ダンス&ボーカルユニット・Dream5の元メンバーであり、ミュージカル『刀剣乱舞』や『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』など注目作品に立て続けに出演してきた高野洸(23)。2019年1月にソロ歌手デビューし、これまで4枚のシングルを発表。俳優・アーティストの“二刀流”として活動している。そんな高野が1stアルバム『ENTER』(3月24日発売)をリリース。作品に込めた想いや作詞曲について話を聞いた。

  • 高野洸 撮影:蔦野裕

――ご自身にとって初めてのアルバムが発売されました。心境はいかがですか?

「やっとか」という気持ちと、「いよいよだな」という気持ち。アルバムを作り始めたのは1年前だったので相当時間を費やして作ったんです。それだけの時間と力を注いだアルバムが完成して達成感がありますね。いろんな方の協力があって仕上がった作品なので、たくさんの方にお届けしたいです。ファンの方はもちろん、このタイミングで僕を初めて知った方にもぜひ聴いてほしい。これまでの集大成が詰まっているアルバムなので。

――タイトルの『ENTER』にはどんな意味を込めましたか?

パソコンでいうとENTERは文字を打ち込むキー。これまで培ってきたものを背負って、世界にENTERすることを表しています。あと、言葉にインパクトもあるし僕的にしっくりきたのでENTERに決めました。そして、ENTERとENTERTAINMENTをかけているんです。ジャケット写真はフォーマルな衣装を着た僕がENTERのボタンに飛び乗る瞬間を、躍動感ある感じに仕上げました。今回のアルバム制作にあたっては打ち合わせに積極的に参加させていただいて、意見を出したり、一度いただいたアイデアを再構築して提案し直したりと自分なりにこだわりました。

――最新曲「モノクロページ」は、昨年11月に発売された4thシングル「CTUISMALBWCNP」(読み:コード13)に収録された「In the shade」と「Shining warm」に続き、自ら作詞を手掛けられました。

はい。実はアルバムと4thシングルは同時に取り組み始めたので、リリースするタイミングは4thシングルのほうが早いのですが、作詞を手掛けたのは「In the shade」と「Shining warm」よりも「モノクロページ」が先なんです。初めて作詞した曲になるのでとても思い入れがあります。

――初めての作詞はいかがでしたか?

難しかったですね(笑)。歌詞をどこから作りあげていっていいのか迷いました。最終的にサビから作ったんですけど、やっぱりサビの大事な部分をどうするかっていうのが一番重要だな、と感じましたね。「モノクロページ」という言葉は、作詞中に母音を重ねたほうがいいと思った部分があって、そこから組み立てて作ったんです。なかなか聞かない単語だし、タイトルもこれにしよう、と。気に入っています。

――「モノクロページ」はハッピーエンドという認識でよかったでしょうか。

ハッピーエンドの曲です。いままで隣にいた人がいなくなってしまって目の前が真っ暗になり、「あの人がいないと生きられない」と実感する。そこから自分の悪かったところを見つめ直して再び出会った2人はどうなるのか…?僕の想像と期待を書きました。

――「モノクロページ」は過去の後悔が綴られた楽曲ですが、高野さんが戻りたい過去やもう一度逢いたい人はいますか?

役者を始めた4年前、初めての現場が多くて僕は周りが見えていなかった。いろいろ疎かになっていたんです。もう一度逢えるなら、そのときに支えてくれた人たちに感謝を言いたい。その時に気が付けなかったありがたみは今ならわかります。なんでそのとき伝えられなかったんだろうって。自分が不器用だったゆえに悔しい気持ちが残っていますね。

――ソロ歌手デビューから2年が経ちます。振り返ってみて手応えは感じますか。

これまでリリースしたシングルごとに感じるものがありますね。もちろん反省する点もありますが、見える世界がどんどん広がっていると感じます。経験してみないとわからないこともたくさんありました。いま1stアルバムという節目を一度迎えましたけど、この先もどんどん右肩上がりにしたいです。

――4月から5月にかけて、アルバムをひっさげたライヴツアー「高野洸 1st Live Tour “ENTER”」がスタートします。意気込みを教えてください。

まずは会場に足を運んでくれる方に楽しんでほしい。アルバムはライヴのことを考えて選曲しているので、新型コロナの影響もあって声を出してもらうことはできないけど、手を叩いてもらったり振り付けを一緒に踊ったり、お客さんと一緒になって楽しみたいです。一番楽しみなのはステージに出た瞬間。やっぱり、僕だけと会うために来てくださっているのでみなさんと会えるのはめちゃくちゃうれしい。ライヴまでに愛情を込めて作ったアルバムを繰り返し、繰り返し聴いてほしいです。飽きがこないよう工夫して作ったので(笑)!