日本人の心や人と人とのふれあいを温かくとりあげてきた番組と人に贈られる「第29回橋田賞」の受賞作品および受賞者が28日、発表された。

  • 長谷川博己と二階堂ふみ

脚本家・橋田壽賀子が理事を務める橋田文化財団が主催している同賞。受賞者には、本賞の置時計と副賞の賞金100万円が贈られる。なお、授賞式は、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点より、見送りとなった。

橋田賞大賞

該当なし

橋田賞

■連続テレビ小説『エール』(NHK)
作曲家古関裕而氏とその妻をモデルに、音楽の絆で結ばれた夫婦や仲間たちのドラマを激動の昭和を舞台に描き、さらに、戦争協力した人間の戦後の葛藤などシリアスな内容にも果敢に挑戦し、コロナ禍という未曾有の困難に見舞われた日本を物語と歌の力で元気にする作品で多くの視聴者に支持された。

■新春ドラマ特別企画『あしたの家族』(TBS)
二世帯住宅を題材とする落語を原案として企画され、娘が連れてきた相手がかつての部下で今は上司という状況にとまどう父親という複雑な事情を抱えた家族が一緒に問題を乗り越えながら本物の家族になるために奮闘する心温まるホームドラマを描き、多くの視聴者に愛された。

■『ポツンと一軒家』(朝日放送)
衛星写真だけを手掛かりにその地へ赴き、地元の人々からの情報を元に、一軒家の実態を徹底調査しながら、人里離れた場所に住む人物の人生にも迫るというユニークな番組を制作し、多くの視聴者の支持を得た。

■池端俊策(脚本家)
本年度の「麒麟がくる」(NHK)において、オリジナルドラマの名手として如何なく底力を発揮し、新鮮で骨太な歴史ドラマを執筆した他、長年に亘り数々の優れた脚本で多くの視聴者の支持を得た。

■長谷川博己(俳優)
本年度の『麒麟がくる』(NHK)において、従来、謀反者として描かれてきた明智光秀を、知的で世の中に平和と調和をもたらしたいと強く願い苦悩する人間として魅力的に演じ多くの視聴者の支持を得た。

■二階堂ふみ(俳優)
本年度の『エール』(NHK)において、歌手を志しながら作曲家の夫を支えるヒロインを明るく力強く演じ多くの視聴者の共感を得た他、『紅白歌合戦』では機転の効いたトークで見事に司会を務め上げるなど幅広く活躍した。

■松原耕二(キャスター)
『報道1930』(BS-TBS)等において、豊富な現場経験に根差した深い思索と誠実な人柄で、相手の機微を的確に読み取り本質を引き出して多くの視聴者の支持を得た。

橋田賞新人賞

■賀来賢人(俳優)
本年度の『今日から俺は!!スペシャル』(日本テレビ)や『半沢直樹』(TBS)など、めざましい活躍で将来有望な若手俳優として期待を集め多くの視聴者を魅了した。

■上白石萌音(俳優)
本年度の『恋はつづくよどこまでも』(TBS)における新鮮で明るく素直な演技は、視聴者に安心感と親近感を与え、多くの女性たちから支持を得た。

橋田賞特別賞

■坂本冬美(歌手)
優れた歌唱力と誠実な人柄で、コロナ禍の中、歌だけでなく映像など幅広く活躍し、人々の心を癒し多くの支持を得た。