今回は、横浜市にあるエディオン モザイクモール港北店にて、無線LANルーターの売れ筋を取材しました。コロナ禍によるリモートワーク需要の増加から、パソコン周辺機器や家庭用ネットワーク機器の売れ行きは同店でも全体的に高まっているといいます。無線LANルーターはその象徴的な存在とのこと。
同店スタッフの中島正利氏は「ここ数年で、個人が使うデジタル機器の台数は増えていますし、テレビや白物家電などネットにつながる機器の幅も広がりました。ひと昔前のルーターでは、ボトルネックに感じる環境が目立つようになってきました。そこにリモートワークや外出自粛の波が来たということで、これを機に新調しようという人が一気に増えた印象があります」と解説します。
下記の「無線LANルーター買い替えの3ポイント」を踏まえて、直近の売れ筋トップ5を追いかけていきましょう。
- ルーターの買い替えは5~6年がひとつの目安。以前と同じ価格でも、大幅な性能強化がなされている。
- 将来の快適さまで考えるなら、Wi-Fi 6タイプがおすすめ。価格を抑えるならWi-Fi 5タイプで予算1万円で済ます手も。
- マンション住まいか戸建てか、将来想定している住まいも含めて想定するのがベター。
※本文と写真で掲載している価格は、2021年3月3日16:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:Wi-Fi 6対応のバッファロー1.5万円モデル「AirStation WSR-5400AX6」
一番人気となっていたのは、バッファローのアンテナ内蔵型上位モデル「AirStation WSR-5400AX6」でした。高速通信が可能な最新のWi-Fi 6(IEEE802.11ax)規格に対応し、5GHz帯で最大4803Mbps+2.4GHz帯で最大573Mbpsの通信が可能です。推奨利用環境は接続台数30台以下で、人数は10人以下。取材時の価格は15,480円でした。
「インターネットに接続する機器が増えれば増えるほどWi-Fi 6の効果を発揮します。現在はまだWi-Fi 6対応の端末が増えている過程の時期ですが、将来を考えるならお勧めの一台です。アンテナ数も多くて通信が安定していますし、セットアップの分かりやすさやサポートの充実で評判のバッファロー製品というところもあってよく売れていますね」
第2位:買いやすい価格のWi-Fi 6モデル「Aterm WX3000HP」
2位にはNECプラットフォームズの「Aterm WX3000HP」が続きます。同社のWi-Fi 6対応モデルの下位にあたるコストパフォーマンスに優れた製品で、取材時の価格は13,800円でした。5GHz帯で最大2402Mbps+2.4GHz帯で最大574Mbpsの通信が可能。推奨利用環境は36台以下、12人以下となります。
「バッファローと同じく、信頼性の高さでファンが多いメーカーですね。Wi-Fi 6対応ながら比較的買い求めやすい価格ということで、安定した人気があります」
第3位:1万円で買える好バランスモデル「AirStation WSR-2533DHP3」
上位2モデルの人気が際立っているとのことですが、少し離れた3位にはバッファローのWi-Fi 5(IEEE802.11ac)対応モデル「AirStation WSR-2533DHP3」がランクインしています。5GHz帯で最大1733Mbps+2.4GHz帯で最大800Mbpsの通信が可能で、推奨環境は18台以下、6人となります。価格は9,980円。
「将来を見越すとWi-Fi 6対応モデルがいいけれど、直近の環境を整えるならWi-Fi 5モデルでも十分という人も多いですからね。WSR-2533DHP3なら戸建てでも安定しますし、予算1万円で収まるということで選ばれることが多い印象です」
第4位:メッシュ中継機能も備えるWi-Fi 5モデル「Aterm WG2600HP4」
4位は再びNECプラットフォームズ製品が入りました。Wi-Fi 5対応の「Aterm WG2600HP4」で、価格は10,980円でした。5GHz帯で最大1733Mbps+2.4GHz帯で最大800Mbpsという仕様はWSR-2533DHP3と同じですが、メッシュ中継機能を備えているのがポイントです。推奨利用環境は18台以下、6人以下となります。
「複数のメッシュ中継器でWi-Fi環境を構築すると、親機のパスワードで広いエリアで安定した通信環境が得られます。こちらは親機として単体で使う方が多い印象ですが、面白い拡張性を備えていると思いますね。ブランドの信頼性も相まって4位に入りました」
第5位:Wi-Fi 5対応の高コスパモデル「EDWRC-2533GST2」
5位には、エレコムのWi-Fi 5モデル「EDWRC-2533GST2」が入りました。「WRC-2533GST2」をベースにした同店オリジナルモデルで、動画サービス「U-NEXT」のポイントが1,500円分付いています。本体の仕様はベースモデルと同じで、最大通信速度は5GHz帯1733Mbps+2.4GHz帯800Mbps。推奨環境は24台以下、6人以下となります。価格は6,480円。
「3~4位と拮抗して売れていますね。送受信アンテナが各4本あって6,000円台で買えるということで、コストパフォーマンスの良さが評価されていますね」
はみ出し情報…メッシュルーターも一部で注目度が高まっている
4位の「Aterm WG2600HP4」はメッシュ中継器機能を備えていますが、メッシュWi-Fi専用のルーターも一部で注目を集めているといいます。「Wi-Fi 6と並ぶ無線LANの新規格ということで、気にされている人はいらっしゃいますね。やはり広い住まいで使うことを考えている人が多いのではと思います。家中どこでも同じパスワードで使える安定した通信環境を求めるならお勧めですね」
バッファローのWi-Fi 5対応メッシュルーター「AirStation Connect」は、親機の「WTR-M2133HS」が25,800円、専用中継器の「WEM-1266」が10,800円でした。