爆発物など危険なものが郵送できないのは知っていても、身近なもの、例えば香水や現金も郵送できないということをご存知でしょうか。
また、海外に荷物を送るときはさらに注意が必要です。この記事では、手続きをした後に送り戻されることがないよう、あらかじめ知っておきたい郵送できないものを紹介します。
郵便物として差し出せないもの
郵送できないものについては、日本郵便のHP から確認することができます。HPの内容を参考に、ここでは郵送できないものについて補足説明します。
日本郵便のHPによると、国内で郵送できないものについて以下が挙げられています。
2.毒薬、劇薬、毒物および劇物(官公署、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師または毒劇物営業者が差し出すものを除きます。)
3.生きた病原菌および生きた病原体を含有し、または生きた病原体が付着していると認められる物(官公署、細菌検査所、医師または獣医師が差し出すものを除きます。)
4.法令に基づき移動または頒布を禁止された物
5.人に危害を与えるおそれのある動物(学校または試験所から差し出され、またはこれにあてるものを除きます。)
これらのものはいかなる場合も郵送することができません。
1の具体的な対象となるものは、「ガス」「漂白剤」「香水、マニキュアなどアルコールを含むもの」「花火」など引火、爆発の可能性があるものです。しかし、これらに当てはまるものの中でも製品によっては細かい条件をクリアすると郵送できる場合もあります。
ゆうパックで送れないもの
先ほど挙げた5項目以外にも、日本郵便が提供する荷物運送サービスのひとつ「ゆうパック」では郵送できないものもあります。例えば、「複数の個人情報を含むもの」や「現金」はゆうパックで郵送できません。荷物を送るときにゆうパックを利用する際は、現金や個人情報を含むものがないよう気をつけましょう。
郵送できないものの発送方法
危険なものを送れないのは知っていたけど、現金や香水など身近なものも郵送する際に気をつけなければいけません。
これらは基本的には郵送できませんが、必要な条件を満たせば発送が可能です。どのような対応が必要なのでしょうか。
郵便物の中身はバレる
はじめに、「危険なものでなければ、封筒や荷物に紛れさせて送ることができるのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、絶対にやめましょう。郵便物の中身は、意外とわかります。
たとえば、現金を普通郵便として送った場合、郵便局員の方が封筒を触れてわかるケースもあります。郵送できないものとして該当するものを故意に出せば、戻されて郵送が遅れるだけではなく、罪に問われることもあります。不正はせず、必ず決められた方法で送りましょう。
現金を送る方法
現金を送りたいときは、「現金書留」という現金を送付するための郵便サービスを使うか、現金を「普通為替」に換える方法があります。いずれも窓口の手続きが必要です。「普通為替」での送金は、ゆうちょ銀行の窓口でも受け付けています。
現金のまま送る方法は「現金書留」だけなので覚えておきましょう。現金は電子間で送ることもできるので、郵送以外の方法を検討するのもいいかもしれません。
香水を送る方法
香水は一見安全性に問題はなさそうですが、アルコールを含むため引火の可能性があるとされています。日本郵便では、アルコール60%以上の香水は郵送できません。
なお、ノンアルコールの香水や、練り香水なら郵送可能です。しかし、一般的な香水はアルコール濃度が高いため、度数がわからないといった場合は郵送しない方がいいでしょう。同様に、酒類も60%以上の度数があるものは郵送できないので注意しましょう。
スプレーを送る方法
スプレー缶も可燃性ガスを含むことが多いので郵送できません。どうしても送る必要がある場合は、空輸は難しくても、陸送で配達してくれる業者もあるので他の宅配業者を検討してみてもよいでしょう。
郵送はラベルに内容を記載することが大切
荷物を郵送するときのラベルに品名を書く欄がありますが、品名はできるだけ具体的に書くのがおすすめです。商品名やカテゴリーではなく何が入っているのか分かりやすいように書き、疑われそうなものであれば補足情報も書いておきましょう。
例えば、化粧品の場合は「化粧品 ノンアルコール」と記載したり、何かのグッズの場合は「アイドルグッズ」と表記するだけでなく、「DVD」「うちわ」などと記載したりしておくことは重要です。
怪しいものや判断に迷う品名だと、空輸されるものが陸送になってしまったり、確認に時間がかかって郵送が遅れたりすることがあります。
海外に郵送する時の注意点
海外に郵送する場合は、国内以上に注意が必要です。海外へは基本的に空輸での郵送となるため国内よりも郵送できないものは多く、検査もX線でより厳しく行われます。
国によって郵送できないものがある
海外へ郵送することができない物品を「禁止物品」といいます。禁止物品は法律で決められており、万国共通のものだけでなく、国ごとに郵送できないものもあります。
例えば、アメリカにタバコを送ることができません。他にも牛肉やオリーブオイルなども禁止されています。また、同じアメリカでも海外領になるとルールが異なります。細かいですが、間違えないようにしましょう。
基本的な禁止物品
基本的に海外へ郵送できない「禁止物品」は以下の通りです。
大分類 | 中類 | 具体例 |
爆発物・危険物 | 火薬類 | 花火、クラッカー、弾薬 |
引火性液体 | ライター用燃料、 ペイント類、香水 |
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高圧ガス | 消火器、防塵スプレー、 ガスコンロ、カセットコンロ用ガス |
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可燃性物質 | マッチ、ライター | |
酸化性物質 | 漂白剤、過酸化剤 | |
毒物類 | クロロフォルム、 加熱蒸散殺虫剤 |
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腐食性物品 | 水銀、バッテリー | |
放射性物質 | プルトニウム、ラジウム、 ウラン、セシウム |
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麻薬類 | 麻薬及び抗精神病剤 | |
生きた動物 | 生きた動物 | |
わいせつな物品 | わいせつ及び不道徳な物品 |
国内で郵送できないものは海外でもできないと思っておきましょう。また、ここで挙げた物品の例以外にも郵送できないものもあります。
さらに詳しい説明は日本郵便のHPで閲覧できますが、それでも不安な場合は、直接問い合わせてみましょう。
条件付き許容物品とは
禁止物品以外に「条件付き許容物品」というものもあります。これは、条件を満たせば郵送できる物品のことです。
例えば、アメリカでは「金」が条件付き許容物品となっています。保険を付けること、原産国がわかることなどの条件を満たすことで郵送が可能です。
EMSで郵送できないもの
同じ海外への郵送でも、郵送方法によってはできないものがあります。EMS(国際スピード便)では、以下の3つが郵送できません。
- 硬貨、銀行券、紙幣
- 各種の持参人払有価証券、旅行小切手
- 加工したまたは加工していない白金、金または銀、珠玉、宝石その他の貴重品
主に貴重品はEMSで郵送ができないので注意してください。さらに、現在は新型コロナウイルスの影響で国や郵送方法による対応が異なっています。何か郵送の予定がある方は、日本郵便のHPから「国際郵便条件表」を確認しましょう。調べたい国を検索すれば、各国の国際郵便条件表をみることができます。
郵送できないものを知って正しく利用しよう
火災の可能性があるものなど、危険物は郵送することができません。また、香水や現金など決められた条件をクリアして郵送できるものもあります。
せっかく家族や友人のために荷物を送っても、何か問題が起こった時、知らなかったでは許されません。国内・海外に関わらず、郵送する前は適切な方法かを確認してから利用しましょう。