『仮面ライダーゼロワン』の"その後"の物語を描いた東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』(監督:筧昌也)が、3月26日より期間限定上映されている。

  • 山口大地(やまぐち・だいち)。1988年生まれ、鹿児島県出身。2011年、『俺の空~刑事編』主役オーディションで準グランプリを期に本格的に俳優デビューを果たした後、テレビドラマ、映画、舞台、CMに多数出演。ビデオパス(現:TELASA)のWEB配信ドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』(2019年)で特撮ファンからの注目を集め、続く『仮面ライダーゼロワン』(2019年)第14話にて宇宙野郎雷電/雷(イカヅチ)でも好評を博す。撮影:大門徹

本作は、ヒューマギアを暴走させて人類滅亡を企てるテロリストとして登場し、やがて人類に潜む"悪意"の暴走を見張る役割へと立ち位置を変化させたキャラクター「滅亡迅雷.net」の4人がメインとなってストーリーが作られた。2020年12月に公開された映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』から引き続き、『仮面ライダーゼロワン』のテーマである「AI(人工知能)と人間との関わりあい」を打ち出した、シリアスなドラマが生み出されているという。

スピンオフ作品の上映&ソフト発売を記念し、マイナビニュースでは滅亡迅雷.netの愛すべき4人それぞれに単独インタビューを敢行。今回登場するのは、宇宙飛行士型ヒューマギア・宇宙野郎雷電というもう一つの顔を持つ"雷(イカヅチ)"役・山口大地である。メンバー最年長であり、役柄のとおり"兄貴分"として慕われている山口に、今回のスピンオフで培った仲間同士のかけがえのない"絆"や"信頼関係"について聞いた。

――「滅亡迅雷.net」の人気はテレビシリーズ放送中からかなり盛り上がっていて、その結果ついにみなさんをメインにしたスピンオフ作品が作られました。本作の内容についてのご感想をお願いします。

テレビシリーズではゼロワン/飛電或人の"敵"として描かれたキャラクターですが、滅亡迅雷.netの行動には彼らなりの"正義"がありました。もともと「仮面ライダー」シリーズにおける正義の概念って難しいんです。ヒーロー側はまぎれもなく正義に基づいて戦っていますが、敵にもしっかりした信念と正義が存在していて、異なる正義がぶつかり合うという展開が多いですよね。

今回のスピンオフ作品の場合、悪の人工知能アークの呪縛から逃れた滅亡迅雷の4人をどのように描くのか、始まる前は"これは難しいんじゃないか"と思っていたんです。しかし、いただいた台本を読んだら、滅亡迅雷の4人が何と戦うのか、何を信じるのかがはっきりと描かれていて、とてもカッコよく、シャレているなと感じました。輝けるヒーローではない、あくまでも"ヒール"としての立場から、自分たちの信念を貫いている。これぞ滅亡迅雷といった、ベストな内容だと確信しています。

――先に公開されました映画『REAL×TIME』では滅亡迅雷.netのみなさんが同一画面に収まる機会がなかったようですが、本作では4人がチームとして行動する機会が多かったとうかがっています。

『REAL×TIME』でもテレビシリーズ最終回も、宇宙野郎雷電のツナギを着て出演していましたから、雷として滅亡迅雷.netのみんなと集まること自体がすごく久しぶりでした。4人は撮影中、滅亡迅雷.netアジト以外の場所でも行動を共にしていて、意志をひとつにして……みたいなシーンもあって、印象に残る出来事が本当に多かったんですよ。今回の撮影は、すごく貴重な時間でした。

――4人のチームワークがとても良い印象ですね。

この取材がある前日、4人が集まってBlu-rayのためのオーディオコメンタリーを収録したんですけど、上映中はみんなで爆笑していたんです。内容はとてもシリアスなのに、ずっと笑ってる(笑)。4人がファミリー的というか、とてもいい関係性を築いているからこそ、こんな楽しい雰囲気になるんだと思っています。

滅と迅の"親子"はずっと仲いいですし、そこに亡と僕が加わって、いいバランスになっているんです。演技経験でいえば、僕がもっとも場数を踏んでいて、3人は僕にとってかわいい後輩たちという感じですね(笑)。すごくみんな素直だし、一生懸命にやっているから、僕も学ばせてもらうことが多かったです。

なによりもまず、みんなと一緒にいると単純にすごく楽しいんです。スピンオフではみんなが一緒にいる時間が長かったこともあって、帰り道には絶対に誰かが「ご飯食べに行きましょうか」って言い出して(笑)。みんなと会うたびに、どんどん仲良くなっていってる気がします。

普段は、他愛もない話で盛り上がっていますけど、撮影中では「12年前に起きたデイブレイクのときって、どんな感じだったんですかね」とか、作品世界を掘り下げるようなことをよく話し合ったりしました。「こんなとき滅だったらこう思うんじゃないか」とか「雷の思いはこうなんだ」とか、役についての話をすることもたくさんありました。