街中で見かけない日はないほど浸透してきているUber Eats。「外食は控えたいけど自炊は面倒」「小腹が空いたときに手軽に食べたい」という人にとっては便利なツールでもあります。日中は会社勤めの人でも小遣い稼ぎになるため、土日などの隙間時間を活用してUber Eatsでの配送をしている人も少なくありません。

ただ、実際にUber Eats配達をしようと思った際、「そもそもどんな仕組みになっているのだろうか」と疑問に抱く人もいるはずです。本記事ではそんな疑問に答えるべく、Uber Eatsの仕組みについて詳しく解説します。

  • そもそもUber Eatsとは

    Uber Eatsの仕組みについてご紹介します

Uber Eatsとは

まずはUber Eatsとは何なのか、Uber Eatsの基本事項をまとめました。

Uber Eatsは出前代理店

Uber Eatsは「オンラインフードデリバリーサービス」です。通常は飲食店スタッフが行う出前を、アプリを通じて代行する「出前代理店」と言えばわかりやすいでしょう。消費者と飲食店をつなぐ斡旋業・仲介業の一種とも言えるかもしれません。

運営元はアメリカ企業のUber Technologiesです。タクシー配車サービスのUberを主軸に成長してきた企業で、Uber、Uber Eatsの他に貨物シェアリングのUber Freightもあります。

Googleマップの経路検索で「Uber」の選択肢を見かけた機会がある人も多いのではないでしょうか。日本では2012年にUBER Japanが設立され、その中の新規サービスとしてUber Eatsが日本に初上陸したのが2016年のことです。

特に2020年は新型ウイルス感染症の拡大防止のため、家で食事を注文する人が増えました。時間的制約にとらわれることなく、フレキシブルに動けるUber Eatsが使われるようになったのは当然の流れと言えるかもしれません。

Uber Eatsのサービス内容

Uber Eatsは、オンラインフードデリバリーサービスという名のとおりアプリ上でのやり取りが基本です。

利用者がアプリを通じて飲食店に注文・購入すると、近くにいる配達員が注文情報を受け取って飲食店に料理を取りにいき、利用者に配達する仕組みになっています。

  • そもそもUber Eatsとは

    街中では専用のバッグを背負って走る姿も

Uber Eatsが成り立つ仕組み

Uber Eatsのサービスが成り立ち世間に浸透しているのは、サービスにかかわる人すべてにメリットがあるからです。では、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。

ユーザーのメリット

シンプルな操作で家にいながら外食のクオリティを楽しめるのが、最大の魅力と言えるでしょう。

Uber Eatsのユーザーはアプリだけでデリバリー注文を完結させられます。クレジットカード払いもできるので、キャッシュレスで受け取ることができるのもメリットです。

お店の店員ではなく、Uber Eatsの配達パートナーが一時的に配達員として料理を届けてくれることを不安に思う人もいるかもしれませんが、アプリでは配達を請け負った配達パートナーの顔と名前が表示されるようになっています。こういった工夫も、使用するうえでの不安解消につながっていると言えるでしょう。

飲食店のメリット

飲食店はUber Eatsに登録するだけで配達してもらえるというメリットがあります。既存の店員が配達に出るようにするとシフトを組む必要があり、店員としても急な休みを取りにくくなります。配達に出る店員が抜けた分店内の人員を増やすと、人件費もかかるでしょう。

Uber Eatsであれば専用のデポジットとテイクアウト用の容器を用意すればいいので、コストを抑えることができます。また場所や営業時間によっては行きにくいと感じている顧客にもアプローチできるなど販路を広げることができ、小さな飲食店や個人経営店にとっては宣伝にもなるでしょう。

配達パートナーのメリット

Uber Eatsの配達パートナーは店員ではなく、Uber Eatsに登録している一般ユーザーです。シフト制ではなく自分が時間のあるときに仕事ができるという点では通常のアルバイトよりも働きやすいというメリットがあるでしょう。平日はサラリーマン、土日はUber Eatsという人も少なくありません。

報酬は週単位で入ってくるので、急にお金が必要になったときに稼ぎやすいというのも魅力です。

  • Uber Eatsが成り立つ仕組み

    オンラインフードデリバリーだからこそのメリット

Uber Eatsの配達の仕組み

ユーザーが注文してから配達されるまでどのような流れになっているのか、その仕組みを見ていきましょう。

(1)ユーザーが注文する

まずユーザーが注文するところからスタートします。基本的に自宅に近い店舗、配達可能な店舗の一覧が表示され、そこから選ぶことになります。一品からでも手軽に注文でき、支払いまでアプリで完結できます。

お店で準備ができて配達するまでのおよその時間は注文時に表示されるので、その時間を目安にするとよいでしょう。

  •  Uber Eatsの配達の仕組み

    近隣エリアから好きな店舗を選びましょう

注文が完了すると、飲食店側は準備を始めます。Uberのプラットフォームが自動的に配達パートナーと飲食店をマッチングさせ、配達にくるパートナーが決まります。

(2)配達パートナーが仕事を受ける

配達パートナーはアプリで仕事を受けます。アプリをオンラインにしていると配達可能エリアにある飲食店から仕事の依頼が来て、配達パートナーはその依頼を受けるかどうかを自分で選べます。。

依頼を受けることが決まれば、配達パートナー向けのアプリ「Uber Driver」が飲食店への道をナビゲートしてくれます。初めて行く店でも安心して向かうことができますね。

  •  Uber Eatsの配達の仕組み

    配達パートナー向けのアプリ「Uber Driver」で配達員は店舗までのルートを確認できます

(3)配達パートナーがお店で受け取る

飲食店に到着したら、配達パートナーはアプリに記載されているコードを伝えます。コードを使用することで注文を識別し、取り違いを防いでいるのです。

料理を受け取ったら、配達パートナーはUber Driverに料理を受け取ったことを報告します。このときに配達パートナーと飲食店は互いの評価をつけます。

(4)配達パートナーが届ける

配達パートナーが料理を受け取ると、ユーザーのアプリ画面で配達パートナーの顔と名前、現在地などがわかるようになります。

配達パートナーは基本的にUber Driverのナビゲートを頼りにユーザーの家に向かいますが、時にはトラブルで道に迷ってしまったり異なる場所に向かってしまったりします。ユーザーは配達パートナーの現在地がわかるので、そのような事態になったときは自分から正しいルートに案内することもできるでしょう。

無事に配達パートナーが到着したら、お金はすでに支払っているので料理を受け取るだけでOK。ユーザーと配達パートナー、互いに評価をして終了になります。

  •  Uber Eatsの配達の仕組み

    配達完了!

ユーザーがUber Eatsで支払う料金の仕組み

実際にユーザーがUber Eatsを利用したときに支払う料金の仕組みを紹介します。商品の料金のほか、手数料がかかります。

注文した商品の金額

注文した料理などの商品自体の料金です。

配送手数料

配送手数料は、「店舗とユーザーの距離」「配達地域」「利用時間帯」「天気」などによって変動する手数料です。

配送手数料の変動幅はだいたい50~550円程度。なお、この配送手数料はキャンペーンやクーポンで無料になる場合もあります。

サービス料

サービス料は注文した商品の料金の10%発生します。

少額注文の手数料

700円未満の注文の場合、150円の手数料がかかります。

配達パートナーの報酬の仕組み

配達パートナーの報酬体系を紹介します。チップを除くと「配送料(基本金額+配達調整金額)+プロモーション(ブースト+ピーク料金)-サービス手数料」が報酬として支払われます。

なお、チップについてはこちらの記事をご覧ください。

参考記事:Uber Eatsのチップ制度とは

配送料(基本金額)

配達で獲得する配送料の基準となるのがこの基本金額です。配達の距離や配達にかかる時間、商品の受け取り場所などをもとに算出された金額です。

配送料(配達調整金額)

下記のようなケースにおいて、適用される料金が配達調整料金です。

  • 通常の目安よりも交通状況が混雑している場合
  • 通常の目安よりも商品受け取り場所での待ち時間が長い場合
  • 配達パートナーの数が少なく通常よりも配達の需要が高い場合

適用された配達調整金額は配達詳細画面で確認できます。

プロモーション(ブースト、ピーク料金)

注文の多いエリアや時間に適用されるのがプロモーションであり、インセンティブのようなものになります。

配送料の基本料金を一定の倍率で増額するブーストや配達ごとに発生するピーク料金などがあります。適用されるプロモーションはアプリで確認可能です。

配送料から差し引かれるのが サービス手数料

サービス手数料は配送料(基本金額+配達調整金額)を対象にしたサービス手数料です。

なお、プロモーションで得た追加報酬はサービス手数料の差し引き対象ではありません。

  •  Uber Eats料金の仕組み

    すきま時間を使って稼ごう

導入店舗の手数料などの費用の種類

Uber Eatsを導入した店舗で導入後にかかる手数料などのコストをご紹介します。

加盟店手数料

Uber Eatsの提携店舗は、総売り上げの35%を手数料としてUberに支払う必要があります。Uber Eatsはドリンク1杯からでも注文が可能なので、実際に支払う手数料は売上によって大きく左右されることになるでしょう。

自社でタブレットを持っていない場合はタブレットレンタル料

Uber Eatsを通した注文を確認するためにはタブレットが必要です。自前のタブレットを使うことも可能ですが、もし自身で用意できない際はレンタル料を支払うことで、Uber Eatsからレンタルできます。

容器代などの包装コスト

Uber Eatsに支払う費用ではありませんが、配達には容器や食器が必要です。

Uber Eats登録の仕組み

ユーザーと配達パートナー、導入店舗それぞれのUber Eatsへの登録方法を見てみましょう。

■ユーザーの登録の仕組み

Uber Eatsのトップページにある「サインイン」を選択し、「アカウントを作成」を選択します。電話番号とメールアドレスを設定すれば注文できるようになります。

  • Uber Eats登録の仕組み

    まずはUber Eatsのトップページへ行きましょう

  • Uber Eats登録の仕組み

    続いて電話番号とメールアドレスを設定します

ちなみにユーザーとしてアカウントを登録すると、タクシーのUberサービスなどUber関連の他のサービスも使えます。

■配達パートナーの登録の仕組み

Uber Eatsのページ下部にある「登録して配達を開始する」をクリックします。名前や電話番号、メールアドレスなどを入力するフォームが出てくるので、そこに入力していきましょう。

フォームを入力すると配達方法を選ぶページに飛ぶので、自分が使う予定の配達手段をクリック。本人確認書類を提出し、プロフィール写真を設定すれば準備は完了です。

  • Uber Eats登録の仕組み

    配達方法を選ぶページに飛んだら、自分が使う予定の配達手段をクリック

  • Uber Eats登録の仕組み

    本人確認書類を提出しましょう

  • Uber Eats登録の仕組み

    プロフィール写真を設定すれば準備は完了です

導入店舗の登録の仕組み

ページ下部の「加盟レストランとして登録する」をクリックし、必要事項をフォームに入力します。

  •  Uber Eats登録の仕組み

    スマホとパソコンがあれば登録できる!

Uber Eatsは便利でメリットの多いサービス

Uber Eatsのサービスそのものの仕組みから、料金や登録の仕組みまでを簡単にご紹介しました。Uber Eatsはユーザー、配達パートナー、飲食店それぞれにメリットがあるサービスです。ぜひ利用してみてください。