TVアニメ『プリパラ』シリーズより”NonSugar スペシャルイベント「約束のてへペロピタですわ!」byプリパラ”が3月6日、千葉・舞浜アンフィシアターにて開催された。
このイベントは完全新作配信アニメ『アイドルランドプリパラ』の制作も発表された『プリパラ』発の、田中美海演じる真中のん、大森日雅演じる月川ちり、山下七海演じる太陽ペッパーの3人によるチーム・NonSugarによる初の単独イベント。元々は昨年の春開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっており、約1年越しに実現したものだ。
本稿では、そのうち夜の部の模様をレポート。朗読劇などを挟みつつ、各アイドルのセンター曲を含む新曲満載のライブが繰り広げられたイベントの模様をお届けする。
●“無人島修行”は、3人はじまりのあの曲からスタート!
開演前からステージを照らすライトの色は、ピンクとグリーンとイエロー。3人のイメージカラーに染まったステージが開演を待ちわびるファンの気持ちをさらに高めると、開演時間を迎えたところでプリティーシリーズのライブ恒例・開演を告げるチャイムが鳴り響き、場内が拍手に包まれるなかOP映像の上映がスタート。改めてNonSugarの3人をそれぞれ紹介し『プリパラ』の世界へと会場をいざなえば、円形ステージの中央部分からポーズを決めたの3人がリフトアップ。そのまま披露したNonSugarはじまりの曲「シュガーレス×フレンド」が、イベントの幕開けを飾る。
冒頭のフレーズ後に3人揃ってジャンプするポイントでは、田中のジャンプが非常に高く、その後ものんらしい正統派なかわいさをみせる。また、イベント全体を通してダンスパフォーマンスが非常にダイナミックだった山下は、この曲ではBメロのフリの大きさが突出しており、ペッパーらしい天真爛漫さを表現。大森は1サビでは笑顔の中にも咲くような華やかさを持ち合わせており、2番最初のソロでもかわいさとしとやかさを両立させ、ちりとしてステージに立つ。こうして1曲目にして各々のキャラクター性を完璧に表現するのと同時に、チームワークの良さも感じさせてくれたのがこの曲。
前列に大森と山下、後列には田中という三角形のフォーメーションから、サビの音に合わせて跳ねながら移動し横一線に揃ってみせるなど、テクニカルな魅せ方もバッチリだ。
そのまま続いて披露した2曲目「かりすま~とGIRL☆Yeah!」は、元々田中の演じるのんが、”じゅのん””ぴのん””かのん”の3人を一人で演じたチーム・TRiANGLEの楽曲。そのため披露回数もあってか、やはり全体的に田中のパフォーマンスの良さが光る。頭サビ中にストップモーションになる部分では脚を高く上げたままキープしたり、1サビの「プリパラスター☆」のフレーズでは同じ振付にもかかわらず田中の手の魅せ方に強いキュートさが表れていたりと、技術的な巧さが多々感じられた。
もちろん3人のコンビネーションの良さも、この曲でも健在。1-Bメロには田中のうしろから大森と山下が左右に順番にパッパッと飛び出してみせ、しかもたった1ステップのみにもかかわらず大森にはしなやかさが、山下には天真爛漫さが備わっている。これも長年一緒に歩んできたキャラクターならではの、自然な個性の表れだろう。
2曲続けてのライブが幕開けを飾ったところで、続いてイベントはトークパートへ。前述の通り1年越しの開催となったイベントだけあって、田中の「みんな、おまたせー!」の言葉が胸を熱くする。
そしてこのイベントはNonSugarの3人による、『プリパラ』第123話「NonSugar漂流記」のような無人島での修行がコンセプトであるものと明かされると、開演前から据えられていた3つのテントのもとに移ってのトークコーナーへ。ブランケットがかけられ隠されていたテント前のカメラも用いつつ、事前募集したファンからの質問に時間の限り答えていく。その後は「無人島冒険したいよー!」との山下の言葉をきっかけに3人がステージから降壇すると、田中・大森・山下が実際に無人島を探検する VTRが上映。それぞれセルカ棒を駆使して非常に近い距離からの撮影を行ない、リラックスした探検の模様を届けてくれた。
●三者三様のセンター曲は、個性とチームらしさをいいとこ取り!
実写VTRのあとは、NonSugarの修業の日々を描いたボイスドラマを上映し、エピソード中にフィーチャーされたアイドルがセンターを担う新曲を順番に披露していく……という流れが3曲続く。まずトップを飾ったのは、ペッパーのセンター曲「タッ・ピ~ロペ・サパンナ!」。
サファリ感ありつつもビート強めのEDMという、ペッパーの個性とNonSugarらしさを兼ね備えた楽曲だ。そのペッパーとして、山下は他の曲以上にのっけからとにかく跳ね回りつつ、サビの冒頭などでは上手くタイミングを合わせてかわいらしくちっちゃく跳ねて魅せるのも、非常に巧い。また、間奏などで腕を上げ下げする部分が非常に多い振付はマネもしやすいし、エクササイズとして結構”効く”のでは? といった印象も。
二番手を飾ったのは、ちりのセンター曲「三花三様、夢いろ花舞姫」。ちりらしい和のテイストの入った楽曲を、全員が扇子を用いて踊る。その一方で、賑やかさや勢いも有しているうえにじゃんけんも交えられていたりと、こちらもちゃんと3人のための歌にもなっていた。サビの随所でセンターをとる大森は基本楽しそうな表情をみせてくれていたのだが、2サビ明けなどの要所ではバシッと堂々とした表情で決める点も含めて、まさにこの曲のセンター・ちりとしてのステージング。
また、1-Aメロのソロでピッとポジションを変えてスポットライトに抜かれる瞬間のパフォーマンスには、笑顔ではあったもののかっこよさが強くにじむ。ラストもちりのイメージカラー・グリーンの光のなか決めポーズのシルエットとなって終わるというのも、NonSugarの中ではスタイリッシュなイメージのあるちりのセンター曲らしいものと言えるのではないだろうか。
そしてセンター曲のラストは、のんがセンターを務める新曲「ノンピリオド」。NonSugar曲の中でも特にダンサブルかつガーリーなド直球のEDMで、のっけからサイドへのジャンプが織り込まれていたりと振付は非常にテクニカル。縦一列からスムーズに斜めにフォーメーションチェンジしたり、サビの冒頭などで3人による電車ごっこのような振付を度々みせたりと、個性だけを発揮するのではなくまとまりも打ち出す曲という点にも、”真中のんらしさ”が出ているように感じた。
また、TRiANGLEの3人を連想させるようなフレーズが存在した点も、のんらしさの表れたポイント。だが中盤では「TRiANGLEのときも楽しかったけど、今の私はちりとペッパーと一緒にいるほうが、もっと楽しい!」と宣言。直後左右から大森と山下が腕でハートを作って田中をサンドするという流れもまた、非常に胸を熱くするものだった。