プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は3月25日、「フリーランス白書2021」を公開した。調査は2020年12月23日~2021年1月25日、同協会のメルマガおよびSNSのユーザー733名(内フリーランス・パラレルキャリア活動者715名)を対象に行われた。

  • 今年度(2020年度)の事業収益の着地見込みを、昨年度と比較した場合の増減割合

    今年度(2020年度)の事業収益の着地見込みを、昨年度と比較した場合の増減割合

「最も収入が得られる仕事は、どのようなとこから見つけたものですか?」と質問したところ、前年調査と同様に、「人脈」(36.1%)、「過去・現在の取引先」(33.3%)、「エージェントサービスの利用」(12.9%)が上位に。「エージェントサービスの利用」に関しては、前年調査から5.2%増加となった。

また、今年度(2020年度)の事業収益の着地見込みを、昨年度と比較した場合の増減割合で教えてもらったところ、55.0%が「減収」と回答。そのうち前年度比4~10割減収した人が32.7%に上る結果に。コロナ禍による収益への影響は職種によって大きな差がみられ、オンライン中心での業務が可能な職種に比べ、オフライン中心の職種の方が減収が大きかった。

  • フリーランスの定年年齢の理想と現実

    フリーランスの定年年齢の理想と現実

フリーランスが働き続けたいと思う年齢[意向]は、「生涯現役」が最も多く、収入を伴う場合では30.9%、収入を問わない場合では40.4%と、4割を超えた。しかし、一方では、フリーランスが働く自信のある年齢[自信]を問うと、「60代後半」(20.3%)が最多で、「生涯現役」は11.0%にとどまった。

そこで、希望年齢まで働く場合に感じる不安について聞くと、「自身の健康」(73.7%)、「体力」(70.6%)、「スキルの陳腐化」(45.7%)が上位に。その不安に対する備えについて聞くと、「体を鍛える」(53.2%)、「定期的な医療機関の受診」(50.9%)、「貯金」(36.2%)が上位となった。

  • あなたは会社員・フリーランスなどの働き方の違いに関わらず、社会保障が提供されることが必要だと思いますか?

    あなたは会社員・フリーランスなどの働き方の違いに関わらず、社会保障が提供されることが必要だと思いますか?

次に、「あなたは会社員・フリーランスなどの働き方の違いに関わらず、社会保障が提供されることが必要だと思いますか?」と質問したところ、実に95.7%ものフリーランスが「必要」と回答。また、「自己負担で雇用保険に加入できるとしたら加入したいと思いますか?」という質問に対しては、68.1%が加入意向を示した。

さらに、「自己負担で保険料試算に基づく協会けんぽ・厚生年金に加入できるとしたら、加入したいと思いますか?」と尋ねると、49.4%が「加入したい」と回答。自由記述では、国民健康保険の保険料と、労使折半がない形での協会けんぽの保険料、いずれに対しても高額保険料負担の厳しさを指摘する声が目立ったほか、扶養制度や傷病手当金、遺族・障害年金の格差に関する記述も多く見られた。