら、気になる部分は念入りに掃除をしましょう。汚れをそのままにしておくと、汚れが染みこんで取れなくなる可能性があります。 

  • 壁紙掃除は二段構えで

    手垢がつきやすい場所など汚れの目立つ部分は気になったタイミングで掃除を

壁紙の掃除方法

それでは、ここからは壁紙の具体的な掃除方法について、順を追って説明します。

壁紙をふだんから軽く掃除をする方法

壁紙を日常的に掃除する場合は、月1回壁全体を簡単に拭き掃除をします。掃除の前には換気をして風通しのいい状態を作ってください。壁紙掃除をしているときに落ちてくるハウスダストやほこりを換気によって外に出す効果があります。換気のよい状態にしてから掃除に進みましょう。

壁紙の掃除には、高い部分も手が届くフローリング用のワイパーが便利です。ドライシートとウエットシートを使い分けて壁紙掃除を進めましょう。

  • 壁紙の掃除方法

    壁紙の掃除には、高い部分も手が届くフローリング用のワイパーが便利です

フローリング用のワイパーは、100均ショップでも300円で販売しています。

  • 壁紙の掃除方法

    ドライシートとウエットシートを使い分けて使用しましょう

ドライシートやウエットシートも100均ショップで調達できるので一緒に購入しましょう。

高さの低い部分は、ぞうきんの方が力を入れやすいので、高所はワイパー、低所はぞうきんと使い分けると便利です。

どのような素材であっても、まずはフローリング用のワイパーにドライシートを装着して、壁紙にたまったほこりを落とすようにしてください。ビニール以外の素材は水拭きに適さないため、これだけで普段の掃除は完了です。

ビニールクロスの場合は、ワイパー+ウエットシートまたはかたく絞ったぞうきんで水拭きをしましょう。

筆者の家の壁紙は、空気清浄器を設置している近くに比較的多くほこりがたまっていたほか、一部茶色いシミが目立つ場所がありました。

  • 壁紙の掃除方法

    一部茶色いシミが目立つ場所がありましたが……

ワイパーの乾拭きだけでは汚れは落ちなかったため、ウエットシートに取り替えて拭き掃除をしたところ、まだ少し気にはなるもののかなりきれいになりました。

  • 壁紙の掃除方法

    まだ少し気にはなるもののかなりきれいになりました!

広い家の場合は、週1回ごとに1部屋ずつ拭き掃除を済ませていけば、月単位の時間がかかりますが、すべての部屋がきれいになります。

しっかり掃除は重曹も使う

月1回の壁紙掃除でも落ちない汚れが目立ってきたら、汚れている部分を中心にしっかりとした掃除を行いましょう。

壁紙の汚れをしっかり落としたい場合、中性洗剤を薄めた水でぞうきんを濡らし、かたく絞ってから水拭きします。その後、普通の水でぞうきんについた汚れを洗い流し、もう一度水道水でぞうきんをよく洗い、かたく絞ったうえで壁紙を拭いてください。

  • 壁紙の掃除方法

    しっかり掃除は重曹も使う

汚れの種別によっては、中性洗剤では落ちにくいので重曹も活躍します。水100ccに重曹小さじ1杯を溶かした重曹水を作成してスプレーに詰め、準備をしましょう。

  • 壁紙の掃除方法

    重曹水を作ってスプレーに詰めておくと壁紙だけでなく他の掃除にも使えて便利

汚れ別・壁紙掃除のポイント

汚れの種類によって、効果的な洗剤は異なります。以下では、汚れの種類別に壁紙掃除のポイントについて見ていきましょう。

ヤニのついた壁紙掃除には重曹が活躍

自宅に喫煙者がいる場合、気になるのはたばこのヤニです。喫煙している家族がいると、なかなか気づきにくいヤニ汚れ。ヤニの汚れが毎日少しずつ蓄積し、中性洗剤ではなかなか落とせないような汚れになってしまいます。

ヤニの汚れは油性です。油性の汚れにはアルカリ性の重曹水が効果的。ワイパー+ドライシートやぞうきんなどでほこり汚れを除去したあと、重曹水を汚れの上から軽くスプレーし、水拭きで重曹水をきれいに拭き取りましょう。最後にもう一度乾拭きで仕上げて掃除完了です。

同じ掃除方法できれいになる汚れは、ヤニ以外だと油も候補に入ります。キッチン周りのクロスが油で汚れている場合は、ぜひ上記の掃除をお試しください。

カビにはカビ用の漂白剤を使う

壁紙にカビが生えてしまっている場合、利用したい洗剤は塩素系漂白剤です。壁紙の目立たない部分に少し吹きかけて、壁紙が傷まないかどうかを確認してから使用しましょう。

掃除の要領はヤニ汚れと同じで、まずは壁紙上の汚れをモップやフローリング用のワイパーなどで除去してから、塩素系漂白剤をカビ汚れに直接吹きつけ、水拭きをしてから乾拭きをして仕上げてください。

カビ汚れの場合は、中にまで食い込んでしまうと家庭での掃除だけではなかなかきれいになりません。どうしてもカビの汚れが取れない場合は、専門業者にハウスクリーニングを頼むか、壁紙の張り替えも検討しましょう。

トイレの壁紙掃除をするときのポイント

トイレの壁を掃除する場合は、トイレ特有の汚れやにおいを除去するために重曹を使用します。ヤニや油汚れの掃除と同様、重曹水を利用して、トイレもヤニ汚れと同じ方法で掃除を進めてください。トイレの壁は部屋よりも汚れやすいため、週1回の頻度で掃除をすると汚れがたまらないのでおすすめです。

  • 汚れ別・壁紙掃除のポイント

    汚れの種類に応じた洗剤を使って壁紙の汚れを撃退しよう

壁紙掃除は普段から少しずつやっておこう

壁紙掃除は、素材によって掃除方法が大きく異なります。ビニールクロスの壁紙なら、水をはじくので洗剤を使った掃除が可能です。

汚れの種類に応じた洗剤を利用して掃除をした後は、水拭き・乾拭きと進んで掃除を仕上げましょう。ビニールクロス以外の壁紙掃除は、ほこりの除去と乾拭きで掃除を進めてください。

壁紙掃除は月1回程度の頻度で掃除を進めれば問題ありません。月1回の掃除を続けてそれでも汚れが気になる部分が出てきたら、汚れの種類に応じた洗剤を使って拭き掃除をしましょう。壁紙掃除をすると、部屋がワントーン明るくなるかもしれまぜんので、ぜひお試しくださいね。